ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

95 / 132
第19話 集結

「えっと、それで、どうなったの?」

 

あの後、ジークとレコンが居る所に、ミトとアスナ、ユイとノアが合流し、数分後にキリトとリーファが戻って来た。

 

リーファは吹っ切れたような表情で、満足気だった。

 

そんなリーファに、ジークもミトもアスナも、ユイとノアも笑みを浮かべる。

 

何も知らないのはレコンだけだった。

 

「世界樹を攻略するの、此処に居る全員で」

 

「あ、そう……ええ!?」

 

《世界樹》の攻略と言うのに、レコンが驚く。

 

「ユイ、ノア。アスナの今の状態はどうなってるんだ?」

 

「はい、ママの今の状態はプレイヤーとしてログインしてる状態です。でも、役割としてはNPCです」

 

「つまり、自分からログアウトすることはできない状態です」

 

「なるほど。どうやったらアスナをログアウトさせることが出来るの?」

 

「このカードです」

 

そう言って、ユイはアスナが持っていたカードを見せる。

 

「このカードはシステム管理用のアクセス・コードです。これと対応コンソールがあれば、私とノアの力で、ママをこの世界からログアウトさせることも、他のSAOプレイヤーの解放も可能です」

 

「ですが、その対応コンソールはあの《世界樹》の、それも中のゲートを超えた先にあります」

 

「つまり、アスナや他の300人を救うにはどの道《世界樹》の攻略が必要って事か」

 

「残ってNPCガーディアンの囮になったトバル君も心配だよ」

 

「そうね。トバルの安否確認の為にも《世界樹》に行かないと」

 

全員が《世界樹》を見つめ、覚悟を決めた様に頷く。

 

「ちょっと待って。アスナさんはどうするの?」

 

そこで、リーファが肝心のアスナをどうするのかと聞く。

 

「上で囚われていたのなら、何も敵陣へと連れて行くのは危険では?」

 

ジークがそう言うも、ユイとノアが首を振った。

 

「それがそうもいきません」

 

「アスナさんのデータは非常に複雑化していて、コンソールから一定以上距離が離れてるとログアウトできない仕様になってます」

 

「本当なら連れて行きたくないが、状況が状況だ。アスナ、絶対俺から離れるなよ」

 

「うん、分かったよ、キリト君」

 

アスナが頷き、キリトも頷く。

 

そして、キリトはリーファとジーク、そしてレコンを見る。

 

「すまないけど、俺達の我儘に付き合ってくれ。もうあまり時間が無い様な気がする」

 

「いくらでも付き合おう。そのために来たんだ」

 

「あたしも協力する。勿論、コイツもね」

 

「ええ~…………まぁ、リーファちゃんやジークが言うならいいけど」

 

「それで、作戦はどう行く?」

 

ミトがそう言うと、キリトは全員を見渡す。

 

「ガーディアンの相手は、俺とミトでする。リーファとジーク、レコンはサポートを頼む」

 

「ああ、任せてくれ。回復魔法は使えないが、支援魔法や阻害魔法ならある程度使えるからな」

 

そう言い、ジークが手を前に出し、その上にリーファ、レコン、ミト、アスナ、キリトの順で手を置く。

 

最後にノアとユイがちょこんとキリトに手に乗る。

 

「皆、ありがとう」

 

「ここで終わらせましょう」

 

そして、《グランド・クエスト》が始まった。

 

『未だ天の高みを知らぬ者よ、王の城へ至らんと欲するか』

 

低音の声が響くと、目の前にクエストへの挑戦意志を質す《YES》《NO》のボタンが現れた。

 

キリトは迷うことなく《YES》を選ぶ。

 

『さればそなたが背の双翼の、天翔に足ることを示すがよい』 

 

轟音が響き、扉が開かれる。

 

その音は何処か、アインクラッドでのフロアボスのボス部屋の扉が開く音を彷彿させた。

 

キリトは背中の《ダークリパルサー》を抜き、構える。

 

