桜才学園での生活   作:猫林13世

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五十嵐さんが活躍します……多分


プール開き!

桜才学園生徒会室、そこは学園でも限られたものしか入れない場所……では無く、用があれば誰でも入れるのだ。

 

「あの、『アレ』はなんですか?」

 

「明日はプール開きだろ」

 

「はぁ」

 

「最近めっきり暑くなってきたから丁度良い」

 

「ですね」

 

「だが降水確率は40%だ」

 

「楽しみなんですね、水泳」

 

「いや、皆がな」

 

 

窓際のてるてる坊主は会長が作ったものだった……犯人が内部に居るのは何となく分かっていたが、あえて外部犯の可能性も感じさせたのに……

 

「失礼します」

 

「畑さん」

 

 

外部犯だった場合、もっとも怪しかった人が生徒会室に現れた。この人は何で何時もぬるっと現れるのだろうか?

 

「明日の水泳の授業で会長の撮影を行いますので、その後報告に。授業ウチのクラスと合同ですから」

 

「何!?」

 

「会長?」

 

「この間約束したでしょ。まさか会長に二言は無いですよね」

 

 

それだけ言って畑さんは帰っていった……何がしたいんだあの人は。

 

「この間畑に言われたのはあれだったのか」

 

 

そう言って会長は窓際に移動した……てるてる坊主を逆さまにして雨を祈っている。さっきまであんなに楽しそうにしてたのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、降水確率40%だったが思いっきり晴れた。つまりプール開きは何の問題も無く行われる事になったのだ。

 

「晴れてよかったね~」

 

「そうだな……」

 

「ん?」

 

 

アリアが楽しそうに話しかけてくるが、今の私にはそれに付き合う余裕が無い……

 

「シノちゃん、如何かした?」

 

「いや、大丈夫だ」

 

 

まさか畑が写真を狙ってるとは言い出せないし……

 

「会長」

 

「畑!?」

 

「では早速撮影を始めたいと思います」

 

「あ、あぁ……」

 

「緊張しなくてもほしいのは普通の授業風景ですから」

 

「そ、そうか……」

 

 

自分のスタイルを気にしてたのに、授業風景がほしいのなら最初からそう言ってくれれば良かったじゃないか!

 

「じゃあ最初は、男子生徒に視○されて身体が火照るシーンから」

 

「それって一般的なのか?」

 

「そんな訳無いでしょうが!」

 

「あら、五十嵐さん」

 

 

そう言えばコイツも畑と同じクラスだったな……

 

「それじゃあ風紀委員長も一緒に」

 

「私も?」

 

「会長と七条さんと風紀委員長のスリーショット……これは高く売れる!」

 

「没収します!」

 

 

畑の目論見を聞いてカメラを没収する五十嵐……しかし何でみんな私より胸が大きいんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと窓の外を覗くと、会長がプールの飛び込み台の上に立っていた。

 

「大丈夫かな……」

 

「会長さんって泳げないの?」

 

 

同じように窓の外を見ていた三葉が俺のつぶやきに反応した。

 

「いや、高いところ苦手なんだよ」

 

「確かにあそこって意外と高く感じるよね」

 

「あっ、震えてる」

 

 

その横では五十嵐さんが普通に飛び込み泳ぎ始めた。あの人も普通に運動神経良いんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛び込むのに苦労してたシノちゃんだったけど、私との競争ではそんな事を感じさせない泳ぎで勝利を収めた。

 

「負けちゃった~、シノちゃんには勝てないな~」

 

「そんな事無いさ。私にだって勝てないものはある」

 

 

それってなんだろう……シノちゃんは成績優秀だし運動神経抜群、礼儀作法も完璧にこなせる人なんだから、そのシノちゃんが勝てない相手って誰だろう。

 

「夕べもカミソリに負けたし……」

 

「あらー」

 

 

あれはヒリヒリするのよね~。

 

「でもシノちゃん」

 

「何だ?」

 

「あえてその痛みを楽しむのよ!」

 

「なるほど!」

 

 

如何やら津田君はSっぽいし、痛みに普段から慣れていればすぐに快楽に変わるでしょうからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアとプールサイドで雑談をしながら休憩をしていた。その間ずっと目に付いていたが、如何やったらアリアのように胸に栄養が行くのだろか……

 

「シノちゃん、そろそろ泳ごっか?」

 

「そうだな……」

 

 

立ち上がると音がしそうなほど揺れるアリアの胸……私なんか揺れるほど無いしな……って誰が貧乳だ!

 

「会長、如何かしましたか?」

 

「五十嵐か……いや、何でも無い」

 

「はぁ……」

 

 

そう言えばコイツも結構胸が大きいではないか……私って同い年の子から見ても発育が遅いのか……ん?

 

「会長?」

 

 

さっきまで座っていた場所を見れば、私とアリアのお尻の跡が出来ている……何故お尻は私の方が大きいのだろうか?

 

「会長ってばやっぱり何かあったんですか?」

 

「五十嵐」

 

「はい?」

 

「如何やったら胸は大きくなるんだ!」

 

「知りませんよそんな事!」

 

 

五十嵐は秘訣など無くとも大きくなったと言う事なのか……それなら私はいったい如何やれば良いのだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、プールではしゃぎすぎたのか会長と七条先輩は何時ものような騒ぎはしていない。水泳って全身運動だからな、疲れるんだよ……

 

「お疲れ様です、会長」

 

「本当に疲れたー」

 

「だね~」

 

「そうそう、男子の写真もほしいから、明日貴方の授業にもお邪魔するわね」

 

「え、俺も!?」

 

「ちなみに横島先生のリクエストだから」

 

「はぁ……」

 

 

またあの教師は……

 

「でも何で俺なんですか?」

 

「何でって?」

 

「だって他にも男子は居ますが」

 

「モブなんて撮っても面白く無いし……」

 

「モブ?」

 

 

何の事だろう……

 

「あの、私は?」

 

 

萩村が畑さんに尋ねる……萩村も撮ってほしいのだろうか。

 

「貴女は大丈夫」

 

「何故です?」

 

「最近世間の風当たりが強いから……」

 

「んな!?」

 

 

萩村が絶句して気絶した……そこまでショックを受ける事なのだろうか。

 

「津田君には報酬の先渡しをしとくわね」

 

「報酬?」

 

 

そんなものもらうつもりは無いんだが……

 

「はいこれ」

 

 

そう言われて手渡されたのは1枚の写真、何だこれ?

 

「会長と七条さんと風紀委員長の胸のアップ写真よ」

 

「いらねぇよ!」

 

「マニアの間では高値が付くのに~」

 

「アンタ、また商売してるんじゃ無いだろうな」

 

「じゃ!」

 

「待て!」

 

「失礼しま……キャ!」

 

 

逃げ出そうとした畑さんと、入ってこようとした五十嵐さんがぶつかった。

 

「丁度良かった」

 

「つ、津田君!?」

 

「今から畑さんを説教するんですが、五十嵐さんもご一緒に如何です?」

 

「何で私も?」

 

「原因がこれだからです」

 

 

五十嵐さんに例の写真を渡す。

 

「なるほど、それじゃあご一緒させてもらいますね」

 

「うわ~ん、結構頑張って撮ったのに~」

 

 

泣き言を言ってる畑さんを左右から取り押さえ、生徒会室につれていく。疲労困憊の2人と気を失っている萩村の横で、畑さんを説教した。




アニメで見たけど、五十嵐さんはエロい感じがしました(身体付きが)

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