かみさまのいうとおり   作:YouCan@毘

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マチカネフクキタル誕生日おめでとう
なんとか誕生日に後半を投稿出来た!


じゅうしょうで だいじゅうたい【後半】

 

 

GⅢ 京都ジュニアステークス

京都レース場 芝2000m内 右 稍重

 

出走ウマ娘リスト

1番:マチカネフクキタル

2番:タンタカタンク

3番:ワールドチャージ

4番:モモノジャスティス

5番:ハッピーミーク

6番:メイガスリング

7番:ハンガーツリー

8番:パワージャッジ

9番:コロナレイン

10番:フーリッシュ

 

 

 

 

 

ファンファーレが鳴り響き、レース開幕を会場に知らせる。

デビュー戦とは比べ物にならない大きな歓声と拍手が上がりターフを震わせる。

 

これが重賞だ。

 

観客としては何度も経験しているが、関係者の立場でいると受ける重圧がこうも違うのか…

鼓動が高鳴る、手に汗が滲む。

深呼吸をして震えだしそうな体にぐっと力を入れる。

俺がビビッてどうする。今から走るのはフクキタルだぞ。彼女を信じてどっしりと構えろ。

 

 

「GⅢ京都ジュニアステークス、ジュニアクラスでのGⅢでは唯一の2000mの中距離レースだ」

「どうした急に」

「残り1000mからの200m続く3mの上り坂と第3コーナにある同じ高さの下り坂以外は至って平坦なコースだが、体が出来上がってないジュニアクラスでの2000mはやはりスタミナが課題になるだろう」

「スタミナに不安がある場合はどうするんだ」

「とにかくペースをキープして消耗を抑えるしかないだろうな」

「あとは気力と根性勝負ってところか」

「だな」

 

 

誰だか知らないけど解説ありがとう。

 

 

 

 

 

『厚い雲に覆われた京都レース場、先日の雨の影響でバ場は稍重となっています』

 

『天気持ってくれるといいですね』

 

『三番人気の8番パワージャッジ。この評価は少し不満か?二番人気1番マチカネフクキタル』

 

『いい顔をしていますね。調子は良さそうですよ』

 

『さぁ、このレースでの圧倒的人気を誇る5番ハッピーミーク、一番人気です!』

 

『私一押しのウマ娘、期待していますよ。今日はどんな走りを見せてくれるのか楽しみです』

 

 

小気味良い実況と解説の声とともに、ゲートの中に納まっていくウマ娘達。

中にはなかなかゲートに入りたがらないウマ娘もいるが、今回はすんなりと行くようだ。

 

 

『各ウマ娘、ゲートに入りました……スタート!』

 

 

ガシャンッ!というゲートの開く音と同時にウマ娘達が走り出す。

出遅れや転倒もなく綺麗なスタートだった。

 

 

『まずハナに立ったのは2番タンタカタンク、そのすぐ横に3番ワールドチャージ』

 

 

先頭の二人は逃げタイプだ。ずっと先頭なら一着になれるという分かりやすい走法だが、後方がどうなってるのかがわからないしスタミナの消費も大きいんだよな。

 

 

『約4バ身ほど離れて8番パワージャッジ、その後ろ4番モモノジャスティス、その内5番ハッピーミークここにいた、1バ身離れて10番フーリッシュ、その外並んで6番メイガスリング』

 

『今日のハッピーミークは先行策のようですね。4人にマークされて少し走りにくそうですよ』

 

『2バ身離れて9番コロナレイン、その1バ身後ろに1番マチカネフクキタル。後方にポツンと一人、7番ハンガーツリー』

 

 

よし、全体が見えるいいポジションだ。予想通りハッピーミークはマークが多い。

このまま足をためて…んん?

 

 

『第2コーナーを通過。タンタカタンクとワールドチャージ、互いにハナを譲らない!どうでしょうこの展開?』

 

『互いに自分の位置を取ろうと競り合い続けてますね。2000m持つのでしょうか』

 

『5馬身離れてパワージャッジ、その外並んでフーリッシュ、1バ身離れてハッピーミーク、その内モモノジャスティス、1バ身後ろにメイガスリング、2バ身離れてコロナレイン、その外、マチカネフクキタル。ハンガーツリーはまだ後ろだ

 後続との差が5バ身から6バ身、いや7バ身ほど開いていく!ここで1000mを通過。タイムは…ええ!?』

 

 

実況の口から出たタイムに耳を疑う。ウソだろオイ1200mレース並みのタイムじゃないか!?