ミトも《イクシオン・サイス》を構え、ドームの中に入った。

 

ドームの中は薄暗かったが、すぐに明るくなった。 

 

中は空洞になっていて、遠くの天井には世界樹へ繋がるゲート見える。

 

「アスナ、ついて来い!ミト、背中は任せた!」

 

キリトは剣を握りしめ、そして、勢いよく飛び上がった。

 

それに続くようにアスナも飛び、続いてミトも飛ぶ。

 

飛び上がってすぐ、白い窓から二体のガーディアンが現れた。

 

その内の一体をキリトは剣を交え跳ね退けたら、剣を首に突き刺し斬り落とす。

 

ミトに迫って来たガーディアンの剣を、鎌で受け流し、鏡のようなマスクで覆われた顔に鎌の刃を突き刺した。

 

「弱い、これならいける!」

 

そう確信し、更に上を目指す。

 

すると今度は無数の窓から大量にガーディアンが生み出された。

 

その数に圧倒され、一瞬怯むが、キリトもミトもそれぞれの武器を再び強く握る。

 

そして、再度上を目指して上昇する。

 

ミトに向かって剣を振り下ろしてくる。

 

何とか剣をギリギリで回避し、鎌を振って顔、首、胸、を斬り割き倒す。

 

それでも、ガーディアンはまだまだいる。

 

今度は二体同時に襲い掛かって来た。

 

一体の剣を鎌で受け止め、もう一体の剣の腹を足で受け止め、防ぐ。

 

「せやっ!」

 

足を滑らせるように剣をずらし、その剣を、ミトが剣を受け止めてるガーディアンに向ける。

 

剣はガーディアンに突き刺さり、剣を刺したガーディアンにも剣を刺されたガーディアンの剣が突き刺さり、身動きが取れなくなる。

 

その二体に向け、全力で翅を振るわせ、そのまま2体のガーディアンを、壁に向かって叩き付ける。

 

そして、二体のガーディアンは、そのまま白い炎となって消えた。

 

互いにカバーし合いながら、ガーディアンたちを倒していく。

 

だがそれでも、隙が出来少しずつダメージを受けていく。

 

「今よ!レコン!」

 

「はい!」 

 

リーファとレコンが詠唱していた回復魔法で、ダメージを追ったキリトとミトのHPを回復する。

 

すると、急にガーディアンはリーファさんたちに目を向けた。

 

「な、なんでガーディアン達が!?」

 

「まさか、直接攻撃してなくても戦闘に手を貸したら標的にされるの!?」

 

他のモンスターとは違うアルゴリズムに、リーファとレコンは驚愕する。

 

「リーファ!レコン!」

 

支援魔法を使いミトとキリトに強化を施し、阻害魔法で動きを阻害していたジークが、それに気づき、助けに向かおうと戻ろうとする。

 

「来ないで!」

 

そんなジークをリーファが止めた。

 

「こいつらはあたしたちでなんとかするから!ジークは自分の役割を果たして!」

 

「リーファ………すまない!」

 

ジークはそう言って、再び前を向いて戦闘をする。

 

「レコン、サポートよろしく!」

 

リーファは剣を抜き、ガーディアンの軍団へと突っ込む。

 

剣でガーディアンの顔を突き刺し、横に払って、新たなガーディアンの顔、胴、腕の順に剣を叩き込み、咄嗟に唱えた阻害魔法で他のガーディアンの動きを牽制する。

 

レコンは敵の攻撃を躱しながら、リーファに支援魔法や回復をする。

 

だが、レコンは随意飛行が出来ない為、コントローラーでの操作をしないといけない。

 

その為、敵の攻撃を避けることに意識を持って行かれ、リーファへの支援が間に合わない。

 

(くっ!やっぱりきついかも………!)

 

やはり、ジークに応援をしてもらおうべきだったかもと思いながらも、すぐにその考えを振り払う。

 

(自分で大丈夫って言ったんだ!大見え張っても食らいついてやる!)

