ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

96 / 132
第20話 突入

「カイ……なんだよね……?」

 

ミトはあふれる涙を堪えることなく、カイに近付く。

 

「父上……」

 

ノアも、目の前にいるカイに驚きを隠せず、その目には涙が溢れていた。

 

「ああ、俺だ。待たせたな」

 

「カイ!」「父上!」

 

ミトとノアは、もう抑えることが出来ずカイに抱き付いた。

 

「おっと……!」

 

「カイ……良かった……本当に良かったよ………!」

 

「父上……俺、俺………!父上が死んだと聞いて、それで!」

 

「やれやれ、俺って奴は本当にどうしようもないな……ごめんな、今まで何も連絡せずに」

 

カイはそう言って、ミトとノアを抱きしめた。

 

「でも、どうして………?」

 

「それについては、あとでゆっくり話す。今は、この戦いを終わらせよう。行けそうか、ミト?」

 

「……うん!」

 

カイがそう尋ねると、ミトは涙を拭き、カイの手を取る。

 

「よし!ノアは、もう少し待っててくれな。全部終わらせたら、沢山話そう」

 

「はい、父上!ご武運を!」

 

ノアがミトの胸ポケットに収まったのを確認し、カイとミトはキリトとアスナの元へと向かう。

 

「久しぶりだな、相棒、それにユイちゃんも。今度は小さくなったな」

 

「小さいのはナビゲーションピクシーモードだからですよ、カイさん」

 

変わらないやり取りに、ユイは涙を拭って答える

 

「カイ、お前………本当にお前なのか?」

 

キリトは未だに信じられないと言う風に、カイに尋ねる。

 

「ああ、本物だ。なんなら、お前とSAOで俺が何したか、事細かに説明してもいいんだぞ」

 

カイがそう言うと、キリトはようやく本当のカイだと理解し、涙を流し始めた。

 

「何泣いてるんだよ、キリト」

 

「馬鹿野郎……俺、お前が死んだと思ってて……俺の所為で死なせたから……!それで、俺……俺……!」

 

自分でも何を言ってるのか分からなくなり、とにかくキリトは涙を拭きながら、自身の心の内を吐き出した。

 

「お前の事だから、絶対気にしてると思ったけどな。悪かったな、キリト。嫌な役やらしちまって」

 

カイは泣いてるキリトの頭を、優しく撫でる。

 

「アスナは無事だったか?」

 

「うん。手を出されることはなかったから全然平気」

 

「そりゃ、よかった。《業火刀》の力も便利なものだな」

 

「《業火刀》って、じゃあ、やっぱりあのバグは……」

 

「ま、それも追々な。今は、ココを突破するぞ」

 

そう言って、カイはゲートの方を見る。

 

そこには、数十体のガーディアンと、腕の欠損を直した巨大ガーディアンが立ち塞がっていた。

 

「後ろのガーディアンはディアベルたちとALOプレイヤーが引き受けてくれてる。だから、俺たちは正面だけに集中する」

 

カイは刀を構え、笑う。

 

「行けるか、ミト、キリト、アスナ。それに、ノアとユイちゃん」

 

「ええ、勿論よ!」

 

「いつでも行ける!」

 

「はい、父上!」

 

「私も準備できてます!」

 

「私も出来てるよ。もっとも、私は戦えないんだけど」

 

そう言うアスナは、少し悲しそうに笑う。

 

「おっと、そうだった。そのことなんだけど………」

 

カイはメニューウィンドウを操作し、ある物をアスナへと差し出す。

 

「ほら、アスナ。お前の剣だ」

 

カイの手には、一本の細剣(レイピア)があった。

 

それもただの細剣(レイピア)ではなかった。

 

「こ、これって……《ランベントライト》!?」

 

「アスナと言ったら、この武器だからな」

 

「どうしてこの武器がここに!?それに、私武器の装備が……」

 

「ああ、分かってる。でも、それは大丈夫だ」

 

