桜才学園での生活   作:猫林13世

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タカトシ大活躍! の予定です……


体育祭後編

 本部に戻ると、何故か見知った顔があった……

 

「コトミ?」

 

「やっほータカ兄、応援に来たよー」

 

「タカ兄? 津田さんの妹さんですか?」

 

「妹のコトミです」

 

 

 魚見さんにコトミを紹介する。そう言えば魚見さんの隣に居るのは誰なんだろう……

 

「兄妹だけあって似てますね」

 

「そうですねー、共にまだ性体験もありませんしね」

 

 

 いや、そうだけど違うだろ……

 

「ですが、処女と童貞は同列には出来ませんよ」

 

「「いや、違うでしょ! ……え?」」

 

 

 魚見さんの連れの人とツッコミが被る。この人はまともな人のようだ。

 

「あっ、津田さんと萩村さんにはまだ紹介してませんでしたね。私の恋人です」

 

「違いますからね!」

 

「冗談です。英稜高校生徒会副会長の森です」

 

「森です。よろしくお願いします」

 

「ご丁寧にどうも。桜才学園生徒会副会長の津田です」

 

「同じく、会計の萩村です」

 

「桜才のツッコミマスターの津田さんと、合法ロリの萩村さんです」

 

 

 ツッコミマスター……そんなものになった覚えは無いんだが……

 

「ロリって言うなー!」

 

「萩村、私たちは二人三脚に出るから本部を任せるぞ」

 

「えっ、あっはい」

 

 

 萩村も忙しいな……

 

「津田さんも大変そうですね……」

 

「森さんもなかなか……」

 

「「ハァ……」」

 

 

 同じ苦労を体験してる身としては、初対面なのに妙な親近感を覚えた。この人も精神的苦労をしてるんだと思うと、仲良くなれそうな気がしてくる……

 

「そう言えばコトミ、勉強は良いのか?」

 

「……私は追い込まれないと本気を出せないのだ」

 

「厨二は程ほどにね……」

 

 

 森さんは魚見さんだけをツッコんでれば良いのだろうか? それとも他にも……

 

「津田さんの方が大変そうですね……私は自分以上に大変なツッコミポジションの人に会うのは初めてですよ」

 

「なんか釈然とはしませんが、分かってもらえる人に出会えたのは嬉しいです」

 

「津田ー、アンタも手伝ってよねー」

 

「ああうん。それでは」

 

 

 本部の仕事に向かう為に森さんたちと別れる。さてと、仕事だ仕事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 津田さんと別れ、私は改めて魚見会長を見る。

 

「何ですか? ……もしかして本当に私とお付き合いを?」

 

「違いますから」

 

 

 ウチの会長にもツッコミを入れられる逸材。彼の周りにはボケが集まるようですね……もし私が津田さんのポジションだったら、きっと胃に穴が開いてしまうでしょうね。

 

「あっ、シノッチと七条さん」

 

「やっぱりあの二人は凄いですね~」

 

「「胸の差が!」」

 

「………」

 

 

 津田さんの妹さんも魚見会長と同類のようだった……

 

「そう言えば森さん、随分と津田さんの事を見てたようですが、もしかして濡れちゃったんですか?」

 

「違います! ただ……」

 

「「ただ?」」

 

「同じポジションとして、上手く生活していく方法を教えていただきたいと……」

 

 

 自分で言っていて何て説得力の無い言い訳だと自分で自分が嫌になる……そんな言い訳で納得してもらえる訳が……

 

「「なるほど! そうだったんですね!」」

 

「あれ? 納得しちゃうの?」

 

 

 よく分からないけど、納得してもらえたのならそれで良いですよね。私自身、何で津田さんをジッと見てたのか分からないのですから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最終対決は部活動対抗リレー、我々生徒会も参加する事にした。

 

「順番は萩村、私、アリア、津田の順番で行くぞ」

 

「俺がアンカーですか……緊張するなー」

 

「大丈夫でしょ。アンタさっきのクラス対抗でもぶっちぎってたから」

 

「だって相手は女子だったし……運動部でもなかったからさ」

 

「それでも、半周遅れをひっくり返したんだから、凄いよー」

 

 

 津田のクラスは、男子が居るのにも関わらず運動が得意なのは津田と三葉だけだったようで、先頭の三葉がトップでバトンを繋いだのだが、アンカーの津田にバトンが渡るまでにぶっちぎりの最下位だったのだ……

 

「さて、そろそろスタートだが、何か秘策は無いか?」

 

「秘策ですか? 重要なのは位置取りだと思いますけど」

 

 

 ……位置取りか。

 

「重要なんだな」

 

「ブリーフなら、位置固定出来るんじゃない?」

 

「何処見てる……」

 

「「え? チンポジの話でしょ?」」

 

「リレーの話だろうが!」

 

 

 津田のツッコミが炸裂して、作戦会議は終了した。後は本番でどれだけ結果を残せるかだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 桜才生徒会メンバーが全員参加と言う事で、本部は我々英稜が留守を預かる事になった。

 

「森さん、さっきの津田さんの走り、貴女には如何映りました?」

 

「そうですね、運動部じゃ無いのがもったいないと思いました」

 

「そうですか……ちなみに私は津田さんの走りを見て興奮してちょっと濡れました」

 

「そんな事聞いてません」

 

 

 津田さんのツッコミもかなりのものですが、ウチの森さんだって負けてないと思うんですよね。森さんは私が鍛えた! なんちゃって。

 

「始まりますね」

 

「第一走者は萩村さんですか」

 

 

 津田さんが第一走者で勢い付けるかと思ってましたが、アンカーはそう言えば二周だったんですね。それなら津田さんがアンカーなのも納得です。

 

「第二走者が天草会長、第三走者が七条さんのようですね」

 

「アンカーが七条さんなら、胸の大きさでギリギリ勝利と言うシチュエーションが……」

 

「そんな事はありえませんよ」

 

 

 う~む、絶妙なツッコミ。さすがは英稜のツッコミクイーンの称号を持つ女……

 

「そんな称号はありません!」

 

「あら?」

 

 

 声に出てたみたいですね……

 

「七条さんが転んだ!?」

 

「胸の重さに引っ張られたのでしょうか」

 

「いや、違うと思いますが……」

 

 

 転んだ所為で、生徒会チームは一気に最下位に……それも結構離されています。

 

「津田さんがどれだけ巻き返せるかですね」

 

「いくら津田さんでも、運動部の精鋭に追いつくのは……あら?」

 

 

 さっきのクラス対抗の時以上のスピードで駆け抜ける津田さん、あっという間に差が無くなっていきます。

 

「……チートだ、チート」

 

「今だけは会長に同意します」

 

 

 森さんも納得の私の感想。だって明らかにオリンピックを目指せるくらいのスピードなんですもの……

 結局津田さんがぶっちぎって生徒会チームが勝利、そして体育祭は幕を下ろした。

 

「お疲れ様でした」

 

「津田、アンタのおかげで勝てたわね」

 

「まぁそれはね……七条先輩は大丈夫ですか?」

 

「うん、なんとかね。胸がクッションになったおかげで怪我しないで済んだよ」

 

「「クソゥ」」

 

「「ん?」」

 

 

 シノッチと萩村さん、津田さんと森さんの声が揃った。如何やら津田さんと森さんは息ピッタリのようですね……羨ましいとか思ってませんからね。




ついに森さんを登場させちゃいました。恋人候補として最有力の彼女ですが、原作では名前が出てない……勝手に考えようかな……

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