桜才学園での生活   作:猫林13世

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今回は普通に遊んでいます


学園のプール

 夏休みの予定を立てたは良いが、今年は意外と生徒会の仕事が忙しかったので、少しでも夏休み気分を味わう為、今日は学園のプールで泳ぐことになった。

 

「タカ君の泳ぎを生で見るのは久しぶりですね」

 

「……何故カナさんとサクラさんが?」

 

「私が呼んだからだ!」

 

「忙しいんじゃないのかよ……」

 

 

 英稜高校も生徒会の業務が溜まっているって聞いてたんだが、生徒会長と副会長が遊びに来れるくらいの暇はあるのだろうか……

 

「他の役員が来れなくなってしまったので、今日は休みになったんです」

 

「ちょうど私が誘ったらそんな感じでな! せっかくならウオミーたちも一緒にと思ってな」

 

「女子高生の水着姿! そして、タカトシ様の半裸体! はぁはぁ」

 

「この不審者を学内に入れたの誰だ!」

 

 

 息を荒げる出島さんがいきなり現れたので、俺はとりあえず犯人っぽい人に視線を向けた。

 

「あっ、そんなに見つめられると照れちゃうな」

 

「……あんたですよね?」

 

 

 主であるアリア先輩が連れてこなければ、この人はここにはいないだろうし……

 

「まぁまぁタカ兄。遊ぶ時は細かい事は気にしちゃダメだよ~」

 

「当然のごとくいるな、お前も……」

 

「補習もないし、トッキーもマキも用事があって遊べなかったからね~」

 

「夏休みの宿題は? また最後まで溜めても知らないからな」

 

 

 テストでもそうだが、こいつは少し俺を頼り過ぎているからな……留守を預かる身としては、こいつを少しでも自立させなければいけないような気もしてるんだが……俺もそこまで暇じゃなくなったからな……

 

「プールは貸し切り状態だから、思う存分楽しむぞ!」

 

「おー!」

 

「今日こそは真ん中で立ってみせる!」

 

「なんだかすみません、タカトシさん」

 

「いえ、サクラさんが悪いわけじゃないですから……」

 

 

 まぁ、集まったんだから仕方ない……とりあえず大人しくしてくれれば、俺は別に構わない……と思うことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シノっちとアリアっちと三人で泳いでいると、スズぽんがプールの真ん中で溺れている。

 

「あれは助けた方が良いのでしょうか?」

 

「萩村は優秀だから、自力で何とかするだろう」

 

「というか、あれは溺れてるわけじゃないよ~」

 

 

 よく見れば、足がつかなくて悔しがっているだけのようだった。

 

「タカ君とサクラっちがいませんね」

 

「二人なら、あっちで休んでるぞ」

 

「二人とも、普段から忙しいからね~」

 

 

 せっかくの休日を遊びで費やしたくなかったのでしょうか……タカ君もサクラっちも、年相応の若さが感じられませんね。

 

「なんだか縁側でお茶を飲んでる老夫婦みたいですね」

 

「タカトシには普段から苦労を掛けているからな……横島先生が」

 

「あの人はそろそろ教育委員会に報告した方が良いんじゃないかな~?」

 

 

 シノっちから聞いた話では、先日横島先生は男子生徒の○貞を奪おうとしてタカ君にこっぴどく怒られたとか。この事件で、誰が一番不運かと言えば、間違いなくタカ君だろう……襲われそうになった男子生徒も気の毒ではあるが、まったく関係ないタカ君が、ばったりその現場に遭遇したのは、不運以外の何物でもない。というか、何故資料室で襲おうとしたのだろうか……

 

「前にもタカトシ君が同じ場所で襲われそうになった、って聞いた時は驚いたよね~」

 

「横島先生もワンパターンだな!」

 

「ところで、タカ君はその場所に何の用で行ったんです?」

 

「生徒会で使う資料がそこに保管されていてな! 量が多いからタカトシに任せたんだが……その時に運悪く横島先生が使用中で」

 

「戻ってきたタカトシ君の顔は忘れられないよね~」

 

 

 その表情を見られなかった不運を、私は悔しがれば良いのでしょうか? それとも悲しめば良いのでしょうか?

 どちらにしてもタカ君の貴重な表情を見れなかった事実は覆しようがありませんし、とりあえず羨んでおきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遊びまくって疲れた私たちの前に、出島さんとタカ兄お手製のお弁当が用意された。どっちもすごくおいしそうで涎が……

 

「コトミ、涎を拭け」

 

「おっと! 本当に垂れてたのか」

 

 

 垂れそうだとは思ってたけど、まさか本当に垂らすとは……これがおいしそうなものを見た私の条件反射だったのか。

 

「出島さんも料理お上手なんですね」

 

「当然です。この程度はメイドの嗜みです」

 

「どんな料理が得意なんですか?」

 

「和・洋・中、どれでも出来ます」

 

「出島さんの料理は絶品だよ~。タカトシ君の料理にも負けてないんだから~」

 

 

 ここで出島さんと張り合えるタカ兄は、将来シェフにでもなればいいのにと思う。まぁ、家庭料理だしタカ兄はそっちには興味なさそうだしね。

 

「むっ! さすがタカトシ様。この料理は絶品です」

 

「ありがとうございます」

 

「上の口も下の口もびちょびちょです」

 

「……黙って食え」

 

 

 出島さんのエロトークに、タカ兄は割かし本気で頭を押さえている。最近あのポーズをよく見る気がするんだけど、血管とか大丈夫かな?

 

「ところで、なんでサクラさんは泣きそうなんです?」

 

「タカトシさんより料理が下手な私に涙が……」

 

「気にする必要はないと思いますよ? 俺はやらなきゃ家が吹き飛ぶから覚えただけですし」

 

 

 タカ兄のセリフを受けて、みんなが私に視線を向けてきた。そんなに見られると興奮しちゃいますよ~。

 

「コトミ、勉強もだが、家事も少しは成長したらどうだ?」

 

「会長、私が料理するよりも、タカ兄が料理した方がおいしいものが食べられるんです。だから私は料理をしません!」

 

「なるほど……一理あるかもしれん」

 

「ねぇよ!」

 

 

 タカ兄にツッコまれて、シノ会長は少しうれしそうだった。まぁ、タカ兄にため口を利かれるのは、ツッコミの時くらいだもんね。




相変わらずのボケの比重……

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