桜才学園での生活   作:猫林13世
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コトミの運命は……


テスト前・コトミの憂鬱

 HRで担任から聞かされた単語に、私のテンションは大幅に下がった。周りを見れば、テンションが下がっているのは私だけではないと分かるが、ここまで下がってる人はそうそういないだろう。

 

「コトミ、あんた大丈夫?」

 

「あっ、マキ……私はもう駄目かもしれない……」

 

「次の定期試験、津田先輩に手伝ってもらえないんだっけ?」

 

「そうなんだよね……」

 

 

 いい加減タカ兄離れしなければいけない、と言う事で、お母さんが次の定期試験でタカ兄の力を借りる事を禁じたのだ。

 

「なら、自力で勉強するしかないんでしょ? こんなところで油売ってていいの?」

 

「家に帰っても勉強する気にならないし……」

 

「なら、図書室で勉強したら? トッキーも一緒にさ」

 

「そうだな……私も色々とマズいし、マキに教えてもらうか」

 

 

 タカ兄と比べるとあれだけど、マキも十分成績上位者だし、赤点回避くらいは出来るかもしれない。私はそう思い図書室に向かう事にした。

 

「でもさ、コトミが津田先輩から離れられるとは思えないんだけど。勉強だけじゃなくって、家事とか全部津田先輩にやってもらってるんでしょ?」

 

「私がやるよりタカ兄がやった方が正確だし、仕上がりも綺麗だからね」

 

 

 洗濯にしても掃除にしても、料理にしてもそうだ。私がやるよりもタカ兄がやった方が早いし、綺麗になるし、そして美味しいのだ。

 

「兄貴ってバイトしてるんだよな?」

 

「うん」

 

「それでよくお前の相手を出来るよな」

 

「時間が無いと言いながらも、最後には手伝ってくれてたからね」

 

 

 甘えすぎだと私も思ってはいたが、まさかいきなり手伝い無しで試験に臨めと言われるとは思ってなかった。たまに家に帰って来て、そのタイミングで定期試験が行われるとは……私もついていない。

 

「ん? コトミちゃんじゃない」

 

「あっ、轟先輩。こんにちは」

 

「さっき津田君たちも来てたけど、待ち合わせ?」

 

「えっ、タカ兄来てるんですか?」

 

 

 今回に至っては全くの偶然なので、私はついつい大声を出して驚いてしまった。私の声に反応して、全員がこっちを睨んできたので、私は無言で頭を下げ轟先輩と会話を続けた。

 

「今日は特に待ち合わせとかじゃないです。でも、タカ兄も図書室に来てるんですね」

 

「スズちゃんと一緒に勉強じゃない? さっき英稜の生徒会の人も来てたから」

 

「そうなんですか」

 

 

 普段は部外者の立ち入りに厳しい場所だけども、何故かテスト前には寛容になるんだよね。なんでだろう。

 

「コトミ、早く席取らないと」

 

「おっと。それじゃあ、轟先輩」

 

 

 先輩に挨拶して、私たちも勉強するために席を確保する事にした。

 

「何でタカ兄たちの隣しか空いてなかったんだろう……」

 

「文句言わないの。それじゃあ、勉強を始めましょう」

 

 

 座りたくても座れない人が大勢いたであろう席に、私たちはすんなりと座った。まぁ、私は妹だし、トッキーとマキも面識あるからね。タカ兄だけじゃなく生徒会の先輩たち、英稜の二人とも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タカ君たちと一緒に桜才学園の図書室で試験勉強をしているのだけど、これがまた落ち着かない。だってすぐ隣でタカ君が真剣な表情をしているのだもの。お股が濡れてきてしまうのも無理はないだろう。

 

「シノっちたちはいつもこんなタカ君の表情を見てるのですか?」

 

「何時もは見えないところで仕事を片付けているから、ここまで真剣なタカトシの表情を見るのは久しぶりだ」

 

「あんな目で見られたら、って想像しちゃうよね~」

 

 

 学年トップタイの成績とはいえ、タカ君もスズポンもテスト前の勉強は欠かさないようね。まぁ、私もこうやって勉強してるのだけど、どうしても集中力が続かないのだ。

 

「サクラちゃんも凄い集中力だね~」

 

「サクラっちはいつも生徒会で集中してますから」

 

 

 その理由として、私が真面目にやらないからという原因があげられるが、私だっていつもふざけているわけではないですからね。

 

「二年生トリオは凄い集中力だが、一年生トリオはどうした」

 

「うへぇ……シノ会長、全然分かりません」

 

「コトミがここまで理解力が低いとは思ってませんでした……」

 

「私とコトミを合わせて面倒見てた兄貴の凄さが分かった気がする……」

 

 

 いつもタカ君に勉強を見てもらっているというコトミちゃんとトッキーは、今にも死にそうな顔で問題を解いている。が、その進行速度はかなりゆっくりだ。

 

「何故コトミはタカトシに教わらんのだ?」

 

「お母さんに禁止されたんです。何時までもタカ兄の世話になってないで、たまには自力で頑張れって」

 

「でも、八月一日さんに教わってたら自力って言わないんじゃないのかな~?」

 

「お母さんは『タカ兄に頼るな』としか言ってませんから」

 

 

 なんとなくズルのような気もしますが、勉強する事には変わりないのでいいのでしょうね。

 

「さて、それでは私たちも勉強を再開するとしよう」

 

「今回こそはシノちゃんに勝てるように頑張るよ~」

 

「私も、学校は違いますが、シノっちやアリアっちに負けないように頑張りましょう」

 

 

 生徒会長としての面目を保てるような点数を取れるように頑張らなくては。シノっちやアリアっちは私より次元が高い争いをしているので、せめて大幅に離されない程度の結果を残せるよう、少しでも勉強しておかなくてはいけませんからね。




原作ではタカトシが勉強捗らないって言ってましたけどね……


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