ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第5.5話として短編的な物を投稿してます。

そちらを読んでからの方が、ノアとユイの絡みが一層楽しめると思います


第7話 旅立ち

翌日、ミトは目を覚ますと母親が用意しといてくれた朝食を食べてアスナのお見舞いへと向かった。

 

途中キリトと出会うも、前みたいな気まずさはなく、2人は世間話をしながら病室へと向かった。

 

お見舞いを終えて、家に帰ると適当に昼食を済ませ、ネットでALOの情報を集めているうちに午後3時となり、ミトはALOへとログインした。

 

ログインすると、ちょうどキリトもログインしたらしく宿屋の部屋から出て来た。。

 

「さっきぶりね、キリト」

 

「ああ、そうだな」

 

一階に降りると、まだジークとリーファの2人は来てないらしく、2人は昨夜座っていた席に座り、2人が来るのを待っていた。

 

暫く待つと、ジークとリーファの2人が店に入って来た。

 

「お待たせ」

 

「すまない、少し遅れた」

 

「いや、そんな待ってないよ」

 

「私達も今来たところだしね」

 

「そっか、ちょっと買い物してたから、かなり遅れたかなって思っちゃった」 

 

「買い物か……俺達も色々準備しないとな」

 

「武器はともかく防具をなんとかしないとね」

 

「それなら武器屋に行こう。所でだが、金はあるか?」

 

ジークに言われ、ミトとキリトは所持金額を確認する。

 

本来なら1000ユルドと言う所持金額があるのだが、2人はSAOのデータを偶然にも引き継いでいる。

 

その為、SAOクリア時に持っていた膨大のコルも単位がユルドに変化して、そのまま引き継いでいた。

 

「問題ないわ」

 

「同じく。結構持ってたよ」

 

「じゃあ、武器屋に案内するよ」

 

「ああ。ほら、ユイ起きろ。行くぞ」

 

「ノアも起きなさい」

 

ミトとキリトが声を掛けると、ノアとユイの2人が胸ポケットから顔を出し眠そうに欠伸をする。

 

「おはようございます、パパ。それにミトさんとノアも」

 

「同じくおはようございます、母上にキリトさん。それとユイ」

 

「ああ、おはよう」

 

「おはよう、2人共」

 

朝の挨拶をするとユイはキリトの胸ポケットから飛び出し、そのままミトの胸ポケットに入る。、

 

「えへへ、ノアの隣失礼しますね」

 

そう言い、ユイは嬉しそうにノアにくっ付く。

 

「あら、ユイちゃんと随分仲良くなったみたいね。もしかして、付き合っちゃった?」

 

「母上、揶揄うのはよして下さい」

 

ノアの隣に来てご満悦のユイを見て、ミトはノアを揶揄う。

 

「ユ、ユイ……!ミトに迷惑が掛かるから止めなさい!それと、ノア!いくら親友の息子と言えども、ユイはやらないぞ!ユイが欲しければまずは俺を倒してからにしろ!」

 

親馬鹿キリトは、頑固おやじの様にそう言う。

 

「まぁまぁ、いいじゃない。私は気にしないし」

 

そんなキリトをミトは宥める。

 

「で、でもな?流石に若い内から男女がそんなに距離が近過ぎるのはどうかと思うんだが………!」

 

「そんなこと言ってると、ユイちゃんに嫌われるわよ」

 

「そ、そんなことある訳ないだろ!ユイは、俺の事嫌いになったりしないよな!」

 

「……パパ」

 

ぎゃーぎゃーと騒ぐキリトに、ユイは笑顔で口を開く。

 

「ノアと仲良くしちゃダメなら、パパのこと嫌いになります」

 

その言葉に、キリトの心のHPが一気に削られた。

 

キリトはそのまま地面に倒れた。

 

「娘が親友の息子に奪われた………」

 

「ほらほら、さっさと武器屋に行くわよ。じゃあ、ジーク、リーファ、案内宜しくね」

 

「ああ、ついて来てくれ」

 

「え?キリト君はスルーなの、ジーク!?」

 

キリトを引き摺りながらジークに案内を頼むミト、そして、気にせず案内を始めるジーク、そして、キリトをスルーなことに驚くリーファだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武器屋に着くころにはキリトも復活しており、ミトとキリトは手早く防具を購入した。

 

2人共特にデザインに拘りはないので、ミトは紫を主体とした防御属性強化された服にマント、胸当てにし、キリトも同様には黒色の防御属性強化された服に黒のロングコートにした。

 

その後、世界樹に向け出発する際、風妖精(シルフ)領のシンボルの風の塔へと向かっていた。

 

「なぁ、どうして塔に行くんだ?」

 

「長距離を飛ぶ時は、高度を稼ぐために塔の頂上から飛ぶのが良いんだ。そうすれば、飛ぶ時間が伸ばせるしな」

 