 

己を鼓舞し、リーファは再びガーディアン相手に斬りかかる。

 

「うわああああああああ!!」

 

2体のガーディアンを倒した所で、背後でレコンの声が聞こえる。

 

振り向くと、レコンは弓を持ったガーディアンの攻撃を受け、全身に矢が刺さっていた。

 

「レコン!」

 

助けに行こうとした瞬間、その隙を逃さず、ガーディアンはリーファに一斉攻撃を仕掛ける。

 

ギリギリで回避していくも、多勢に無勢で徐々にダメージを追っていく。

 

「がっ!?」

 

とうとう、ガーディアンの剣がリーファの右肩を深く貫き、別のガーディアンの剣がリーファの脇腹を貫く。

 

そして、リーファの目の前に剣を上段で構えたガーディアンが現れる。

 

リーファは覚悟し、目を閉じる。

 

「はあああああああああああ!!」

 

だが、そのガーディアンを背後から斬る者がいた。

 

ジークだった。

 

ジークはガーディアンを倒すと、リーファを刺している2体のガーディアンも倒す。

 

「ジーク!?あなた、何して!」

 

「……目の前でリーファがやられるのを見過ごせるわけないだろ」

 

そう言い、ジークは剣を構える。

 

だが、既に頭上では無数のガーディアン達が出現し、最早天井のゲートが見えなくなっていた。

 

「こんなの……無茶だよ………」

 

そう呟くリーファの視線は、キリトとミトに向けられる。

 

アスナを庇いながら、上を目指す2人のHPは既にレッド近くまで落ちていた。

 

なんとか回復魔法を掛けるも、焼け石に水。

 

リーファは諦めて、目を閉じそうになった。

 

「諦めるな!」

 

だが、ジークが叫んだ。

 

「キリトもミトも、まだ諦めてない!それなのに、俺たちが諦めてどうする!」

 

「ジーク……」

 

「友が諦めないなら、俺達も諦めない!そうだろ!」

 

ジークの言葉に、絶望し掛けていたリーファは再び奮起し、剣を構える。

 

例え、この身を犠牲にしててもガーディアン達を倒す。

 

そう決意したその瞬間だった。

 

突如、背後から声と羽ばたく音が津波の様に聞こえる。

 

それに交じり、遠雷の様な雄叫びも聞こえる。

 

「あ、あれは……!?」

 

風妖精族(シルフ)の精鋭部隊!それに、猫妖精族(ケットシー)竜騎士(ドラグーン)隊だ!」

 

全身を古代武装(エンシェントウェポン)級の武具と防具で身を固めた50人はいるであろう風妖精族(シルフ)の精鋭部隊に、10体の飛竜に跨り、風妖精族(シルフ)同様全身を古代武装(エンシェントウェポン)級の武具と防具で固めた猫妖精族(ケットシー)竜騎士(ドラグーン)隊。

 

どちらも、風妖精族(シルフ)猫妖精族(ケットシー)の最終戦力だ。

 

「これを招集し、出撃できるとなるとまさか!」

 

「すまない遅れた!」

 

ジークの予感は的中しており、後ろから風妖精族(シルフ)領主のサクヤが現れた。

 

「ごめんネー!準備に手間取っちゃってサ!」

 

そして、飛竜に跨って猫妖精族(ケットシー)領主のアリシャも現れた。

 

「2人とも……来てくれたんだ……ありがとう……!」

 

頼もしい応援に、リーファは涙を流す。

 

「応援は私たちだけではないぞ、リーファ」

 

「そうだヨー。まぁ、正直あり得ない援軍だけどネ」

 

「ほう、あり得ないとは少々心外だな」

 

そう言って、現れたのは赤い鎧に身を包み、背には伝説武器(レジェンダリーウェポン)の《魔剣グラム》を携えたプレイヤー、ユージーンだった。

 

「ゆ、ユージーン将軍!?」

 

「まさか、火妖精族(サラマンダー)が手を貸してくれたのか!?」

 