後続もそれにつられてかハイペースな流れになっている。

フクキタルも…例に及ばず普段より速いペースで1000mを過ぎていった。

 

 

「フクーーーーーー!!速い!!ペースを落とせぇーーーーーー!!!」

 

 

ありったけの声を上げて叫ぶ。が、周りの声援にかき消される。

少し離れたところでも桐生院女史が口に手をかざして叫んでいるようだが、その声すらこの位置でも聞こえない。

それでも叫ばずにはいられないのだ。

 

二人の逃げウマ娘が半ば暴走、後続もペースを乱されてとんでもない展開になってきた。

 

 

『坂を上り残り800mを通過。先頭は変わらずタンタカタンクとワールドチャージが競り合っている!』

『後続も差を詰めようとしている!先頭との差を危惧したのか早めに仕掛けてきたか!?』

 

 

残り800で!?無茶だこのペースでさらにロングスパートなんて持つ訳がない!!

 

 

『第3コーナーを抜けて下り坂!戦闘はわずかにタンタカタンク!ワールドチャージが追いかける!』

『残り600mを通過!後方からハッピーミークが抜け出した!その後ろにマチカネフクキタルもやってきたぞ!後続はずるずると下がっていく!』

『残り400mを切った!タンタカタンクとワールドチャージが粘る!外から懸命に追うハッピーミークとマチカネフクキタル後方からハンガーツリーが一気に上がって来た!!!』

 

 

最後方だった7番がいつの間にか上がってきていた!?ペースにのまれずずっと足をためてたか!

フクも前に行こうとしているが、前半に周りのペースにのまれたせいで追い上げにいつものキレは無い。

 

 

『ワールドチャージがここで後退!スタミナの限界か大幅に失速!タンタカタンクはまだ粘る!』

『ここからは最終直線…!?ワールドチャージが転倒!力尽きたのかその場で崩れ落ちるように転倒した!』

 

 

会場が大きくざわつく。

転倒!?怪我は無いか!?レースは!?進路は!?

ああクソ!状況に頭が追い付かない!!フクはどうなんだ!?

 

 

前方に意識を戻す。

マチカネフクキタルは走ってた。

必死の形相で、限界が近いのにそれを押し殺すように。

追いつけないかもしれない。

力尽きるかもしれない。

 

それでも

全力で

前へ

前へ。

 

 

 

 

 

「頑張れぇーーーーーー!!!フクぅーーーーーーー!!!!」

 

 

 

気が付けばありったけの声で叫んでいた。

目の前で全力で走るフクキタルに、今の自分に出来ることは無い。

ただありったけの声援を掛ければ少しだけでも楽になるかもしれないと。

聞こえないかもしれない、意味なんてないかもしれない。

それでも、叫ばずにはいられなかった。

 

その声が聞こえたのか

 

俺の担当ウマ娘は、

少しだけ

ほんの少しだけ

加速した気がした

 

 

 

 

『先頭はタンタカタンク、2バ身後ろからハッピーミークとマチカネフクキタルが追う!残り200!先頭との差は縮まっているがハンガーツリーが来た!』

『前二人をかわしてハンガーツリーがタンタカタンクに迫る!粘るタンタカタンク!ハッピーミークとマチカネフクキタルは間に合わないか!!』

『タンタカタンクとハンガーツリー!二人もつれ合う様にゴールイン!!勝ったのはどっちだ!?』

『三着は辛うじてハッピーミークか!?』

 

 

ざわつく観客。

掲示板には写真判定表示。

1分が10分にも20分にも感じる中、実況からのアナウンスが再度会場内に響いた。

 

 

『まさか、まさかの結果です!!大荒れのこのレースを制したのは────』

『2番、タンタカタンク!高速展開のレースにも関わらず最後の最後まで逃げ切りました!』

『2着は7番ハンガーツリー!3着は5番ハッピーミーク!』

 

 

 




誕生日に負けレースを投稿する鬼畜で申し訳ありません。
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