「なるほどね」

 

ジークの言葉に、キリトは納得する 

 

「さ、行こ。夜までには森を抜けておきたいからね」

 

リーファはそう言い、ミトとキリトに塔の中へ入って行くように手招きする。

 

風妖精族(シルフ)賑わう塔の中に入り、4人は近くの魔法力で動くエレベーターに向かう。

 

「リーファ!ジーク!」 

 

「あ、こんにちは、シグルド」

 

「昨夜ぶりだな、シグルド」

 

行き成りリーファとジークに声を掛けてきた男性プレイヤーは2人の知り合いらしく2人は挨拶を返した。

 

シグルドはリーファとジークがここ数週間行動を共にしていたパーティーのリーダーで、リーファやジークとは肩を並べる程のプレイヤーであり、また風妖精族(シルフ)領主のサクヤの側近も務めている。

 

「パーティーから抜ける気なのか?」

 

「うん、まあね」

 

「残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか?」

 

「パーティーに参加するのは都合の付く時だけでいいはずだろ?それに、抜けたくなったらいつでも抜けていいと言う話だったはずだ」

 

「だが、お前たちは俺のパーティーの一員として既に名が通ってる。そのお前らが理由もなく抜けたら、こちらの顔に泥を塗られることになる」

 

自分勝手な理由にリーファもジークも心の中で溜息を吐く。

 

ALOに限らず、ハード志向のMMOでは女性プレイヤーは希少で、パーティーに迎えるのは戦力としてと言うより、パーティーのブランドを高める付加価値としてスカウトされることが殆どだ。

 

ましてや、リーファは一度シグルドを戦闘で倒したこともあり、そんなリーファを自身の部下として迎えることで自身の勇名を落とさないようにした。

 

それが、シグルドがリーファをパーティーに居れた理由だった。

 

ジークはシグルドのそんな考えを見抜いた上でシグルドのパーティーに参加することにし、常にリーファを晒される危険から守っていた。

 

「シグルド、俺やリーファの行動が勝手なのは承知の事だ。だが、お前の都合で最初に決めた事を反故にしようとするお前も勝手なんじゃないか?」

 

「黙れジーク。お前の意見は聞いてない。戦力として申し分ないからスカウトはしたが、お前なんぞ居ても居なくても変わらないんだぞ、リーファの腰巾着が」

 

ジークに対し暴言を吐くシグルド。

 

そんなシグルドに我慢の限界なのか、リーファは思わず腰の剣に手を伸ばしかけた。

 

「仲間はアイテムとは違うぞ」

 

「……なんだと?」

 

すると、リーファが剣を抜くより、キリトが先に一歩前に出て、シグルドにそう言った。

 

「他のプレイヤーをあんたの大事な剣や鎧みたいに装備欄にロックしとくことはできないって言ったのさ」

 

「き、貴様!」

 

キリトの言葉に、シグルドは腰の剣の柄に手をかける。

 

「屑漁りの影妖精族(スプリガン)風情がつけあがるな!どうせ領地を追い出された追放者(レネゲイド)だろうが!」

 

「失礼なこと言わないで!彼はあたしとジークの新しい仲間よ!」

 

シグルドの言葉にリーファは叫び替えしていた。

 

「なん……だと……リーファ、領地を捨てる気なのか……」

 

「……ええ、そうよ。あたし、ここをでるわ」

 

「……子虫が這いまわる程度なら捨て置こうと思ったが、泥棒の真似事とは調子に乗り過ぎたな。のこのこと他種族の領地に入ってくるからには斬られても文句は言わんだろうな」

 

キリトに剣を向け、芝居がかったセリフにキリトは肩をすくめる。

 

「言ってくれるわね。斬られても文句はない?上等よ」

 

すると、今度はミトがキリトの前に出る。

 

「な、何者だ!?」

 

「ミト、闇妖精族(インプ)よ。そんなにリーファやジークが惜しいなら、私たちを倒して言い聞かせたら?もっとも、それ程の腕があるならだけど」

 

「き、貴様!!」

 

キリトからミトに標的を変え、シグルドは叫ぶ。

 

「良いだろう!お望み通りにしてやる!」

 

今にもミトを斬りそうなシグルドに、ジークもリーファも戦闘態勢に入る。

 

「まずいっすよ、シグさん。こんな人目のある所で無抵抗の相手をキルしたら」

 

後ろに居たプレイヤーの言葉にシグルドはハッとする。

 

確かにミトはシグルドに対して斬り掛かる様に仕向ける態度を取ったが、デュエルでも、スパイ行為をした訳でもないのに、攻撃することが出来ない相手を斬れば見栄えがいいとは言えない。

 