火妖精族(サラマンダー)の登場に、リーファとジークは驚きを隠せなかった。

 

「援軍ではない。だが、この俺を降し、兄者を説得した傑物が居てな。水妖精族(ウンディーネ)と侮った………いや、侮った時点で俺の負けだ。敗者は勝者に従う。それが武人だ」

 

何処か楽しげに笑うユージーンは、《魔剣グラム》を抜き放つ。

 

火妖精族(サラマンダー)の同胞よ!風妖精族(シルフ)猫妖精族(ケットシー)如きに後れを取るな!」

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」

 

重武装の火妖精族(サラマンダー)の大部隊、総勢50名がユージーンの声と共に、攻撃を仕掛ける。

 

その光景に、リーファは信じれない者を見ていた。

 

種族間で仲の悪かった火妖精族(サラマンダー)が、風妖精族(シルフ)猫妖精族(ケットシー)と協力し戦っている。

 

とても信じられる光景ではなかった。

 

「なんだよ、仲が悪かったんじゃないのか?」

 

その光景に、ガーディアンを薙ぎ払いつつキリトが笑う。

 

「なんか色々あったみたいね。でも!」

 

ガーディアンを真っ二つに斬り裂きながら、ミトは辺りを見渡す。

 

周りは、ガーディアンたちで囲まれ、その数は応援のプレイヤーたちを合わせても数が足りない程だった。

 

「あれだけ応援が居てもこの数をどうにか出来るか分からないわよ」

 

「そうだな………せめて、あともう1つ……決定的な戦力があれば……!」

 

ミトとキリトが攻めあぐねる中、アスナは今の自分の立場に腹を立てる。

 

(私、なにもできてない……この手に剣があれば、一緒に戦えるのに………!)

 

無論、アスナ自身店売りの細剣(レイピア)を買い、それで戦うのも考えた。

 

だが、NPC“ティターニア”としての役割があるアスナは武器の類を装備できず、戦力とならなかった。

 

「ごめんね……キリト君、ミト」

 

「アスナ?」

 

「私の為に、こんなに頑張ってくれてるのに私、何も出来なくて………」

 

今にも泣き出しそうなアスナに、ミトとキリトは笑いかける。

 

「そんなことないさ」

 

「え?」

 

「アスナが、こうして無事にいてくれる。俺の傍にいてくれる。これ以上に、心強いことはないさ」

 

「そうね。ごめんね、変な弱音吐いて。今度こそ、アスナを守るよ、私は」

 

「キリト君……ミト……!」

 

(とまぁ、実際アスナが居てくれると心強いけど……!)

 

(殆ど強がりなのよね……!)

 

本心がバレない様に、笑みを浮かべたまま、2人は武器を強く握り直す。

 

ゲートまではまだ遠い。

 

風妖精族(シルフ)の精鋭部隊に、猫妖精族(ケットシー)竜騎士(ドラグーン)隊、そして、火妖精族(サラマンダー)の大部隊。

 

100人はいる歴戦のプレイヤーたちの助力があっても、グランド・クエストのクリアには至らない。

 

プレイヤーと運営、謂わば人と神でもある。

 

人は、創造主たる神には決して敵わない。

 

例え須郷がどれだけ非道な実験を行っていても、どれだけ人の想いを踏みにじっていたとしても、運営のトップである以上ALO内では神である。

 

((カイがいてくれたらな………))

 

思わず、ミトとキリトの心の中の呟きが、重なった。

 

「「「「「「「「「「わああああああああああああああああ!!」」」」」」」」」」

 

その時、背後から何かの声が響き渡った。

 

「なんだ?」

 

キリトは思わず、戦闘する手を止め、後ろを確認する。

 

小さかったその声は、徐々に大きさを増し、そして、空気を震わせるような大声となった。

 

「「「「「「「「「「わああああああああああああああああ!!」」」」」」」」」」

 

