桜才学園での生活   作:猫林13世

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いかがわしいタイトルにも見える……


スク水撮影

 新聞部の畑に呼ばれ、我々生徒会役員は空き教室にやって来ていた。

 

「今年から桜才スクール水着のデザインが新しくなったので、そのお披露目記事を作ります」

 

「だからって、何で我々が……」

 

「そりゃモデルは綺麗な人の方が良いに決まってます」

 

 

 綺麗と言われて機嫌が悪くなる女子はいないだろう。私もアリアも萩村も、やる気になってしまった。

 

「別に俺じゃ無くてもいいんじゃないですか?」

 

「だって、貴方以外売れそうな男子――じゃ無かった。有名な男子はいないもの」

 

「アンタまた商売するつもりか!」

 

 

 つい本音が漏れた畑に、タカトシが説教を始めようとした。

 

「まぁまぁ津田、落ち着け」

 

「そうだよ~。それだ畑さん、今回はお幾らで売るつもりなの?」

 

「そうですね……皆さんには報酬を差し引いてこのお値段で……」

 

「定価はいくらだ?」

 

「……買うつもりかよ」

 

 

 私とアリアが畑との交渉を始めたのを見て、タカトシは盛大にため息を吐いた。それにしても畑は商売上手だな。

 

「着替えの為に必要な物は用意してありますので」

 

 

 交渉が終わり、畑は着替えの準備を始めさせようと段ボールから色々と取り出した。

 

「てるてるタオル、剃刀、パッド」

 

「こら畑! これは私には大きすぎる! パッドは偽だとバレたらダメなんだ!」

 

「会長が熱いわね……」

 

「拘りがあるんじゃね?」

 

 

 私が熱弁をふるってる背後で、タカトシと萩村が呆れた声でそんな事を言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 個人撮影が終わり、次は男女揃った写真を撮りたいと言われたので、私たちはじゃんけんで誰がタカトシ君とツーショットを撮ってもらうかを決める事にした。

 

「俺は決定なんですか?」

 

「男子は貴方しかいませんから」

 

「テキトーに男子を呼んでくればいいじゃないですか」

 

「この状況で勃たない男子は貴方くらいよ。七条さんの水着姿、無料で見れるなんて役得でしょ」

 

 

 そんな会話が聞こえてきて、私のお股は少し濡れてきてしまった。タカトシ君に見られてたなんて……視○されてたなんて……

 

「アリア、腿の辺りに水が垂れてるぞ?」

 

「ちょっと興奮してきて……」

 

「さっさと決めましょうよ……」

 

 

 スズちゃんが呆れながらじゃんけんを促してきたので、私とシノちゃんも臨戦態勢に入った。

 

「では行くぞ! じゃんけん――」

 

「「「ぽん!」」」

 

 

 じゃんけんの結果、シノちゃんがタカトシ君とチューショットを撮る事になった。

 

「……あの、ツーショットですよ」

 

「さすがタカトシ君。私の事何でもお見通しなのね」

 

 

 心の中で噛んだのに、タカトシ君にはお見通しだった。それにしても、何時かは撮りたいな、チューショット。

 

「だからツーショットですよ?」

 

「ううん、今のはチューっであってるの」

 

 

 ろくでも無い事だと判断したのか、タカトシ君は興味を私からシノちゃんへと移した。それにしても、シノちゃんとタカトシ君が横並びになっても、カップルに見えないのは何でなんだろう……スズちゃんだと兄妹に見えるし、やっぱり私かカナちゃん、サクラちゃんが隣に立った方が……

 

「あっ、カエデちゃんでも良いのか」

 

「何がですか?」

 

「ううん、こっちの話。スズちゃんは気にしないでね」

 

「はぁ……」

 

 

 さすがにスズちゃんは私の心の裡までは読めないみたいね。てか、タカトシ君が異常であってスズちゃんは普通なんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 撮影が終わり、俺はぐったりとその場に座り込んだ。

 

「お疲れ」

 

「何で俺だけあんなに撮るんだ?」

 

「アンタは注目されてるからね」

 

「それとこれと、関係あるの?」

 

 

 何処かつまらなそうなスズに質問したが、答えは返って来なかった。

 

「お疲れ様でした。撮った写真見る?」

 

「一応確認させてもらいます」

 

 

 この人の事だから余計な事をしでかしそうな感じがするので、俺たちは撮った写真をその場で確認する事にした。

 

「畑、モッコリが足りないと思わないか?」

 

「ですが会長、あまりモッコリし過ぎると、今度は狙い過ぎな感じがしますので、この程度のモッコリが丁度いいと思います」

 

「……モッコリ?」

 

 

 何を指して言ってるのか分からない俺は、ついついスズに視線を向けてしまった。スズなら分かってそうだからという理由だったのだが、スズは俺が視線を向けると明後日の方向を見て俺の方を見てくれなかった。

 

「あれ?」

 

「どうしたの、タカトシ君」

 

「いえ、スズにちょっと聞きたい事があって視線を向けたんですけど、逸らされてしまいまして……」

 

「聞きたい事? 私で分かるなら教えるよ~?」

 

「わー! タカトシは知らなくて良い事なの! アンタだけは純粋でいなさい!」

 

「お、おぅ……」

 

 

 アリア先輩が教えてくれると言うと、スズが物凄い勢いでアリア先輩の口を塞ごうとして飛び掛かった。そして良く分からない事を言われた俺は、とりあえず頷いておく事にした。

 

「最後に全員で一枚撮りましょうか? ハーレム野郎、ここに誕生! とか見出しつけて」

 

「新聞部の活動予算は半分で良いみたいですね」

 

「い、嫌ですね~。冗談ですよ、冗談」

 

「笑えない冗談ですね。ちなみにこっちは本気でしたけどね」

 

 

 引きつった笑みを浮かべながら、畑さんはシャッターを切る。まさにそのタイミングで、会長、アリア先輩、スズが俺に密着してきた。

 

「な、なんですいったい?」

 

「記念撮影だからな!」

 

「これくらい普通だよ~」

 

「アンタは気にしなくて良いの」

 

「いや、記念撮影だろうとこれが普通だとは思えないんですけど……後、普通に気になるんだが」

 

「やっぱりハーレム野郎でしたね」

 

 

 畑さんの言葉に反論しようとしたけれども、写真だけ見れば確かにハーレムっぽい感じはしている。とりあえずこのデータは削除しておかなければ……

 

「待て! 我々の分をコピーしてからにしろ!」

 

「折角の記念なんだから」

 

「いや、だから記念の意味が……」

 

「私も欲しいかな」

 

「スズまで……」

 

 

 この場に味方がいないと分かり、俺はとりあえずデータを会長に渡してカメラは畑さんに返した。余計なものを撮ってた場合、これで処分出来るし問題は無い……はずだよな? この言いようの無い不安は何なんだろう……




スズまで毒されてるよ……大丈夫か、この生徒会……?

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