桜才学園での生活   作:猫林13世

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らしいっちゃらしいですけど……


最後までグダグダ

 津田と五十嵐がキスをした……その光景が目の前に広がった時、私は何を思ったのだろうか……

 

「(怒り? それとも嫉妬? だが、私のアソコは微妙に濡れているし)」

 

 

 これがNTRで興奮するというヤツなのだろうか……良く見ればカナとアリアは微妙に息が荒くなってるし、コトミに関しては、アリアのを舐めて、更に兄のキスシーンを見て完全に洪水状態になっているではないか。

 

「シノちゃんもこっちの世界に足を踏み入れたんだね!」

 

「なかなか悪くないな! こういう気分も!」

 

「ですよね! でも、サクラっちに続いてカエデっちまで……こうなったら残り一日、私もタカ君の唇を狙うしかないですね!」

 

「それじゃあ私も~!」

 

「私とアリアはビーチバレーの試合で勝てば可能性はあるが、カナはどうやって津田の唇を奪うつもりなのだ?」

 

「簡単です! こう胸をはだけて色っぽく迫れば……」

 

 

 根拠は無いが、きっと失敗するだろう……そう確信してしまった。

 

「それじゃあ、決勝は私とアリアペア対津田・五十嵐ペアだな! アリア、絶対に勝つぞ!」

 

「おー!」

 

 

 気合いが入ってるのか、入って無いのか微妙な返事だったが、とりあえず目標は決まった。津田のヤツ、私たちに負けて自分からキスをしなければいけなくなったらどんな顔をするのだろうか、ちょっと楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何でか分からないけど、会長と七条さんの二人の気合いが凄いものになっている。私はさっきの試合、何一つ役に立ってなかったけど、津田君はそんな事気にしなくて良いと言ってくれた。

 

「津田君、今度は絶対に役に立つからね!」

 

「意気込むのは良いですが、あくまでも自然体で。下手に力むと失敗しますよ」

 

「ごめん……」

 

 

 どっちが先輩だか分からないやり取りに、私はションボリとうつ向いた。つい津田君相手だと後輩だって事を忘れてしまうのよね……

 

「大丈夫です。五十嵐さんは落ち着けばきっと活躍できますよ」

 

「そう、かな……」

 

「そうですよ。それに、あの邪な顔をしている二人を勝たせたら、風紀委員長としてマズイのでは?」

 

 

 津田君に言われて、私は会長と七条さんの表情を確認した。確かにとんでもなく邪な表情を浮かべているし、二人の視線は津田君の唇にロックオンされている。それはつまり……

 

「津田君、絶対に勝ちましょうね!」

 

「? もちろんそのつもりですが……いきなりどうかしたんですか?」

 

「あの二人、勝ったら津田君にキスさせるつもりよ」

 

「そんな感じですよね……いったい何を考えてるんだか」

 

 

 津田君は呆れただけだったけども、私は絶対にそんな事はさせたくない。だってせっかく森さん以外の相手からリードを奪えたのに、これでもし負けて津田君と二人がキスしたら……私のリードは無くなってしまうのだから。

 

「それでは、第一回桜才・英稜合同旅行、即席ビーチバレー大会決勝を行いまーす! 司会は私、桜才学園新聞部部長、畑ランコがお送りします。そして解説はこの人!」

 

「七条家メイドの出島サヤカと」

 

「桜才学園生徒会顧問、横島ナルコよ」

 

「お二人には男性の腰の上から解説をお願いします」

 

「何してるんだ、あんたらは!」

 

 

 三人の方向に目を向けて、私は危うく気を失うところだった。だって横島先生と出島さんが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 邪な考えでスポーツに挑んでも絶対に勝てないと、私は思っていた。そしてその考えは正しかったのだと、津田さんが証明してくれた。

 

「勝者、津田副会長・五十嵐風紀委員長ペア。はい拍手」

 

「わー!」

 

 

 何とも棒読みは称賛と喝采に、津田さんも五十嵐さんも呆れている様子だった。

 

「ではお二人、勝者の権限で敗者の二人にご命令を」

 

「そうですね……この砂浜を三往復くらい走ってきてください。そうすれば邪念も吹き飛ぶでしょ」

 

「ちょっと待て! 津田、それは本気なのか?」

 

「ええ。もちろん本気ですよ」

 

 

 津田さんの罰に、天草会長と七条さんの表情が少し暗くなった。

 

「もっと他の罰がいいなー」

 

「例えば、なんですか?」

 

「タカトシ君の足を舐めるとか?」

 

「七条先輩はもっと走りたいようですね?」

 

 

 津田さんは笑顔なのに、この場にいる全員が戦慄を覚えた。あの笑顔はきっとヤバい、そんな事を全員が直感で気づいたのだ。

 

「行くぞアリア!」

 

「そうね、シノちゃん!」

 

 

 これ以上津田さんを怒らせたらマズイと判断したのか、天草会長と七条さんは急いで走りだしました。三往復って結構な距離ですよね……

 

「それでは、勝者のお二人にインタビューしてみたいと思います。勝因はやっぱりブチューってしたからですかね?」

 

「新聞部は活動したくないようですね」

 

「ゴメンなさい、冗談ですのでその顔は止めて頂きたい」

 

 

 津田さんににっこり笑顔で睨まれて、畑さんは震え上がってしまっている。本当に津田さんを怒らせるのは危険なんでしょうね。

 

「それでは勝者のお二人には、優勝賞品としてスポーツドリンクを贈呈します」

 

「意外とまともな賞品ですね」

 

「ささ、グイッと行っちゃってください」

 

「……何か混ぜたな?」

 

「ギクッ! そんな事あるわけないじゃないですか、おほほほほほ」

 

「何を混ぜたんですか?」

 

「その……横島先生と出島さんから頂いた媚薬を少々……」

 

「……畑さんも三往復、走りますか? それともここで死にますか?」

 

「今すぐ走って来ます!」

 

 

 冗談には聞こえないトーンで言い放たれた津田さんのセリフに、畑さんは逃げ出すように浜辺を走り出した。その後、大人二人が津田さんにお説教されたのは言うまでも無いですがね……




この旅行で森さんと五十嵐さんが抜け出し、その二人を萩村が追う感じになりましたね。他の人はまだ可能性がある、と言えるのか?

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