桜才学園での生活   作:猫林13世

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色々とオリジナル展開になってます


生徒会密着取材

 部屋で英語の課題をやっていたらドアがノックされ、返事を待たずにドアが開いた。

 

「タカ兄、勉強教えてー」

 

「別に構わないが、ノックして返事を待たなかったらしてないのと一緒だぞ」

 

「タカ兄のなら顔にかかっても良いし」

 

「……何の話だ?」

 

「え? だってノックしないで入ってきたら絶頂の……」

 

「勉強だったな。それで、何の教科だ?」

 

「タカ兄って、最近スルースキルが上がってるよね」

 

 

 コトミを相手にしてれば良かった去年までとは大分環境も変ったからな。スルーしなければまたぶっ倒れる可能性だってあるのだ。

 

「で、何の教科だ?」

 

「英語」

 

「お前英語苦手だよな。そんなんで桜才の受験大丈夫か?」

 

「他の教科でカバーするさ!」

 

 

 ……他の教科も期待できないんだよな。模試も近いし何とか合格判定を貰ってほしいんだが、無理だろうな……

 

「私って生粋の日本人なんだろうね。横文字とかが全然駄目で、この前もクリーニングをク○ニリ○グスって言っちゃったし」

 

「それはお前が思春期だからだろ」

 

 

 そもそも何故そう読んだ……

 

「タカ兄は良いよね~英語得意だから」

 

「勉強したからだ。最初から出来た訳じゃないぞ、俺だって」

 

「でもさ~、タカ兄と私とじゃ頭の出来が違うじゃない」

 

「無駄な知識を詰め込んでるから必要な知識が入らないんだろ」

 

「無駄な知識など無い! この世に存在する事全ては必要な知識なのだ!」

 

「はいはい、ふざけてないでさっさと勉強しろ」

 

 

 厨二病+思春期の妹は変な知識ばかり詰め込んでるからな、それでなくても昔っから酷かったのに……

 

「タカ兄ぃ……」

 

「何だ?」

 

「問題が何言ってるのかが分からない……」

 

「……辞書を引く事を勧める」

 

 

 一度自分で調べる癖をつけさせれば勉強もはかどるのでは無いのかと思ってるのだが、辞書を引くのすら放棄しているからな……こんなんで、本当に桜才を受けるんだろうか……兄として心配になってきたぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、生徒会の仕事で早朝から校門で服装検査をする為に早めに学校に来た。9月になってもまだまだ暑いな……

 

「おはようございます」

 

「おう、津田」

 

「津田君、おはよー」

 

「あれ? 萩村はまだですか?」

 

「此処に居るわよ」

 

「おはよう」

 

 

 七条先輩の影に隠れて見えなかった……とりあえず全員居るみたいだし、後は校門でチェックするだけか……

 

「なあ津田」

 

「はい?」

 

「最近シャツを外に出す生徒が多いと思わないか?」

 

「そうですね」

 

「だから今度の全校集会で注意しようと思ってるんだが」

 

「ちなみに何て言って注意するつもりなんですか?」

 

「うむ、外に出すのは性行為の時だけにしろ! って言うのは如何だろうか?」

 

「全力で阻止させていただきます」

 

「相変わらずですね、天草会長」

 

「五十嵐!」

 

「おはようございます」

 

 

 服装チェックだからな、風紀委員長の五十嵐さんが居てもおかしくは無いのだが、この人も何だかボケ側だしな……

 

「あ、あの津田君……」

 

「なんでしょうか?」

 

「これ、海の時のお礼……」

 

「お礼? 何かしましたっけ?」

 

 

 五十嵐さんにお礼されるような事をした覚えは無いんだが……

 

「溺れたのを助けてくれたでしょ」

 

「ああ、その事ですか」

 

「あの時は本当にありがとうございました」

 

「いえいえ、溺れた人を助けるのは当然だと思いますし、大した事でも無いですよ」

 

 

 実際すぐに引き上げたので何の問題も無かったし。

 

「ほう、風紀委員長が津田副会長に賄賂ですか」

 

「ヒィ!?」

 

「畑さん、賄賂ってこれですか?」

 

 

 俺は五十嵐さんに貰った包みを見せた。

 

「何だ、お金じゃないのか」

 

「当たり前です!」

 

「参考書ですか、ありがとうございます」

 

 

 丁度別の物も買おうとしてたので、これは素直に嬉しい。大事に使わせてもらおう。

 

「ところで畑さん、少し格好がだらしないですよ」

 

「徹夜でスクープを追い求めてたからね。少し汚いのは仕方ないのよ」

 

「……最近の部活はそこまでやるんですか」

 

 

 それとも畑さんだけが必死なのだろうか……

 

「それで、生徒会に一日密着取材をしたいのだけれども、良いかしら?」

 

「それは会長に聞いてください」

 

「既に天草会長たちの許可は貰ってるのよ。後は貴方だけ」

 

「会長が許可したのなら、俺も問題は無いですよ」

 

 

 どうせ断っても勝手にするんだろうし、それだったら目に見える範囲でやってもらった方が良いだろうしな。

 

「それじゃあ後ほど」

 

 

 それだけ言って畑さんはいなくなった。相変わらず神出鬼没な人だな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、ずっと会長に密着していた畑さんが、生徒会室で撮った写真のチェックをしていた。

 

「これだけあれば大分儲かるわね」

 

「そんな事したら容赦無く新聞部を潰しますからね」

 

「じょ、冗談よ……それじゃあ貴方にもインタビューしたいのだけれども、良いかしら?」

 

「構いませんが、ふざけようものなら……分かってますよね?」

 

 

 この人は海の件で散々説教したのにも関わらず、また同じ事をする可能性があるんだよな。一応釘を刺しておいてから、インタビューに答える事にした。

 

「ではまず、貴方にとって会長はどんな人?」

 

「会長ですか? そうですね、何時もお世話になってます」

 

「なるほど……会長はオ○ペット」

 

「捻くれた捉え方するな。それとふざけたので来年度の予算は覚悟しておいて下さい」

 

「ほ、ほんの冗談ですよ。ですから予算の件は何卒」

 

「次は無いですからね」

 

「それじゃあ次の質問ですが……ぶっちゃけ誰が一番好みですか?」

 

「「「!?」」」

 

「好みですか? そうですね、皆さん素敵だとは思いますけど、俺なんかに想われても嬉しく無いでしょうから、あえて答えません」

 

「津田! 優柔不断な答えは駄目だ!」

 

「そうだよ! 聞かれた事にはちゃんと答えないと!」

 

「津田のそう言うところが駄目なのよ!」

 

 

 ええー……何で怒られてるの俺?

 

「あえて選ぶとしたらで構わないので」

 

「そうですね……じゃあ七条先輩で」

 

「やった!」

 

「決め手はやはりあの巨乳ですか?」

 

「いえ、選ぶならって言われたので選んだだけで、皆さん素敵だとは思ってます」

 

「なるほど……津田副会長はハーレム野郎と」

 

「萩村ー新聞部は予算要らないってさ」

 

「ゴメンなさい、許して下さい!」

 

 

 まったく、選べって言うから選んだだけで、俺と七条先輩がつりあう訳無いでしょうが……自分で言ってて何だか情けなくなってきたな……もう少し頑張ろう。




本当はカエデを選ばせようとしたのですが、生徒会室に居る人間から選ばせました。

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