桜才学園での生活   作:猫林13世

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原作だとフラグバッキバキでしたが……


タカトシの足ツボ教室

 生徒会室に入ると、タカトシが何か雑誌を読んでいた。タカトシが雑誌とは、また珍しい光景だな……

 

「何を読んでるんだ?」

 

「ツボ押しマッサージの特集です。最近義姉さんに家事を代わってもらってるので、何かお礼をと考えたんです」

 

「それでマッサージか……ん? 確かタカトシはツボとかも詳しかったよな?」

 

 

 それが何故今更雑誌を見て勉強してるんだ?

 

「いろいろと復習を兼ねてるんですが、読んでるだけじゃいまいち勘を取り戻せないんですよ」

 

「なら、我々が協力するぞ!」

 

 

 そういって私はアリアと萩村の顔を見る。二人とも食い気味に頷きながら近づいてくる。タカトシにマッサージしてもらえる機会など、滅多にないからな。

 

「マッサージするのは構わないんですが、何処か問題ある箇所があるんですか?」

 

「最近眼精疲労でな……何か効果的なツボは無いか?」

 

「眼精疲労ですか……それじゃあ、ちょっと足を拝借」

 

 

 タカトシに促され、私は上履き、靴下と脱いでタカトシに足を差し出す。

 

「この辺りに眼精疲労に効くツボがあるんですが……」

 

「痛っ!?」

 

「痛いという事は効いているんですよ。痛いのは分かりますが、少し声を抑えてください」

 

「あ、あぁ……」

 

 

 何だか目の奥がじんわりと暖かくなってきたような……

 

「慣れてくると気持ちがいいものだな!」

 

「まぁ、マッサージですから、痛いだけじゃないですよ」

 

「ふぅ、少しは楽になった。ありがとうな!」

 

「じゃあ、次は私だね~」

 

 

 そういいながらアリアが私と交代でタカトシの前に腰を下ろした。

 

「アリア先輩は何か悩みがあるんですか?」

 

「最近お通じが来なくてさ……」

 

「それでしたら、足の裏にある大腸・結腸・直腸ゾーンを刺激すると良いです。てか、男の俺にそんなこと言って良いんですか?」

 

「タカトシ君なら問題ないよ~。だって、こんな事言われても、呆れるだけで興奮はしないでしょ?」

 

「まぁ、確かに呆れましたが……」

 

 

 そういいながらも、タカトシはしっかりと足ツボを押していく。普通の男子なら、美人で巨乳の先輩の足を差し出されたら舐めまわしたくなると思うんだがな……

 

「会長、おかしなこと考えてません?」

 

「そんなこと無いが、タカトシのお陰で催すなんて、ちょっと変なシチュエーションだなと思っただけだ」

 

「それがおかしなことだと言ってるんですよ……」

 

 

 萩村に呆れられてしまったが、タカトシはこちらを見ずにしっかりとマッサージをしていた。

 

「これで出なかったらちゃんと病院に行った方が良いですよ」

 

「ありがと~」

 

「最後は私ね」

 

「スズも?」

 

「最近冷え症なのよ」

 

「まぁ、寒くなってきたし、女子には多い悩みだもんな」

 

 

 腕を組みながらうんうんと頷くタカトシ。こいつは本当に理解のある男子だよな……

 

「足ツボ押すならパンスト脱がないと。こっち見ないでよね」

 

「別に脱がなくても大丈夫だ。手にあるツボを押すから。それに、寒いんだから脚を冷やすのは避けた方が良い」

 

「そ、そうね……ありがとう」

 

 

 普通ならフラグバッキバキ状態だっただろうが、タカトシのフォローで逆に萩村の好感度が上がった感じがするな……さすが一級フラグ建築士の称号を持つ男だ……

 

「失礼します……って、何をしてるんですか?」

 

「おぉ、五十嵐! ちょっとタカトシの実験体をな」

 

「実験体?」

 

 

 風紀委員の報告書を持ってきた五十嵐に、こうなった理由を説明する。これが畑だったら、盛大に曲解してタカトシを怒らせたんだろうが、五十嵐ならそんな心配も無いしな。

 

「そうだったんですか……さすがタカトシ君ですね。時間が出来たなら自分の為に使えばいいのに」

 

「そういう事になれてないんだろうな……昔からコトミの相手をしていたら、仕方ないだろうが」

 

「はい、終わり」

 

「ありがとう。少しはマシになった気がするわ」

 

「所詮気休めだからな。本当に改善したければ、食事に気を遣うとかした方が良いぞ」

 

「そうね、考えておくわ」

 

「ついでだし、五十嵐もマッサージしてもらったらどうだ?」

 

「えっ! 私もですか?」

 

「まぁ、俺は構いませんよ」

 

 

 既に三人マッサージしているタカトシだが、特に疲れた様子もなく五十嵐に判断をゆだねた。

 

「それじゃあ……お願いします」

 

「それで、何か悩みはありますか?」

 

「最近、ちょっと不眠症で……」

 

「……それはマッサージよりカウンセリングの方が良いのでは? まぁ、不眠に効くツボはありますが」

 

 

 そういいながら、タカトシはマッサージかカウンセリングのどっちが良いか五十嵐に尋ね、五十嵐はマッサージを選んだ。

 

「タカトシに触ってもらえる機会を選んだか」

 

「まぁ、タカトシ君ならカウンセラーとしても優秀だと思うけどね~」

 

「あの、気が散るので真横で会話しないでくれます?」

 

「私たちの事は気にしないで、存分に五十嵐を揉んでやると良い!」

 

「別に揉まないですけどね……」

 

 

 タカトシが呆れた態度で私たちを見て、盛大にため息を吐いた。

 

「最近大人しくなってきたと思ってましたが、本質的には変わってないんですね」

 

「まぁ、人間そんな簡単に変われないという事だ!」

 

「……何か良い事風に言ってますが、先輩たちの場合は必死に変わろうとした方が良いですよ。俺は別に気にしませんが、社会に出てそのままだと、いろいろと問題がありますから」

 

「う、うむ……」

 

 

 本気で心配されてしまい、私は居心地の悪さを感じ視線を逸らしたが、アリアの方は気にした様子が無かった。まぁ、アリアの場合は七条グループに就職だろうから、そういう事を気にしなくても良いのかもな……ちょっと羨ましいぞ。




畑さんも勘違いしないだろうって事でカエデさん登場

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