突如、風妖精族(シルフ)猫妖精族(ケットシー)火妖精族(サラマンダー)達をかき分けるように、およそ100名近くいる集団が突進してきた。

 

「なんだ、あの一団は!?」

 

「私たち以外にも協力してくれる種族が居たの!?」

 

「いや、その様な話は聞いてないが………」

 

突如現れたその集団に、サクヤとアリシャ、ユージーンは困惑する。

 

よく見ると、その集団は火妖精族(サラマンダー)水妖精族(ウンディーネ)風妖精族(シルフ)土妖精族(ノーム)闇妖精族(インプ)影妖精族(スプリガン)猫妖精族(ケットシー)工匠妖精族(レプラコーン)音楽妖精族(プーカ)の9つの種族全員がいる混成パーティーの集団だった。

 

「な、なんだ!?」

 

「一体何が起きてるの!?」

 

「間に合ったか!」

 

驚いていると、1人の水妖精族(ウンディーネ)がキリトとミト、アスナの下へとやって来る。

 

そのプレイヤーは、騎士の様な鎧を身に纏い、片手剣と盾を持っていた。

 

「キリトとミト、それにアスナだな!」

 

「あ、ああ……アンタは?」

 

「俺だよ。ディアベルだ」

 

そう言って、水妖精族(ウンディーネ)のディアベルはいつもの騎士スマイルを浮かべる。

 

「ディ、ディアベルだって!?」

 

「どうしてここに!?」

 

「ある人から連絡が来たんだ」

 

そう言って、ディアベルは経緯を語った。

 

SAOから解放されて間もなく、ディアベルはある人物から連絡を受け取った。

 

その内容に驚きながらも、未だにSAOから300人の未帰還者がいることを知り、その解放のために手を貸して欲しいと言う内容がそこにはあった。

 

ラスボス“ヒースクリフ”との戦いで、共に戦うことが出来ず、カイを死なせることになってしまったディアベルは、今度こそ騎士として戦いを成し遂げることを誓い、手を貸すことにした。

 

「大変だったよ。なんせ、これだけの人数に声を掛けるんだからね」

 

「これだけって……まさか!?」

 

「ここにいるメンバー、全員元SAOプレイヤー!?」

 

「嘘でしょ!?」

 

ガーディアン相手に戦いを繰り広げている100名の9つの種族の妖精たちの混成パーティーが全員、元SAOプレイヤーと言う事実にキリトもミトも、アスナも驚愕する。

 

「お前ら!ディアベル塾卒業生として、最後の戦いだ!」

 

「この戦いで、SAOを終わらせるぞ!」

 

ディアベル塾の卒業生のシュミットとコーバッツが周りを鼓舞して戦う。

 

「キリト!支援するぞ!」

 

「回復するよ!」

 

「こっちは強化だ!」

 

「周りのガーディアンたちはこっちで抑えるから!」

 

「お前たちは決めに行け!」

 

《月夜の黒猫団》も、支援や露払いで動く。

 

「キリト!なんで俺を呼ばねぇんだよ!水臭いにも程があるぞ!」

 

クラインも荒々しく叫んでガーディアンを斬る。

 

「飯の1回や2回奢った程度で許さねぇからな!」

 

そう言ってクラインは笑い、次のガーディアンを倒しに行く。

 

「シュミットにコーバッツ、《黒猫団》の皆………!」

 

「クラインまで……!」

 

「全員の連絡先を対策本部の人から聞き出すのには苦労したけど、お陰で集めることが出来たよ」

 

「誰なの?あなたにメッセージを送って来た人ってのは……」

 

「君たちのよく知ってる人さ。それより、ココが正念場だ!」

 

ディアベルはそう言って、キリトとミト、アスナの肩を叩く。

 

「道は俺達で切り開く!3人はその道を進んでくれ!風妖精族(シルフ)猫妖精族(ケットシー)、それに火妖精族(サラマンダー)の皆さん!協力願います!」

 

ディアベルは声を張り上げ、そう言う。

 

「了解した!」

 

