桜才学園での生活   作:猫林13世

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見た目全然似てないけど……


似た者同士

 今日は体育で走高跳をやることになった。タカトシがいれば注目の的になるのだろうが、三年にはタカトシはおろか男子がいないので目立つのは私とアリアだった。

 

「注目されるとやりにくいんだがな」

 

「まぁまぁシノちゃん。この高さまで跳べるのは私とシノちゃんだけみたいだから、注目されちゃうのは仕方ないよ」

 

「そもそもやる気が無くてわざと跳ばなかった連中もいるんじゃないか?」

 

 

 運動部の奴らだっているんだから、私とアリア以外脱落という事は無いと思うんだがな……

 

「まぁ、跳びたくない気持ちは分からないでもないがな」

 

「ん~?」

 

「だって、激しい運動をすると下着が食い込む事があるだろ?」

 

「あるある~。最近は下着を穿いてるからね~」

 

「そういえば、以前は穿いてなかったんだっけな」

 

 

 ノーパン主義だったアリアが下着を穿くようになったきっかけは、もちろんタカトシだ。あいつがアリアを変えたと思うと、なんだか複雑だな。

 

「そういえば、さっきの家庭科の授業の時に思ったんだけど、エプロンをすると胸に食い込むんだね~」

 

「そんな事は無い!」

 

 

 アリアがエプロンの仕方が下手なだけで、決して私の胸に食い込む余地が無いわけじゃないぞ! 断じて! 絶対にだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒会の作業をしていると、アリア先輩が立ち上がった。

 

「ちょっと一服しようか~。コーヒーでも淹れるね~」

 

「頼む」

 

 

 アリア先輩がコーヒーとは珍しい事もあるものだ。何時もは紅茶か緑茶が多いんだが……まぁ、ここにいるメンバーは問題なく飲めるから良いか。

 

「お待たせ~……あっ、お砂糖もミルクも切らしてる」

 

「じゃあブラックで構わないぞ」

 

「大丈夫ですか?」

 

 

 俺は兎も角、会長もスズも、普段は微糖を飲んでた気がするんだが……

 

「苦っ……」

 

「飲みなれないと厳しいかもしれませんね」

 

「アンタは飲みなれてるのね」

 

「まぁね」

 

 

 シノ会長が顔を顰め、スズはそれを見てコーヒーに手を出さなかった。

 

「まさかどっちも無かったとは思わなかったよ~……ちょっと料理部に顔を出してお砂糖貰ってくるね~」

 

 

 そういってアリア先輩が出て行ったのと入れ替わりで、コトミが生徒会室にやってきた。

 

「タカ兄、今日遊びに行ってくるね」

 

「別に良いが、お前今日宿題を忘れて怒られたんだろ? 課題は無いのか?」

 

「やったけど家に忘れちゃったんだよ~」

 

「人って嘘を吐く時無意識に顔を触るらしいわよ?」

 

 

 スズのツッコミに、コトミは頬に当てていた指を突き上げ、作り笑いをした。

 

「うううう、嘘なんてついてませんよぅ?」

 

「義姉さんのように誤魔化しても無駄だ。これからは忘れ物を減らすように」

 

「はーい……」

 

 

 コトミを撃退したら、今度は三葉が生徒会室にやってきた。

 

「ムツミ、その本は?」

 

「えっと……部室に持ち込まれた不用品なんです。受け取ってください!」

 

「……別に良いが、おかしな空気になってないか?」

 

 

 三葉が持ってきたのはエロ本で、確かに不用品であり、生徒会室に持ってくるのも間違いではない。だが、何で俺に渡すのかがイマイチ分からなかったし、三葉の言葉がおかしな勘違いを誘うもので、廊下で盗み聞きをしていた畑さんには、しっかりと釘を刺しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 古谷先輩がやってくるという事で、私は校門まで迎えに出て、一緒に生徒会室を目指した。

 

「ちょっと貴女」

 

「ん?」

 

 

 古谷先輩に声をかける小山先生。そういえば、面識無いんだっけか。

 

「貴女この学園の関係者じゃないわよね。部外者は――」

 

「おっと。私は部外者ではありませんよ。天草とは一夜を共にした仲ですので」

 

「っ!?」

 

「生徒会の仕事で、ですけどね」

 

 

 困った顔でこっちを見てきた小山先生に、私はあっさりと真相を告げ、互いに互いを紹介する事にした。

 

「小山先生。こちらはOGの古谷先輩です。元生徒会長で偶にこちらに顔を出しているんです」

 

「よろしく」

 

「古谷先輩。こちらは新しく赴任した小山先生。私が小学生の頃にお世話になった人です」

 

「初めまして」

 

「ほー、小学校でも先生をしていたんですか」

 

「えぇ、その時はまだ教育実習生でしたけど」

 

 

 古谷先輩が小山先生をじっと見て、何か思いついたように手を打った。

 

「先生トイレ!」

 

「先生はトイレではありません!」

 

「?」

 

「何大きな声を出してるんですか?」

 

「あぁ、タカトシか……いや、小山先生と古谷先輩がな」

 

 

 事情を説明すると、タカトシは納得がいったように二人を見て、私に耳打ちをしてきた。

 

「(感性が似ているから意気投合したんでしょう)」

 

「(なるほど……古谷先輩は、ちょっと古い感性の持ち主だったな)」

 

 

 恐らく小山先生が小学生の頃に流行ったネタなのだろう。私やタカトシには分からなくても、古谷先輩になら分かるのかもしれない。

 

「それで、今日はどのような用件で?」

 

「あぁ、この前七条に借りたでぃーぶいでぃーを返しに」

 

「相変わらず横文字は苦手なんですね……」

 

 DVDと変換されていないのを理解したタカトシが、苦笑しながらそういうと、困惑していた小山先生も納得の表情を浮かべた。てか、この前も言ったが、学校に持ってこないで欲しいものなんだがな……まぁ、別に良いか。




ネタの意味がイマイチ分からないんですよね……まぁ、何となくは分かるんですが

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