桜才学園での生活   作:猫林13世

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久しぶりの連日投稿!また終わらなかった……


お見舞い 中編

熱を出して学校を休んだ。そうしたら放課後にお見舞いに来てくれた……5人も。

 

「妹の言ってた事は気にせず、ゆっくりしていってください」

 

「何だ、違うのか」

 

「アンタはもっとしっかりした方が良い……」

 

 

生徒会長なんだから、もう少し生徒の見本になってもらいたいぞ……まぁ、生徒の前ではちゃんとした生徒会長の姿だから、誰に言っても信じてもらえないんだがな、こっちの姿は。

 

「五十嵐先輩、大丈夫ですか?」

 

「……ハッ!」

 

「あ、起きた」

 

 

コトミの発言で気を失っていた五十嵐さんだったが、萩村が呼びかけた事によって現実に戻ってきた。

 

「津田君はその……遅いの?」

 

「何がです?」

 

「だからその……イクのが///」

 

「貴女もそっち側の人間なんですか!?」

 

「ち、違うわよ!」

 

 

本当だろうか……男性恐怖症なのは間違い無いようだが、この人の中身は会長たちと肩を並べるくらいの思春期じゃないだろうか。

 

「今の発言……当然記事にします。風紀委員長が副会長に遅○か如何か聞く……っと」

 

「アンタは少し黙ってろ!」

 

「いや~ん、襲われる~」

 

「襲わねぇよ!……あっ」

 

 

ツッコミを連発した所為で再び全身に熱が回る……

 

「ほら津田君、ちゃんと寝てなきゃ駄目だぞ~?」

 

「スミマセン……」

 

「ほら、しっかり布団掛けて」

 

「すまない……」

 

 

七条先輩に倒され、萩村に布団を掛けてもらう……非常にドキドキするが、非常に情けないぞ、俺……

 

「畑さんもあんまり病人をからかったら駄目だよ?」

 

「会長も五十嵐先輩もですよ」

 

「「は~い」」

 

「ゴメンなさい……」

 

 

七条先輩と萩村に注意され、会長と畑さんは反省してるのか如何か分からない返事をして、五十嵐さんは本気でへこんでいる……ちょっと可哀想だな。

 

「おっ、メールだ」

 

「シノちゃん、私たち以外からメール来るんだ」

 

「人を悲しい女子高生だと決め付けるな!」

 

「それで、誰からなんですか?」

 

「どれどれ……おお!ウオミーだ」

 

「「ウオミー?」」

 

「って誰?」

 

 

聞いた事無い名前だ……親しげな呼び方をしてるけど、違う学校の友達かな?

 

「この前本屋で似た趣味をした人を見つけてな、ついアドレス交換をしてしまった」

 

「あら、このアドレス素敵ですね~」

 

「ほんとだ~」

 

「アドレス?」

 

「どれどれ……」

 

 

萩村と一緒に会長の携帯を覗き込む……五十嵐さんも興味があるようで反対側から見ている、え~っとなになに……

 

『69de1919@……』

 

「ろくじゅうきゅうでせんきゅうひゃくじゅうきゅう?」

 

「意味が分かりませんね……」

 

「……!」

 

「おっと、此処で差が出たな」

 

「カエデちゃんは耳年増ね」

 

「風紀委員長はエロいっと」

 

 

五十嵐さんの反応を見て会長たちが喜んでいる……五十嵐さんはあのアドレスの意味が分かったのだろうか。

 

「津田君とスズちゃんは分からないみたいね~」

 

「修行が足りないぞ、2人とも!」

 

「「はぁ、スミマセン……」」

 

「タカ兄ぃ、お茶持ってきたよ~」

 

「ありがとう」

 

 

コトミがお盆に乗せて人数分のお茶を持ってきた……こいつも気が使えるようになったんだな。

 

「それで、何の話をしてたんですか?」

 

「このアドレスの話だ」

 

「ふむふむ……このアドレスの持ち主はかなりやりますね!」

 

「おお!」

 

「分かるんだ~!」

 

「逸材ですね!」

 

「「?」」

 

 

コトミはあのアドレスの意味が分かったらしい……何で俺と萩村は分からないんだろう?

 

「シックスナインでイクイクなんて、ストレートながら素敵なアドレスですね」

 

「エロいわよね~!」

 

「ああ、エロいな!」

 

「エロエロですね~!」

 

「「そう言う意味か!!」」

 

 

意味が分かったが、分からない方が良かったな……あれ、でも五十嵐先輩が分かったって事は、やっぱりこの人も会長側!?

 

「そうだタカ兄ぃ」

 

「何だ?」

 

「これお見舞い」

 

「お見舞い?」

 

 

コトミも気にしてくれてたのか……早く治して安心させなければ!

 

「私たちからもあるぞ!」

 

「はいこれ」

 

「では私からも~」

 

「スミマセン……」

 

 

会長、七条先輩、畑さんから立て続けに貰ったお見舞いの品……コトミのもあわせて、何で4人とも角ばったものなのだろう……

 

「えっと……これは?」

 

「「「「疲れるとアレなんでしょ?ア・レ!」」」」

 

「……アンタらもっとしっかりした方が良いぞ」

 

「「「「?」」」」

 

 

4人のお見舞いの品は所謂エロ本……なんてもの持ってきてるんだコイツらは。

 

「淫猥~!」

 

「おや~?風紀委員長は中身を見たんですか~?」

 

「やっぱり五十嵐はエロだな!」

 

「カエデちゃんもこっちの世界の住人なのね!」

 

「ち、違っ!」

 

「「………」」

 

 

焦ってる五十嵐さんを、俺と萩村は生暖かい目で見つめる……しっかりとしてる人だと思ってたのに、実態度は会長たちとさほど差が無いとはな……

 

「津田、私からはこれ」

 

「栄養ドリンクか」

 

「それ飲んで早く治しなさいね。そうじゃないと今度は私が……」

 

「うん、なるべく早く復帰するよ……」

 

「栄養剤なら私たちも買ったぞ!」

 

「へぇ……」

 

 

会長たちに渡されたのは、マカ、すっぽんエキス、高麗人参など精力剤だった……何処で買ってきたんだか……

 

「それじゃあ、私からはこれ……」

 

「これは?」

 

 

また角ばった紙袋を渡された……まさか五十嵐さんもおかしな本を持ってきたんじゃないだろうな……

 

「あっ、普通の小説だ」

 

「当たり前です!私はあの人たちと違うんだから!!」

 

「……そんなに強調されると逆に疑っちゃいますよ」

 

「信じてよ!」

 

「まぁ、五十嵐さんはあそこの4人とは違ってまともなものを持ってきてくれましたし」

 

「じゃあ!」

 

「信じますよ……一応は」

 

 

五十嵐さんが持ってきたのは普通の推理小説、ここら辺はあの4人と違ってちゃんと分別がつけられるらしい……

 

「一応って何よ!?」

 

 

だって五十嵐さんはあのアドレスの意味がすぐに分かったんですもん……完全には信じられませんよ……




名前だけですが、ウオミー登場!アドレスはテキトーです

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