桜才学園での生活   作:猫林13世

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今年最後の投稿です


交流会 偵察組

 サクラっちとタカ君が二人きりというのも気になりますが、コトミちゃんがノリノリで偵察する姿も捨てがたかったので、私はこっちに参加したのです。

 

「というか、こうも簡単に偵察させて良いのか?」

 

「問題ありません。我が柔道部は強いですから、これくらいは良いハンディです」

 

「何だか気に食わない言い方だが、負けた時の言い訳が欲しいだけじゃないのか? ウチの柔道部だってかなり強いんだからな」

 

「会長、魚見さん、五月蠅いですよ」

 

 

 なんだかんだ言って、一番偵察にノリノリなのはスズポンだったりするんですよね……

 

「というかこのカメラ、ちゃんと撮れてるんですかね……」

 

「あんた、使い方知らないの?」

 

「昨日タカ兄に使い方は習ったんですけど、再生の仕方がイマイチ分からないんですよ……試し撮りでもしてみましょうか。アリア先輩、セクシーポーズお願いします」

 

「えぇ? いきなり言われても困るんだけどなぁ……」

 

 

 アリアっちに無茶ぶりをするコトミちゃんに、私は微笑ましさを感じていた。タカ君がいないからやりたい放題で楽しいんでしょうね。

 

「えっと、こんな感じ?」

 

「……どこからパンツ出したんですか?」

 

「出島さんが、夏は汗をかくから替えのパンツが必要だって言ってくれて」

 

「またあの人か! というか、それはセクシーポーズじゃないっ!」

 

 

 アリアっちは替えのパンツを取り出してパンツあや取りをしてみてた。コトミちゃんがカメラをあちこち操作して、その動画を再生する。

 

「この角度だと、アリア先輩が脱いだパンツを取り出したようにも見えますね~」

 

「どれですか? ……これは、同性の私が見ても興奮する映像ですね」

 

「せっかくですから、畑先輩にこの動画を提供して、お小遣いを稼いでみたり?」

 

「どうでしょう……タカ君にバレて怒られるのがオチだと思いますが」

 

「ありえそうですね……タカ兄は何処から情報を仕入れているんだってくらい情報通ですからね」

 

 

 というか、この動画をタカ君に見せるのはちょっと抵抗がありますしね……もしみたいと言うなら、私がタカ君の目の前でパンツを脱いで見せてあげますし。

 

「というかコトミ、ちゃんと録画出来てるなら偵察に戻りなさいよね」

 

「あっ、そうでしたね。ついつい素人エロ動画投稿サイトにUPしようとか考えていました」

 

「それは困るな~。不特定多数の男の人のオカズになるつもりは無いよ~」

 

「そこが問題なのか?」

 

「だってそんな事になったらウチの会社の信用問題に発展しちゃうし」

 

「そうなったらコトミが賠償金を払う事になるんだろうな」

 

「うぇっ!? そんなお金ありませんよ?」

 

 

 もしもの話で盛り上がっている間にも、柔道部は着々と稽古を続けている。というか、ここまで騒がしくしていても気づかないなんて、ちょっと鈍感なのではと心配になりますね……

 

「それじゃあタカトシ君を婿入りさせて、損失分以上稼いでもらうしかないね~」

 

「というか、まだ投稿してないですからね!?」

 

「ていうか、ちゃんと偵察の役目を果たしなさいよね」

 

「おっと、そうでしたね」

 

 

 スズポンのツッコミで漸く本来の目的を思い出したのか、コトミちゃんは練習風景をカメラに収め始める。

 

「コトミの監視の名目で残ったが、これだったら普通に交流会を開いてた方がマシだったな……」

 

「何だかどっと疲れたね~」

 

「まぁ、交流会は真面目な副会長たちがしっかりとしてくれてますから、何時も私たちは遊んでるんですけどね」

 

「違いないな」

 

 

 真面目にならなくてはと思うのですが、どうしてもシノっちやアリアっちと一緒にいると遊びたくなるんですよね……

 

「素朴な疑問なんだが、偵察したところでどうするんだ? 相手の動きを研究するといっても、本番でこの動きをしてくるとは限らないわけだし」

 

「癖とかを見つけるんじゃないかな~? それか、こういう動きがあるからどうやって対策するかとかを話し合うとか」

 

「まぁ結局は参考資料ですからね」

 

 

 偵察はコトミちゃんとスズポンの二人に任せて、私たちは談笑を始める。

 

「まぁ資料は多いに越したことはないし、使い道があるから動画を撮っているんだろうしな」

 

「それにしてもアリアっち、さっきのパンツ動画は破壊力抜群でしたね」

 

「そうかな~? カナちゃんにそういわれると何だか照れるよ~」

 

「たぶんですが、タカ君にも効果あると思いますよ」

 

「そうか? アイツはアリアの下着なんて見慣れてると思うぞ?」

 

「まぁ、それだけお泊りしてるわけですしね」

 

 

 最初の方は恥ずかしいからという理由で洗濯は私たちの誰かがしていたのですが、最近ではタカ君がした方が早いという事で結局まかせっきりですし……

 

「未だに気にするのは森や五十嵐くらいだろ。八月一日も申し訳なさそうにはしているが、結局はタカトシに任せているわけだし」

 

「サクラっちは下着なんて気にならないくらいの事をしてるのに、気にし過ぎですよね」

 

「まぁ、公衆の面前でキスしてるしね」

 

「そういえばシノちゃん、この間のガラス越しのキスはどんな感じだったの?」

 

「何ですかそれ? お義姉ちゃん聞いてませんよ?」

 

「い、いう程の事じゃないしな! というか、お前は私の義姉じゃないだろうが」

 

 

 ちょっと違うけど、これはこれで交流会として成立してるのでしょうかね。




来年もよろしくお願いします

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