機動戦士ガンダム Marionette   作:オリシロ

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砂嵐部隊 後編

 オックス軍曹、彼は問題だ。シリュウはコメカミに手をやった。

 

『ちくしょう、なんで実戦やる部隊なんかに俺が…』

 

「聞こえているぞ、オックス軍曹。」

 

『うわ、失礼致しました!』

 

 オックス・マナッケ軍曹、彼は北米第165MS中隊の所属であり、彼自身、一年戦争後にMSパイロットとして任命され実戦を経験せず現在に至る謂わば戦争を知らない軍人だ。

 しかし、それに反して演習の成績は中々のものでシミュレーション上では他の隊員に見劣りするものではない、が…

 

『オックス遅れるな、しっかり後ろにつけ!』

 

『後ろにつけったって…クソ!』

 

 彼の乗機、ジムⅡスナイパーカスタムは一年戦争時に初期型のジムを改装した装備を改修してジムⅡをアップデートしたもので軍備増強に辺りその試験を兼ねたモデルであるが如何せん今頃になってという形で実績ある信頼性の高い装備と言えば聞こえは良いが陳腐化した技術の機体であり、パイロット機体共に間に合わせという感が拭えない。

 

 そんな彼に激を飛ばす前衛のパイロット、ルイズ・ストレンド少尉。

 ルイズ少尉については今の連邦において稀な生真面目な士官、というのがシリュウの感じた第一印象である。

 なにせ、彼はUC0085年、2年程前に地球連邦軍を除隊して予備役となっていた。

 それからというもの荒んだ生活をしていたらしいが、彼の元教官がアイゼンワー少将に今作戦に推薦した事が彼が今ここにいる理由の一端なのだろう。

 

 彼の駆るジムカスタムは連邦軍内においてかなり高性能な機体であり、そういったティターンズに徴用を逃れた貴重な機体群は連邦の主要な基地に集中して配備される事が多い中、アイゼンワー少将が苦心の末引き抜いてきたのだろう。

 事実、頼もしい戦力には違いなく連邦軍広しといえど、ここまで装備が充実しているMS部隊は空挺部隊を除けばそうは居ないだろう。

 

「シリュウ少佐。」

 

 横の席に座る銀髪の兵士に呼ばれシリュウは目を向ける。

 アリョーナ・イミニーチフ伍長、ガウ改級『ガンダルワ』の通信士であり、これまた稀な今作戦において自ら志願してこの部隊に編入された人材だ。

 

 

「海岸に所属不明の機影を捉えました。」

 

「規模は?」

 

「反応が微弱ですが…小隊規模の水中用MSと推測します。」

 

 恐らく先日ベラクルス基地を襲撃したジオン残党のこれまた残党といったところだろう。

 物資強奪を邪魔され、貴重な機体を潰されて頭に血が登ったのだろうか。

 だがこれは好都合だ。

 

「ガンダルワとベラクルス基地に伝達しろ、だが手出しはさせるな。」

 

「と仰いますと。」

 

 怪訝な表情を見せるアリョーナをよそにシリュウは冷静な眼差しをレーダーに向ける。

 

「隊員達の実戦を見てみたい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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