ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第41話 聖騎士VS黒の剣士&焔の剣聖

ヒースクリフとの決闘(デュエル)は、第75層主街区の《コリニア》で行われることになった。

 

新しい階層が解放された事で、朝から主街区は剣士や商人プレイヤーが詰めかけ、また観光目的で下層から多くのプレイヤーもやって来て賑わっている。

 

そんな街の中にある四角く切り出した白亜の巨石で作り上げられた古代ローマ風のコロシアム。

 

そこが3人の決戦の場となった。

 

「火吹きコーン10コル!10コルだよ!」

 

「黒エール冷えてるよ!」

 

「………どういうことだ?」

 

キリトの言う通り、何故かコロシアム周辺では商人たちが露店を開き、3人の決闘(デュエル)は見せ物となっていた。

 

「新聞でも大体的に報じられてるぞ。ほら」

 

隣で新聞を読んでいたカイは、その一面をキリトに見せる。

 

《《神聖剣》VS《二刀流》&《業火刀》~ユニークスキル同士の決闘!最強は誰か?~》

 

そんな見出しとなっていた。

 

「ヒースクリフの奴、まさかこれが狙いで……!」

 

新聞を握り締めキリトは静かにキレる。

 

「いや、多分経理のダイゼンさんの仕業じゃないかな………」

 

「本当にちゃっかりしてる人ね。まぁ、だからこそ経理を任されてるんだろうけど……」

 

カイとキリト、それぞれの隣でミトとアスナがあははと笑う。

 

「よう、キリト!カイ!なんだが大変なことになっちまったな!」

 

そんな中、カイとキリトの姿を見つけたクラインとエギルが近寄る。

 

その手にはポップコーンらしき菓子を持っていた。

 

「何祭り気分で楽しんでるんだよ……!」

 

「暢気だな、お前は………!」

 

「ま、これも経験と思えよ。しっかし、こんなことなら俺も早く手を打っておけばよかったぜ。一儲けできるチャンスだったのによ」

 

「友人で商売しようとするな!」

 

「流石はエギルって感じだけどな」

 

クラインとエギルとわいわい騒いでいると、また新たな人物がカイ達に近寄る。

 

「カイ!キリト!」

 

「久しぶり」

 

「ケイタ!それにサチ!」

 

現れたのは《月夜の黒猫団》のケイタとサチだった。

 

後ろにはササマル、テツオ、ダッカーの3人もいた。

 

「来てくれたのか?」

 

「店はいいのか?」

 

「あんなニュース知って落ち着いていられる訳ないだろ?」

 

「それに、あのヒースクリフとの決闘(デュエル)だろ!」

 

「絶対に見たくて、今日は休みにしたんだ」

 

「新聞を見て驚いたよ」

 

「まさかカイとキリトがユニークスキル持ちだったなんて」

 

「黙ってて悪かったな」

 

「別に隠してるつもりはなかったんだ」

 

「いや。あれ程のレアスキル持ってたらどうなるかは予想は出来るからね。2人が気に病むことじゃないよ」

 

「すまない」

 

「そう言ってくれると助かるよ」

 

「それより、今日は頑張ってくれ!2人には是非とも勝って、ウチの商品を広めてほしいからね!」

 

「「お前もちゃっかりしてるな!」」

 

ケイタの商売魂に、キリトとカイが突っ込む。

 

そんな光景に、全員が笑い出す。

 

「おっ!居た居た!お~い、キリト!カイ!」

 

「ようやく見つけたぜ」

 

「キリトさん、カイさん!」

 

「お久しぶりですキリトさん、師匠」

 

「リズにトバル!」

 

「それに、シリカとレオじゃないか!」

 

次に現れたのはトバルと、ピンクの髪をした鍛冶師の少女“リズ”、髪を短めのツインテールにして《フェザーリドラ》と言うレアモンスターを使い魔にしてるビーストテイマーの少女“シリカ、そして水色の長髪で腰には小太刀の様な短剣を装備し、カイを”師匠“と呼ぶ可愛らしい顔立ち少年”レオ“だった。

 

「まさかあの時打った剣が、ユニークスキルのために必要だったとはね」

 

「妙な注文しやがると思ったんだよ。“エリュシデータ”の性能なら90層までは余裕で戦えるのに同等の性能の剣を頼んで来やがるんだからな」

 

何を隠そうキリトのもう一つの愛剣“ダークリパルサー”は、トバルとリズ。二人の共同作業で作られた剣だ。

 

「ともかく!私たちの打った最高の剣で戦うんだから、負けたら承知しないわよ!」

 

「カイ、テメーもだぞ。俺の打った刀で負けたりでもしたら、テメーの刀を圧し折って、テメーも圧し折る」

 

リズとトバルから圧を投げられた。。

 

「リズさん、トバルさん!決闘(デュエル)前に2人にそんなこと言わないでください!」

 

「相手はあのヒースクリフなんですよ!そんな緊張するようなこと言って、2人が本来の実力を発揮できなかったらどうするんです!」

 

「キリトさん、カイさん!緊張せずに、リラックスして戦って下さいね!私、2人の事応援しますから!」

 

「俺も同じです!師匠とキリトさんなら絶対に勝てますよ!」

 

シリカとレオからは激励の言葉を貰った。

 

そんなことをしていると、キリトとカイの2人が呼ばれ、2人は控室へと向かった。

 

