桜才学園での生活   作:猫林13世

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明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします


新年早々

 コトミたちが初売りに出かけている間に、俺は色々と用意する事になった。本当はついてきてほしそうだったが、あまり興味がないのと、行ったところで荷物持ちをさせられるのがオチだと分かっているから、家に残り全員分のお雑煮を作ることになったのだ。

 

「明けましておめでとうございます、タカトシさん」

 

「サクラさんは初売りには行かなかったのですか?」

 

「カナ会長がどうせお邪魔するから、手伝いに行った方が良いと押しかけようとしてましたので、私が代わりに」

 

 

 どうやらカナさんも初売りに行っているようだな……まぁ、多めにお餅は用意してあるから大丈夫だが、サクラさんに止められたって何をするつもりだったのだろう……

 

「新年早々大変ですね、女性は」

 

「私はあまり初売りとか福袋とかには興味ないですけど」

 

「コトミも昔は興味なさそうだったんですけどね」

 

 

 シノ会長たちと付き合うようになってから、そう言う事にも興味を示しだしたのだ。まぁ女の子として普通なんだろうけども、無駄遣いしなければいいが……

 

「心配ですか?」

 

「そうですね――スズの胃が」

 

「萩村さんには頑張ってもらいましょう」

 

 

 俺やサクラさんの前では自重しているが基本的にボケが多い空間なので、唯一のツッコミであるスズの事が心配にはなるが、今は暖かいものを作って待つことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タカ兄のお雑煮目当てにウチについてきたシノ会長たちは、ホクホク顔でさっき買った物を眺めている。

 

「これがあの値段で買えるとは、さすがは初売りだな!」

 

「そう言えばカナちゃん、今日はサクラちゃんは?」

 

「サクラっちなら、先にタカ君の家に行ってお手伝いをしてるはずです」

 

「手伝いと言いながらイケナイ事をしてたりして~」

 

 

 私の冗談に、カエデ先輩が過剰に反応して見せた。

 

「イケナイ事って、不純異性交遊は認められないわね!」

 

「カエデ先輩は何を想像したんですか? 私は『イケナイ事』としか行ってませんよ」

 

「そうだね~。火遊びとか、そっちのイケナイ事かもしれないのに、カエデちゃんは真っ先に不純異性交遊って言いだしたから、別の意味の『火遊び』を想像したのかな~?」

 

「大人の火遊びか! まったく、風紀委員長でありながらそんなことを思い浮かべたのか、はしたない!」

 

 

 他の人も恐らくカエデ先輩と同じことを思い浮かべたのだろうが、真っ先に反応したのがカエデ先輩だったので、全員がカエデ先輩を責めて遊びだした。

 

「あんまりふざけてると、タカトシに怒られますよ?」

 

「それは嫌だな。アイツに怒られると心が……」

 

「分かります。昔は快感だったのに、今はただ悲しいだけですからね……」

 

 

 最近の先輩たちの変態度が下がって来てるので、お説教で快感は得られないようですね。

 

「とにかく急ぐぞ! サクラにばかり美味しい思いをさせてなるものか!」

 

「合点承知!」

 

「コトミちゃん、ちょっと古いわよ」

 

 

 スズ先輩にツッコまれたけど、そこに反応はしないで、私たちは家路を急いだ。

 

「ただいま!」

 

「お帰りなさい……って、シノ会長たちはここに住んでるわけじゃないでしょうが」

 

 

 勢いで応えたタカ兄だったが、すぐにツッコミが入った。だがタカ兄にお帰りと言ってもらえたからか、シノ会長は至福の表情を浮かべていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タカトシさんが用意してくれたお雑煮をみんなで食べた後、何処からか現れた出島さんが七条さんに何かを手渡して、再び姿を消した。

 

「シノちゃん、食後の運動にコレやらない?」

 

「何だ、それは?」

 

「出島さんが持ってきてくれたんだけど、ツイスターゲームだって」

 

「あのムフフな出来事が起こるかものあれか!」

 

 

 たぶん違うと思うんだけどな……

 

「遊ぶならここ片付けますよ」

 

「なんだ、タカトシはやらないのか?」

 

「片付けたり洗濯物を取り込んだりといろいろやることがありますし、どうせ夜も食べていくんですよね? その買い出しにもいかなければいけませんので」

 

「じゃあ、ツイスターゲームで負けた人がタカ君とお買い物に行くというのはどうでしょう?」

 

「そんな勝つ気が無くなるような罰ゲームじゃ意味ないぞ、カナ」

 

「じゃあ、勝った人が一緒に行くというのはどうでしょう?」

 

 

 カナ会長の提案に、皆さんの目の色が変わったように感じました。

 

「じゃあ最初は、私とアリアの勝負だな」

 

「負けないからね~」

 

 

 タカトシさんは興味がなさそうにテーブルを片付け、食器を洗う為にキッチンに引っ込んでしまいました。そんなことお構いなしで、天草さん対七条さんのゲームがスタートし、すぐに七条さんがバランスを崩して負けてしまいました。

 

「あーあ、負けちゃったよ~」

 

「見た目はアリアっちの完勝でしたけどね」

 

「やはり胸か……」

 

 

 そ、そんな勝負だったんでしょうか……てか、こういう遊びなんでしょうか?

 

「そんなわけで、次は私とサクラ先輩ですね~」

 

「コトミちゃんもやるんですか?」

 

「大丈夫ですよ、すぐに負けてあげますから」

 

 

 最初から手伝う気が無いコトミちゃんは、三手目であっさりと倒れ脱落した。てか、参加しなければよかったのに……

 

「しかし、意外と面白いなこれ!」

 

「男女でやるともっと面白いですよ」

 

「また唐突に現れましたね、出島さん……」

 

 

 萩村さんが若干ビックリしながらも、いきなり現れた出島さんにツッコミを入れた。というか、出島さんも参加するんですね……




年が明けても騒がしい津田家……

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