桜才学園での生活   作:猫林13世

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珍しく時期が被った……


闇鍋パーティー

 無事に二学期も終わり、今日はタカ君の家で闇鍋パーティーを決行するとシノっちから連絡を貰い、私とサクラっちは食材を求めにスーパーへ立ち寄った。

 

「何を持っていけば喜ばれますかね?」

 

「原則として、鍋料理として美味しく食べられるものですしね……」

 

「野菜とかはタカトシさんが用意するでしょうし、お肉かお魚ですかね」

 

「少しアクセントを利かせたいですが、奇を衒い過ぎると怒られますし」

 

 

 料理に関しては下ネタ以上に厳しいですし、ふざけると追い出される可能性もありますし……さて、どうしましょうか。

 

「カニが安いですね。二人でお金を出してこれにしましょう」

 

「二人で一つで良いんですかね?」

 

「じゃあ、サクラっちは隣のホタテで」

 

 

 海鮮なら鍋に入れても美味しいですし、魚だと被る可能性がありますからね。

 

「それじゃあ、さっそくタカ君の家に行きましょう!」

 

「気合い入ってますね」

 

「そのままお泊りでクリスマス会も兼ねてますから、これくらい張り切らなければ」

 

「珍しく間隔が狭いお泊り会ですよね」

 

 

 サクラっちの言う通り、つい一週間前も勉強会でお泊りしたのだが、今回はお疲れ会とコトミちゃんの冬休み獲得おめでとう会も込みでのお泊り会なのだ。

 

「相変わらずタカ君のお家は両親不在ですし、何時でもギャルゲー展開になれますしね」

 

「そう言うのは良いので、早いところ会計を済ませてください」

 

 

 サクラっちに怒られたけど、私は無事にカニを購入し、タカ君の家を目指したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こういう音頭は家主のタカトシがやるのではないかとも思うが、発案者という事もあり私が担当する事になった。

 

「それではまず、二学期が終わった事と、無事コトミが冬休みを獲得した事を祝して――乾杯!」

 

 

 私の音頭に合わせて、全員がグラスを掲げた。特に祝われたコトミは、嬉しそうな顔をしている。

 

「別に良いんですが、何故毎回ウチなのですか? 他の場所でも良いんじゃないでしょうか」

 

「ファミレスとかだと他のお客さんに迷惑がかかるだろうし、タカトシの家なら我々も気兼ねなくお泊り出来るからな」

 

「そもそも泊まるのを前提で話を進めないでくださいよ……」

 

「思いっきりはしゃげるのは学生の時だけですので、タカトシ様も少しははしゃいだら如何でしょう? 給仕などは私に任せて」

 

「いえいえ、出島さんもゲストですからね。一応ホストという事になっている俺が用意しますから」

 

「では遠慮なく……はぁ~寛ぎますね」

 

 

 出島さんが全力でだらけてみせると、タカトシとアリアが同時に苦笑いを浮かべたが、その表情を見て出島さんがだらしなく口を開けて恍惚の笑みを浮かべた。

 

「とりあえず出汁の用意は出来ましたので、食材をこちらに」

 

「手伝いますよ」

 

「カエデさんも気にしないで大丈夫ですよ。俺がやりますから」

 

 

 これだけ女がいるというのに、家事力が一番高いのはタカトシという皮肉……まぁ、こいつは主夫だから仕方ないか。

 

「シノっちは何を持って来たんですか?」

 

「私は普通なものだぞ? 白菜や長ネギ、キノコ数種類だ」

 

「オーソドックスで来ましたね」

 

「先にタカトシに確認しておいたからな。オーソドックスでも被らないものを選んできた」

 

「その手がありましたね……すっかり携帯の存在を忘れてました」

 

 

 カナたちが持ってきたのはカニやホタテといった少し贅沢な物だった。ちなみにアリアは牡蠣やタラといった魚介類、萩村は餅入り巾着などおでんの具材を持ってきた。

 

「そう言えばコトミ、トッキーや八月一日は呼ばなかったのか?」

 

「二人とも遠慮しちゃって……毎回ご馳走になるのは申し訳ないって」

 

「まぁ、あの二人は特に遠慮がちだからな」

 

 

 毎回食費は少しばかりだが出しているのにも関わらず、申し訳ない気持ちに押しつぶされるとは、やはり後輩というのは謙虚なのだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 闇鍋と言っても、タカトシさんがしっかりと監修したおかげで、美味しくいただくことが出来ました。さすがにこれくらいはという事で、後片付けは私たちがすることになりました。

 

「タカトシ様が使ったお箸……」

 

「誰か、この変態メイドを捕まえろ!」

 

「出島さ~ん? 少し大人しくしてましょうね~」

 

「あぁ、お嬢様に縛られてしまう!」

 

 

 あの人はよくメイドとして働けますよね……あんな変態的趣向なら、すぐにでもクビになりそうなものですが。

 

「そう言えばシノっち、今日はさすがに客間を使うんですね」

 

「まぁ、出島さんもいるから、監視の意味を込めてアリアに使ってもらう事になった」

 

「後はいつも通りタカ君の部屋とコトミちゃんの部屋、それとリビングですか」

 

 

 前回は私と七条さんがタカトシさんの部屋に泊まりましたが、今日は誰が泊まることになるのでしょうね。

 

「くじだと森が高確率でタカトシの部屋を引き当てるから、今日はちょっと変えてあみだくじだ!」

 

「最後に全員で線を足すんですね!」

 

 

 何でこの会長コンビはどうでも良い事で盛り上がれるのだろうか……まぁ、最近は下ネタを控えてるだけでマシだと思ってしまうのですがね。

 

「内訳はどうなるんですか?」

 

「リビングに三人、タカトシ・コトミの部屋に各一人ずつだ!」

 

「聖なる夜にタカ君と精なる日を」

 

「はいはい、そういうのは良いので」

 

 

 カナ会長にツッコミを入れ、残りの洗い物を終わらせることにしたのだった。それにしても、五十嵐さんも男性恐怖症って聞いてたけど、タカトシさんの事は平気なんですよね……ライバル多いなぁ……




特に予定は無いですけどね……てか、仕事ですがね……

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