他のメンバー観客席へと向かい、決闘(デュエル)の行方を見守った。

 

最初に決闘(デュエル)するのはキリトとヒースクリフだった。

 

カイは控室から、2人の決闘(デュエル)の行方を見守る。

 

最初は互角のように思えたが、徐々にキリトのスピードが上がり、ヒースクリフは焦り始めていた。

 

そして、キリトは《グリームアイズ》に使った《二刀流》スキル、十六連撃技《スターバースト・ストリーム》を発動した。

 

ヒースクリフは持っている十字盾でガードをするも、キリトは構わず上下左右から攻撃を浴びせ続ける。

 

そして、十五連撃目がヒースクリフの十字盾を大きく右に弾き、最後の十六連撃目がヒースクリフを襲う。

 

キリトの勝ち。

 

誰もがそう思った。

 

だが、その瞬間、カイは自分の目を疑った。

 

何故なら、ヒースクリフが有り得ないぐらいのスピードで盾を引き戻し、キリトの最後の攻撃を防いだのだ。

 

キリトは大技を出したことで、硬直に入った。

 

ヒースクリフはその隙に十字剣でキリトを突き、キリトのHPは半分以下に落ちる。

 

キリトVSヒースクリフの決闘(デュエル)は、ヒースクリフの勝利で終わり、辺りは大きな歓声に包まれた。

 

そして、キリトはゆっくりと立ち上がり、控室に戻って来た。

 

「キリト」

 

「……カイ、気を付けろ」

 

「ああ、仇は取ってやるよ」

 

キリトにそう言い、カイは闘技場の中央に向かう。

 

「カイ君、君の事は随分前から目を付けていたよ。ギルドに入団した暁には、私の護衛でもしてもらおうかな?」

 

「勝負前からもう勝った気ですか?その言葉、決闘(デュエル)後に後悔しても知りませんよ?」

 

「これでも、プレイヤー最強と言われてる身だからね。これぐらい大口が叩けないと、やってはいけないさ。さて、始めようか」

 

ヒースクリフからの決闘(デュエル)申請を、カイは承認する。

 

互いに距離を取り、武器を構える。

 

カウントが減り、目の前に【DUEL】の文字が現れた瞬間、カイは駆け出した。

 

《業火刀》スキル、突進技《燎火一閃》を使いヒースクリフとの距離を縮めつつ攻撃を出す。

 

ヒースクリフは十字盾でその攻撃を受け流し、十字剣でカイに斬りかかる。

 

カイはブーツの底に打ち付けた鉄板で十字剣の腹を抑え、滑らせるようにして十字剣をいなす。

 

剣を払い、《グリームアイズ》のHPを大幅に削った《業火刀》スキル、重単発技《炎熱昇天》を使う。

 

ヒースクリフは十字盾で防ぐも、その威力にHPがガリガリっと削られ始める。

 

そのまま十字盾を押し、カイを離れさせ、2人は再び距離を取る。

 

「素晴らしい力だ。《業火刀》………対人特化スキルと言ったかね?」

 

「ああ。悪いが、対プレイヤー戦ならこっちに分がある。後は経験と勘で補えば、アンタにも勝てるはずだ」

 

最早敬語を使う事すら忘れ、カイは不敵に笑う。

 

そして、筋力値と敏捷値の合わせ技、システム外スキルにより一気に距離を詰め連撃を繰り出す。

 

その全ての攻撃をヒースクリフは防ぎ続ける。

 

連撃を浴びせつつ、カイはヒースクリフの集中力を削る。

 

実際、ヒースクリフの顔には焦りの表情があった。

 

そして、とうとうヒースクリフの集中力が崩れ、一瞬体勢を崩した。

 

(ここだ!)

 

その瞬間、カイは現時点での自身の上位スキル《紅蓮燦爛》を使う。

 

9連撃の強力な攻撃がヒースクリフの十字盾の耐久値を勢いよく削り、相殺しきれないダメージがヒースクリフのHPをじりじりと削る。

 

(行ける!)

 

最後の1撃、それが決まればヒースクリフを守る盾は破壊され、カイの勝利が決まる。

 

だが、カイの焔の刃は、ヒースクリフの十字盾を壊さなかった。

 

「………は?」

 

呆気に取られていると、ヒースクリフは十字剣を構えていた。

 

赤いライトエフェクトを纏い、十字剣がカイの身体を斬り飛ばす。

 

「がっ!?」

 

勢いよく吹き飛ばされ、カイは地面を滑り倒れる。

 

それで勝敗は決した。

 

またしてもヒースクリフの勝ちだった。

 

「何が……起きたんだ………」

 

カイは何が起きたのか分からず、ヒースクリフを見た。

 

ヒースクリフは、肩で息をし、焦りから解放された表情をしているも、その目は険しかった。

 

「素晴らしい攻撃だったよ。最後の一撃、君が目測を誤らなければ私の負けだったね」

 

だが、ヒースクリフは一瞬でいつもの目つきに戻り、カイにそう言った。

 

「では、約束通り君とキリト君は我が《血盟騎士団》に入団してもらう。ああ、それと、私の護衛をしてもらうと言う話は冗談だ。君にピッタリの仕事があるからね」

 

そう言い残し、ヒースクリフは闘技場を去って行き、カイとキリトの入団が決まってしまった。

 

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