桜才学園での生活   作:猫林13世

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何時もと違う事をしたらこれだ……


スズに起きたハプニング

 今日は暖かいので、何時も穿いているパンストを脱いで過ごす事にした。

 

「パンストを脱いだだけで、なんだか身軽になった気分が――」

 

『ブチッ』

 

「………」

 

 

 何かが切れた音がしたので、私はゆっくりと視線を音がした方に向ける。そこには、さっきまで穿いていたパンツが落ちていた。

 

「(パンツのゴムが切れた……)」

 

 

 物理的にも身軽になってしまい、私はどうしたものかと頭を悩ませる。

 

「(今日は体育も無いから、ジャージも持ってないし……まさか今日一日ノーパンで過ごさなきゃいけなくなるとは……まぁ、何時も通りに過ごしてれば問題は無いかな)」

 

 

 とりあえず生徒会室に顔を出さなければいけないから、私は教室に鞄を置いて生徒会室に向かう。

 

「おはよう――」

 

「おはよう、スズ……どうかしたの?」

 

「床がピカピカになってる……」

 

「あぁ。時間があったからワックスがけをしておいたんだ。結構汚かったからな」

 

「そ、そうね……お疲れ様」

 

 

 確かにそろそろワックスをかけた方が良いって話をこの前したけど、まさか今日このタイミングでしてたとは思わなかったわ……

 

「そういえば会議に必要な資料を取りに行かなければいけなかったんだっけ」

 

「俺も行こうか? 確かあの資料って、高いところに置いてあるとか言ってたし」

 

「うっ……」

 

 

 資料室は上の階だし、資料は高いところに置いてあるのか……タカトシにスカートの中を見られる危険性があるわ……

 

「タカトシ、先に行ってくれる?」

 

「? 良いけど」

 

 

 階段を先に上らせて、とりあえずここはクリア。問題は高いところにあるという資料ね……

 

「どうやって取ろうか」

 

「じゃあ、私が台になるから」

 

「それは無理なんじゃないか? ……大人しく下を見てればいいの?」

 

「……そうしてちょうだい」

 

 

 何かを察したタカトシは、目を瞑ってしゃがみ、私を肩車して資料に手が届くようにした。もちろん、他の男子だったらどさくさに紛れて目を開けたりした可能性が高いけど、タカトシなら絶対にあり得ないものね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会議は無事に終わり、タカトシに資料を戻しに行ってもらってる間に、私たちで出来る事を片付ける事となった。

 

「部屋が乾燥してますね」

 

「窓を開けて換気しよう」

 

 

 アリアが立ち上がり窓を開けたのと同時に、萩村がファイルを取る為に立ち上がった。すると丁度そのタイミングで風が入り込み、萩村のスカートを捲し上げた。

 

「あの、これは……」

 

「まさか、スズちゃんがノーパンに目覚めてくれたなんて」

 

「断じて違う!」

 

「だが、今穿いてなかったよな?」

 

「じつは――」

 

 

 萩村から事情を聞いた私たちは、とりあえず萩村が目覚めたわけではないという事を理解した。

 

「体操着とか無いのか?」

 

「今日は体育が無いので」

 

「じゃあ、出島さんから貰ったパンツ、貸してあげるよ」

 

「あ、ありがとうございま――」

 

 

 アリアが差し出したパンツは、前にオプションがついている物で、萩村は差し伸べた手を引っ込める事無く固まってしまった。所謂男装用なのか、女子には必要無いものがついているので、見ているとだんだん恥ずかしくなってくるな。

 

「これを穿け、と?」

 

「ぜ、前後逆に穿いたら、尻尾みたいで可愛いかもしれないぞ?」

 

「なるほど」

 

 

 ノーパンの羞恥から思考が麻痺しているのか、萩村は私の冗談を真に受けてアリアのパンツを前後逆に穿いた。

 

「な、なんだかおかしくないですかね?」

 

「穿く前に気づけたんじゃないか?」

 

 

 ちょうどそのタイミングで、タカトシと横島先生が生徒会室にやってきた。

 

「何だ? 萩村も尻穴調教か?」

 

「……も?」

 

 

 横島先生が萩村のお尻らへんを見て、変な事を言ったが、この人が変な事を言うのはある意味いつも通りなので、とりあえずスルーした。

 

「……コトミか? お前、体操着の下、持ってないか? ……変な事言うなら、今後お前の小遣いは無しという事になるが? ……よろしい。悪いが、持ってきてくれ」

 

 

 タカトシが電話でコトミに指示を出し、自分がいては萩村が恥ずかしい思いをするだろうと考えて黙って出て行った。

 

「タカ兄、お待たせっ!? あ、あれ?」

 

「おぉコトミ。廊下を走らないでよくこの短時間で現れたな」

 

「お小遣いが懸かってますから……それで、タカ兄は?」

 

「タカトシは出て行ったわ。悪いけど、早くそれ、貸してちょうだい」

 

「別に構わないですけど……スズ先輩は何をしてるんですか? お尻の穴を――」

 

「それ以上は横島先生と同じだから言わなくていいわ」

 

 

 コトミから体操着を奪い取り、萩村は隣の部屋に引っ込んで、スカートの下に体操着を穿いて戻ってきた。

 

「これ、明日洗って返すわ」

 

「別に気にしなくても……あっ、でも、ロリ先輩の染み付き体操着として売り出せば――」

 

「今すぐ家から追い出されたいのか?」

 

「うげぇ!? タカ兄……何時からそこに?」

 

「スズが隣の部屋から戻ってきたのと同じタイミングでだ」

 

「冗談に本気で対応するなんて、タカ兄らしくないよ!?」

 

「お前がそれだけ馬鹿な事を言ったという事だ」

 

「反省します……」

 

 

 タカトシに怒られたコトミは、一回り小さくなったような錯覚を受ける印象だったが、確かに今のはコトミが悪いよな……




コトミのおバカ発言は何時も通り……

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