桜才学園での生活   作:猫林13世

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シノの本領発揮?


会長交換 英稜編

 桜才・英稜の間で行われている生徒会長交換イベントで、私は今日一日英稜高校に通う事になった。

 

「(私の行動が桜才学園の評価に関わってくるわけだし、ここは気合を入れてかからねば)」

 

 

 そう思い気合いを入れる為に頬を叩こうとしたが、跡が残ってしまっては恥ずかしいな……

 

「よし!」

 

 

 跡が残っても見えないところなら問題ないだろうと考えて、私は自分のお尻を叩く。気分はセルフスパンキングだな。

 

「タカトシさんがいないところでも、しっかりしてくれると助かるんですけど」

 

「森か」

 

「本日はよろしくお願いします」

 

「あぁ、こちらこそよろしく頼む」

 

 

 森に案内され、私はとりあえず生徒会室へとやってきた。何処の学校も生徒会室という場所は神聖視されているのか、余り普通の生徒は寄ってきていないようだな。

 

「桜才学園では、天草会長が生徒の相談役として生徒会室を開放していると聞いているのですが」

 

「昔はそんな事もあったが、最近はあまり相談されなくなったな」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ。だいたいはタカトシに相談してるようだしな」

 

 

 私よりもタカトシの方が信頼出来るからなのだろうか、相談者は私にではなくタカトシに、場所も生徒会室ではなく空き教室に変わっているのだ。

 

「今日はこの後朝会がありますので、天草会長も体育館へ移動してもらいます」

 

「朝会か……おっと、消しゴムがきれていたか」

 

 

 桜才学園の生徒会室なら予備が置いてあるのだが、さてどうしたものか……

 

「よければ私のを使ってください」

 

「良いのか? だがこれはお前の予備じゃないのか?」

 

「大丈夫です。こんなことがあろうかと、あらかじめ二個持ってますので」

 

 

 そういって森はもう一個の予備を取り出してみせる。

 

「準備が良いんだな。そういえば私も昔、体温計を二つ持っていた時期があったな」

 

「体温計……ですか?」

 

「二つ脇に挟めば巨乳っぽく見えるだろ?」

 

「同意を求められても困るのですが……」

 

 

 困ったように頬を掻く森を見て、私はどことなく敗北感を味わった。

 

「そうだな! お前は最初から大きいもんな」

 

「カナ会長とは違った意味でめんどくさい……」

 

「副会長、そろそろ」

 

「そうね。天草さん、体育館に行きましょう」

 

「あぁ、分かった」

 

 

 もう一人の役員に促され、私たちは胸談義を止めて体育館に向かう事にした。

 

「今更ながら、部外者の私が朝会に参加して良いのだろうか?」

 

「本当に今更ですね……その辺りは校長も理解していますので、問題はありませんよ」

 

「それは良かった……ん?」

 

 

 廊下から見える中庭に視線を向けると、そこには手を繋いだ男女の姿が……

 

「英稜は校内恋愛OKなのか」

 

「プラトニックであるなら口を挿むべきではないという考え方です」

 

「桜才は全面禁止だが、それはもう古いのかもな……やはりトップに必要なのは柔軟に時代の変化を感じる力……そう、お堅い石頭よりも柔らかい亀頭! そして乳頭のような敏感さ!」

 

「もう一考お願いします」

 

 

 何か間違えたのか、森が冷めた目を私に向けてきている。というか、タカトシが側にいないからかストッパーが壊れかけてるような気がするな……

 

『みなさんも固定概念にとらわれず、いろいろな角度から物事を見てみましょう』

 

「こちらの校長もいい事を言うな。早速違う角度から見てみよう」

 

「はい?」

 

 

 私の隣で森が嫌そうな顔をしているが、別にまだ何もしてないだろうが。

 

「一見ただの体育座りだが、持ち方一つでいろいろなプレイに発展する」

 

「もう一考しろっ!」

 

「副会長、ついにため口に……」

 

「さすがに我慢の限界だからね……」

 

 

 森ともう一人の役員――確か青葉とか言ったか? がこそこそと何かを話しているが、どうやら今日の私は絶好調のようだと今更ながらに気が付いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一日中天草さんの下ネタに付き合わされて、私は改めてタカトシさんの凄さを思い知りました。

 

「天草さんだけでなく、七条さんや畑さん、更にはコトミさんまで相手にしてたなんて……どんな体力なんでしょう……」

 

「最近は大人しくしてるんだぞ?」

 

「出来れば、私の前でも大人しくしてほしかったです……」

 

 

 更にはタカトシさんはカナ会長の相手もしていましたので、最大で私の五倍はツッコミを入れていたという事になるわけですし、一時期心がすさんでしまっていても仕方なかったのかもしれませんね……

 

「桜才ではカナが絶好調だったから、タカトシも久しぶりにツッコミを連発してたのかもしれないな」

 

「どうして会長たちには、自重するという考え方が出来ないんですか……」

 

「それはツッコミがいてくれるからだな。タカトシと萩村が修学旅行でいなかったとき、ボケっぱなしは悲しいという事に気が付いてからは、人がいないところではボケないようにしているんだ」

 

「人がいるところでもボケない方向でお願いしたいのですがね……」

 

「それは難しいな。私たちは基本的にボケ側の人間だから、ついボケたくなるんだ」

 

「その気持ちは、私には分かりませんよ……」

 

 

 そして恐らくタカトシさんにも……兎に角、少しは自重してもらいたいものです。




下発言して輝くってどんなキャラなんですかね……

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