桜才学園での生活   作:猫林13世

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タカトシが甘いもの好きで良かったな……


頑張る乙女たち

 生徒会室にやってくると、そこにはシノっち、アリアさん、スズポンの他に、風紀委員のカエデさんがいた。やっぱりカエデさんもタカ君狙いの雌猫だったのですね……ですが、その気持ちは分かります。タカ君相手だとどうしても箍が外れてしまうんですよね。

 

「タカ兄ー、遊びに来たよー!」

 

「コトミ……生徒会室は遊びに来るような場所じゃ……」

 

「ほらほら、マキもトッキーも何時まで恥ずかしがってるのさ! ただのお礼なんだからー」

 

 

 コトミちゃんの背後には、八月一日さんと時さんがいた。ですが、何故か恥ずかしそうなのはもしかして……

 

「あの、これテストとかのお礼です! 受け取ってください!」

 

「うん、ありがとう」

 

「私からも……赤点を取らなかったのは兄貴のおかげだから……」

 

「俺はちょっと手伝っただけだよ。赤点にならなかったのは時さんが頑張ったからだよ」

 

「おー! トッキー顔真っ赤じゃん! もしかして、トッキーもタカ兄争奪戦に?」

 

「バカ言うな! それじゃあ、私はこれで」

 

 

 コトミちゃんにからかわれて恥ずかしかったのか、時さんは歩きの範囲で最速のスピードで生徒会室から逃げ出した。同様に八月一日さんも逃げ出してしまったので、コトミちゃんも後を追うように生徒会室から去って行った。

 

「なにがしたかったんだ、アイツ……」

 

 

 チョコを受け取ったタカ君は、コトミちゃんが何を煽ったのかがイマイチ理解できていない様子……無自覚フラグ乱立体質は相変わらずなのですね、タカ君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我々も意を決してタカトシにチョコを渡そうとしていたのに、マキとトッキーに邪魔をされてしまった……てか、タカトシのヤツはどれだけチョコを貰えば気が済むのだ!

 

「さてと、魚見さんと森さんは何か用事があって桜才に来たんですよね?」

 

「ええ、もちろんです。タカ君、今日は何月何日でしょう?」

 

「二月十四日ですが、それが何か?」

 

「では、タカ君がさっき八月一日さんと時さんからもらったものは何でしょう?」

 

「チョコレート、ですが?」

 

「正解です。では、私からもこれを」

 

「あ、どうも」

 

 

 ウオミーからあっさりと渡されたチョコを、これまたあっさり受け取るタカトシ……おそらく義理チョコだと思っているのだろう。だが、ウオミーが義理チョコを渡すなどとどうやったら勘違い出来るのだろうか……

 

「タカトシ君、これ、私からも」

 

「ありがとうございます、しちj――」

 

「アリアって呼んでくれる約束でしょ?」

 

「……ありがとうございます、アリアさん」

 

「うん! あっ、ちゃんと○液入れてあるからね」

 

「絶対に喰わない!」

 

「冗談だよ~」

 

 

 ウオミーの次に動いたのはアリア、まさかアリアまでタカトシ狙いだったとは……アリアはM男がタイプだと思ってたのに、まさかのドSであるタカトシ狙いだったとは……

 

「た、タカトシ、これ私から」

 

「ありがとう、スズ」

 

「ッ! べ、別にただの感謝の証よ! アンタにはお母さんとか色々と迷惑を掛けてるし……」

 

「スズだって、コトミの面倒を見てくれてるじゃん。お互い様だよ」

 

 

 な、何故タカトシはナチュラルに萩村の事を名前で呼び捨てにしてるんだ! 私の事は会長としか呼ばないくせに……

 

「タカトシ君! これ、私の気持ちです! 受け取ってください」

 

「カエデさん、外で畑さんが聞き耳を立ててるから、勘違いされそうな言い回しは避けた方が……てか、アンタもメモするな」

 

 

 確かに、今の五十嵐の言い回しだと、感謝の気持ちだという事が伝わって来ないな……完全に雌が発情してるようにしか聞こえなかったぞ。

 

「おや~? これは私の勘違いなんですかね~? それとも、津田副会長がわざと気づかないフリをしてるんですかね~?」

 

「……あんまりくどいようですと、来月からエッセイ書きませんよ?」

 

「それは困ります! 私の収入源が……あっ」

 

「やっぱり懐に入れてましたね……いくら学園が認可していようが、個人的商売は見逃せないんですがね?」

 

「……全額生徒会に申請し、必要経費+αのみを回収し直します」

 

「よろしい」

 

 

 さすがタカトシだ。あの畑が儲けた額の全容を明らかにするとは……

 

「こ、これは私からだ! お前には、いろいろと世話になったからな!」

 

「会長なら、俺の助けが無くても大抵の事は出来るでしょうが……まぁ、あんまり変な発言ばかりしてると、後々大変ですので、これからは少し控えるようにした方が良いですよ」

 

「わ、分かった……気をつける」

 

 

 何だかあっさりと受け取られてしまったが、ちゃんとこれが本命チョコだという事は伝わったんだろうか……タカトシの事だから、本命チョコなんて貰い慣れてるだろうから分かってくれてるよな?

 

「さてと! これにて本日の生徒会業務は――」

 

「これ、生徒会業務だったの!?」

 

 

 タカトシの驚きの声で、我々は満足して生徒会室を後にした。残ったのは、雑務が残ってるタカトシと、サクラだけだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 騒ぐだけ騒いで、困らせるだけ困らせて、他の皆さんは先に帰ってしまいました。タカトシさんは雑務が残ってるからという理由でこの場所に残りましたが、私はタイミングを逃してしまったのでここに残っています。

 

「さて、これで今日やるべき事は終わったな」

 

「お疲れ様です。これ、お茶です」

 

「ありがとうございます。ところで、サクラさんは皆さんと一緒に帰らなかったんですか?」

 

「え、えぇ……私はまだ渡せてませんから……」

 

 

 普段は簡単にタカトシさんとおしゃべりが出来るのに、何故このタイミングでは何時も通りに出来ないのでしょう……

 

「こ、これ! 受け取ってください!」

 

「あ、ありがとうございます……凄く、嬉しいです」

 

「よ、よかったです……」

 

 

 他の人からのチョコの時とは反応が違う……五十嵐さんの時の反応は照れ隠しっぽかったですが、今のタカトシさんは完全に照れている? もしかして、タカトシさんも私の事を……




キスした相手にまで無関心だと、あっちを疑われそうですし……
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