カイの言葉にどういう事っと聞きたいが、試しに装備してみると、店売りの細剣(レイピア)では無理だったのに、何故か《ランベントライト》は装備することが出来た。

 

「どうして!?」

 

「それも後で説明するよ。さてと………」

 

カイはアスナ、キリトの順に顔を見て、最後にミトを見る。

 

「3人とも、行くぞ」

 

「うん!」「おお!」「ええ!」

 

アスナ、キリト、ミトの順にいい、4人は一気にゲートを目指し、翅を震わせた。

 

アスナの正確な突きが、ガーディアンの弱点を的確に貫き倒し、1体倒すのに1秒も掛からなかった。

 

キリトはようやく《エリュシデータ》を解禁し、二刀流にてガーディアンの群れを連撃で倒していく。

 

ミトは鎌の広範囲にわたる攻撃で、ガーディアンを複数体同時に倒していく。

 

カイは刀を使い、ガーディアンの頭をどんどん斬り飛ばしていく。

 

4人の猛攻に、ガーディアンの群れは成すすべなくその数を減らしていき、新たなガーディアンの出現も追いつかない程だった。

 

そして、最後に残った巨大ガーディアンは、4人を通さないと言わんばかりに巨大な剣を振り被る。

 

その剣を、カイとキリトは何も言わずに受け止める。

 

すると、巨大ガーディアンは新たに取り出した巨大な剣を持ち、横からカイとキリトに斬りかかる。

 

だが、それをミトとアスナの2人が受け止める。

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

 

「「はあああああああああああああああ!!」」

 

4人は雄叫びを上げ、一気に剣を跳ね上げる。

 

巨大ガーディアンは、後ろへと仰け反り、体勢を崩す。

 

その瞬間、4人はあらん限りの力を籠め、突撃した。

 

そして、4人の攻撃は同時に巨大ガーディアンへと当たる。

 

 

 

二刀流スキル《ダブル・サーキュラー》

 

細剣(レイピア)スキル《シューティングスター》

 

両手鎌スキル《カラミティ・ブラッドロード》

 

業火刀スキル《燎火一閃》

 

 

 

ソードスキルが存在しないにも関わらず、4人は寸分狂わず技を使い、巨大ガーディアンの中心に同時に当てた。

 

巨大ガーディアンが胸を貫かれると同時に、4人は貫いた穴から飛び出し、4人の背後で巨大ガーディアンが巨大な炎をに包まれ、消滅した。

 

そのままゲートへと到達する。

 

だが、ゲートは開かなかった。

 

「どういうことだ?ユイ!」

 

「はい!」

 

ユイがキリトの胸ポケットから飛び出し、ゲートを触る。

 

「これは、クエストフラグによってロックされてるものではありません!システム管理者権限によるものです!」

 

「どういうことなの!?」

 

「つまり、この扉はプレイヤーに絶対に開けられないということです!」

 

「やっぱりな。予想通りだったか」

 

カイはまるで分っていたかのようにそう言う。

 

「アスナ。トバルから、何か受け取らなかったか?」

 

「あ、そう言えば………」

 

アスナは思い出したように、トバルから受け取ったカードだった。

 

「ノア、ユイちゃん、これを使え!」

 

カイはそのカードを受け取り、ノアとユイに銀色のカードを差し出す。

 

「これは、システム管理用のアクセス・コードです!」

 

「これなら!」

 

「はい!」

 

ノアとユイは、カードに触れると、一瞬黄色に発光する。

 

光が収まると、2人は今度はゲートに触れた。

 

「コード転写!」

 

ノアがそう叫ぶと、ノアとユイが触れた場所から放射状に青い光が広がり、ゲートが開き出した。

 

「…………転送されます!」

 

「掴まってください!」

 

ノアとユイに言われ、4人は手を取る。

 

ユイの右手にキリト、左手にアスナ。

 

ノアの右手にカイ、左手にミト。

 

そして、カイたちは白く輝くスクリーンの中へと、データの奔流となって突入した。




いよいよクライマックスです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。