更に、騒ぎによって多くのプレイヤーの前も集まっている。

 

そんな中で無抵抗の女性プレイヤーを斬ったとなれば、シグルドの名は失墜する。

 

その為、シグルドは忌々しそうにミトとキリトを睨み、リーファに視線を向ける。

 

「せいぜい外では逃げ隠れることだな。……今俺を裏切れば、近いうちに必ず後悔することになるぞ」

 

「留まって後悔するよりはずっとマシだわ」

 

「戻りたくなったときのために、泣いて土下座する練習をしておくんだな」

 

それだけ言うとシグルドとその仲間たちは去って行った。

 

「ごめん、変なことに巻き込んじゃって」

 

「いや………でも、いいのか?領地を捨てるなんて?」

 

キリトの言葉にリーファは無言になり、そのままエレベーターに向かう。

 

そんなリーファを見ているとジークが「気にしないでくれ」と言い、エレベーターに向かったのでミトとキリトも慌ててエレベーターに乗る。

 

塔の最上階に着くと、そこには、海原、草原、森、山脈が広がっていた。

 

「おお、すごい」

 

「空が近いわね」

 

「でしょ。この空を見てるといろんあことがちっちゃく思えてくるよね。……いいきっかけだったよ。いつかはここを出ていくつもりだったし」

 

「そうか……でも、喧嘩別れのような形にさせちゃって……」

 

「シグルドは上昇志向の強いプレイヤーだ。誰よりも強い最強の剣士になる。そんなアイツと同じパーティーに居た以上、パーティーを抜ける際はかなり揉めることは俺もリーファも覚悟の上だ。キリトやミトが気にすることはない」

 

「………でも、なんでああやって縛ったり、縛られたりするのかな……せっかく翅があるのに………」

 

リーファはそう呟き、空を見上げる。

 

「フクザツですね、人間は」

 

リーファの呟きに答えたのは、ミトでも、キリトでも、ジークでもなく、ユイだった。

 

「人を求める心を、あんなふうにややこしく表現する心理は理解できません」

 

ミトの胸ポケットからノアと共に顔を出し、ユイが言う。

 

「求める……?」

 

「私なら……」

 

そう言うと、ユイは隣のノアに抱き付いた。

 

「こうします。とてもシンプルで明確です」

 

ユイの行動に、リーファは呆然とし、ジークは「シンプルだな」と感心し、キリトはショックを受けた。

 

「す、すごいAIね。プライベートピクシーってみんなそうなの?」

 

「この2人はいろんな意味で特別なのよ」

 

そう言ってミトはユイとノアの頭を、指先で優しく撫でる。 

 

「リーファちゃん!ジーク!」

 

その時、誰かがエレベーターから現れ、声を掛けた。

 

「あ……レコン」

 

「そんなに急いでどうした?」

 

「ひ、酷いよ!、一言声かけてから出発してもいいじゃない!」

 

「ごめーん、忘れてた」

 

「すまない、俺達も急いでたんだ」

 

レコンは肩を落とすが、すぐに持ち直し真剣な顔で言った。

 

「リーファちゃん、ジーク、パーティー抜けたんだって?」

 

「その場の勢い半分だけどね。あんたはどうするの?」

 

「決まってるじゃない、この剣はリーファちゃんだけに捧げてるんだから……」

 

そう言い、レコンは腰の短剣を抜き、天に掲げる。

 

「えー、別にいらない」

 

リーファの言葉にずっこけるが、レコンはそんなことではメゲなかった。

 

「ま、まあそういうわけだから当然僕もついてくよ……と言いたいとこだけど、ちょっと気になることがあるんだよね……」

 

「……なに?」

 

「シグルドに何かあるのか?」

 

「まだ確証はないんだけど……少し調べたいから、僕はもうしばらくシグルドのパーティーに残るよ。……キリトさん、ミトさん、彼女、トラブルに飛び込んでくくせがあるんで、気をつけてくださいね。後、ジークは戦闘では頼りになるけど、普段は抜けてる所があるのでフォローお願いしますね」

 

「ああ。わかった」

 

「任せといて」

 

「それから、キリトさん、それに、ジーク!言っときますけど、彼女は僕の」

 

その瞬間、リーファがレコンの足を踏みつけた。 

 

「イッツ!」

 

「しばらくは中立区域に居るから、何かあったらメールでね!」

 

それだけ言うと、リーファは翅を広げ飛んだ。

 

「レコン、まだ何処かで会おう」

 

それに続き、ジークも飛ぶ。

 

ミトとキリトも翅を広げ2人の後に続く。

 

リーファとジークに追いつくと2人は後ろを振り向き、笑顔で言った。

 

「さ、急ごう!一回の飛行であの湖まで行くよ!」

 

「しっかりついて来てくれ!遅れるなよ!」

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