ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第54話 ノア

「父上!母上の料理は美味しいです!」

 

「そうか。でも、あまり急いで食べるなよ。詰まらせるからな、ノア」

 

「よく噛んで食べなさい、ノア」

 

「はい!」

 

謎の少年“ノア”は、22層のミトとカイの家でミトの料理を食べていた。

 

あの後、自分たちを父と母と呼ぶノアに、カイはどうして自分たちをそう呼ぶのか尋ねた。

 

すると、ノアは「2人が俺の父と母だからです、父上!」っと元気一杯に答えた。

 

そして、ミトが両親は何処にいるのかと聞くと、「目の前に居ます!」と2人を指差して答えた。

 

どういう事が分からず、一先ず保護と言う形で2人はノアを連れて帰った。

 

名前に関しては、家に帰った後に尋ねたら答えてくれた。

 

食事を終えると、ノアは眠くなったのかカイが寝室まで運び寝かせた。

 

「それで、カイはどう思う?」

 

「ノアの事だよな。正直、俺にもわからない」

 

「どうして私たちを親だと思ってるのかしら?」

 

「記憶喪失で、俺たちに親の面影を見て親だと思ってる……とか?」

 

「出来過ぎかもしれないけど、一番納得できる理由ね」

 

「それより、おかしなことがある」

 

「おかしなこと?」

 

カイは頷き、話した。

 

「ミトが料理してるとき、何か手掛かりがあるかもって思ってノアにウインドウを開いて、可視モードにしてもらったんだ。そしたら、装備フィギュアと《アイテム》、《オプション》しかなかったんだ」

 

「それって本当なの?」

 

「ああ、おまけにレベルも無く、HPバーもEXPバーも無かった。あと、名前だ。《Noah-ASMAP001》……おかしな名前だった」

 

「ASMAP………何かの略称かしら………」

 

2人して考えていると、キリトからカイにメッセージが届いた。

 

「キリトから?」

 

こんな時間に何かと思いながらも、カイはメッセージを開く。

 

『カイ、相談したいことがある。明日、ミトと一緒に家に来てくれないか?』

 

「キリトなんだって?」

 

「相談したいことがあるそうだ。折角だし、俺たちもノアのことを相談してみよう。何かいい案を出してくれるかもしれない」

 

「そうね。じゃあ、今日はもう寝ましょう。流石に、明日も二度寝したらシャレにならないし」

 

「だな」

 

寝る為、寝室に向かうとベッドには既にノアが寝ており、2人はノアを挟む形でベッドに入る。

 

「あのさ、カイ」

 

「ん?」

 

「ノアなんだけど、多分1人でSAOに入ってないわよね?」

 

「だろうな。こんな小さな子供1人でログインさせるとは思えない。親か保護者が居るはずだ」

 

「だよね…………もし、もしもだよ。親も保護者も居なくて、1人で入ってたら?もしそうだったら、ノアは2年近く1人で居たって事よね。もしそうだったら………私なら耐えられないかも………」

 

ミトの言葉にカイは思った。

 

もしミトの言う通り、ノアが1人でSAOにログインして2年近く1人だったら、子供には耐え難く、正常な精神状態を保てないだろう。

 

もしノアの記憶喪失が心に起因するものだとしたら、カイやミトにはどうすることもできない。

 

SAOには精神科医は存在しないし、助けを求めるべきシステム管理者もいない。

 

もしノアを助けるなら、SAOクリアし、現実世界に戻すしか方法はない。

 

だが、SAOをクリアするにはあと半年は掛かる。

 

それがカイの見立てて、ミトも同じだと思ってる。

 

今、カイとミト、それにキリトやアスナが前線を離れているのは4人を含めた一部のプレイヤーのレベルがあまりにも突出して、パーティーのバランスを取るのが難しくなったのもある。

 

パーティーでのバランスが取れなくなれば、バランス調整の為、攻略も遅れる。

 

どう頑張っても、現状でノアを救う方法はないに等しかった。

 

「心配するなって。きっとノアの両親は見つかる。それまでは、俺達でノアの面倒を見るぞ」

 

「……うん、そうだね」

 

「じゃあ、おやすみ」

 

「おやすみ」

 

それを最後に、2人の会話は終わった。

 

ミトは間で眠るノアを見る。

 

「………大丈夫だからね。私たちがちゃんと親を探してあげるから」

 

気持ち良さそうにスヤスヤと眠るノアに優しく触れる。

 

「でも……もしもの時は…………」

 

ミトはそれ以上何も言わず、眠りについた。

 

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