「分かったヨ!」

 

「承知!」

 

ディアベルの言葉に、サクヤ、アリシャ、ユージーンは頷く。

 

風妖精族(シルフ)部隊!エクストラアタック用意!」

 

竜騎士(ドラグーン)隊!ブレス攻撃用意!」

 

「フェンリルストーム、放てッ!」

 

「ファイヤブレス、撃て―――――――――ッ!」

 

飛龍が口から巨大な炎を吹き、風妖精族(シルフ)部隊は剣先から眩い閃光を放ちガーディアンを一掃した。

 

火妖精族(サラマンダー)!豪炎の陣!風妖精族(シルフ)猫妖精族(ケットシー)が穴を開けた場所に突貫!ガーディアン共を抑え込め!」

 

ユージーンの声を合図に、火妖精族(サラマンダー)が陣形を組み、重突進でガーディアンに突撃し、抑え込む。

 

「行け!キリト、ミト、アスナ!」

 

ディアベルが叫び、3人は頷き合う。

 

そして、3人は全力で翅を震わせ突撃する。

 

このままいけば、穴を通り、ゲート前まで出られる。

 

だが、3人の前にまたしても壁が立ち塞がった。

 

突如、数十体のガーディアンが集まり、眩い光を放った。

 

光が収まると、そこに居た数十体のガーディアンは消え、巨大なガーディアンが1体そこに居た。

 

「なによこれ!?」

 

「合体して巨大化は王道だが、何もこんな時に!」

 

「突破するしかないわ!」

 

巨大ガーディアン相手に、キリトとミトは突っ込む。

 

だが、巨大ガーディアンの持つ剣が一振り。

 

攻撃は当たらなかったものの、剣を振った時に生じた風で、2人は吹き飛ばされた。

 

「キリト君!ミト!」

 

アスナは咄嗟に二人の下へと駆け付けようとする。

 

だが、それより早く巨大ガーディアンが腕を伸ばし、アスナを捕まえた。

 

「アスナ!?」

 

どうやら巨大ガーディアンはアスナを捕まえることが目的なのか、アスナを捕まえると、そのまま開いたゲートの中へと消えようとした。

 

ミトはアスナを助ける為に追い掛け様とするが、そんなミトを周りのガーディアンが剣を突き刺して止める。

 

「がっ!?」

 

「ミト!?」

 

アスナがミトの名前を呼ぶ。

 

「あ、アスナ………!」

 

ミトは減りゆくHPを見つめながら、アスナへと手を伸ばす。

 

そして、HPがレッドにまで落ちる。

 

その瞬間だった。

 

ミトの身体を突き刺しているガーディアンが、行き成り燃え出し消滅した。

 

「え?」

 

そして、巨大な炎の斬撃が巨大ガーディアンの腕を斬り割き、アスナを助け出す。

 

「アスナ!」

 

落ちて来るアスナをキリトが受け止める。

 

「アスナ大丈夫か!?」

 

「うん、私は平気………それより、キリト君、今のは……」

 

「ああ、炎の斬撃だった…………まさか!?」

 

キリトは信じられないと言った表情で、その斬撃が飛んで来た方向を見る。

 

「嘘でしょ…………!?」

 

アスナも自分の目がおかしくなったのではと疑った。

 

「待ち兼ねたぞ!」

 

ディアベルは嬉しそうに笑い言った。

 

斬撃が飛んで来た方向は、ミトの居る所だった。

 

そして、その炎の斬撃を放った者と思しきものが、ミトを守る様に立っていた。

 

「あ……ああ………!」

 

その何者かの姿を見たミトは、目から溢れんばかりに涙を零した。

 

赤いコートを身に纏い、手には一本の刀が握られた。

 

髪は火妖精族(サラマンダー)の証の赤い髪だが、その姿は決して見間違えるものではなかった。

 

「ミト、大丈夫か?」

 

彼、焔の剣聖“カイ”は変わらぬ笑顔でそう言った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。