桜才学園での生活   作:猫林13世

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何でもある七条家……


遊び場所

 最近コトミが大人しくしているからか、タカトシの機嫌がそこまで悪くないように感じる。まぁ、タカトシの機嫌が悪かった原因はコトミだけじゃなく、私たちだった時もあったのであまりコトミだけを責める気にはなれないのだがな……

 

「今日は生徒会業務も早く終わったし、この後遊びに行かないか?」

 

「寄り道は禁止ですよ?」

 

「だから、一度帰ってから何処かに行かないか、と言っているのだ」

 

「だったらウチにおいでよ~。遊戯室もあるし、大抵のモノはあるから」

 

「こうやって聞くと、やっぱりアリアは物凄いお嬢様だなって思い知らされるな」

 

 

 自慢げに言われれば嫌味な奴だと思うだけだろうが、さも当然のように誘われてはそんな風に思う気すら起こらない。というか、アリアは普通に私たちを家に招待してくれているだけだしな……

 

「じゃあ後程七条家に集合だな!」

 

「あっ、出島さんが迎えに来てくれるから、途中でみんなの家によって着替えてくれば良いよ~」

 

「……至れり尽くせりだな」

 

 

 出島さんの運転というのが何処か不安だったが、特に問題も起こらずに各々の家に到着し、着替えて再び車に乗り込み七条家へやってきた。

 

「何度か来た事あるけど、やっぱり大きいですね」

 

「出島さん、今日は迷子になったりしないでしょうね?」

 

「当たり前です! 毎日目隠して散歩プレイしているんですから!」

 

「威張って言うような事ではないと思うんですがね……というか、女子会なら俺がいてはマズいのでは」

 

「今日は生徒会メンバーと遊ぶだけで、女子会というわけではないぞ!」

 

「はぁ……まぁ今日は特に予定もなかったですから急いで帰る理由もないですけど」

 

「というか、タカトシが時間を確保するのが難しいから、私たちと交流する時間が減ってきているんだぞ?」

 

「それは申し訳ないです」

 

 

 タカトシはコトミの世話だけでなく、バイトもしているので仕方ないといえばそれまでなのだが、同じ生徒会メンバーとして最近交流する機会が減ってきているのは寂しいものなのだ。決して、私個人の感情を優先したわけではないからな。

 

「それでお嬢様、今日は何をなさるおつもりでしょうか?」

 

「ビリヤードはスズちゃんが不利っぽいし、ボウリングでもしようか?」

 

「家にボウリング場があるのか?」

 

「この前増設したんだ~。お母さんがお父さんと勝負して、徐々に辱めていくプレイをしたいからって」

 

「最早スケールが大きいのかおかしいのか分からなくなってきた……」

 

 

 そんな理由で施設を増やすなど、私たちからしてみればあり得ないのだが、七条家の感覚からしたら普通なのかもしれないな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボウリングはタカトシ君の圧勝で終わり、今度はカラオケをしようということで、私たちはカラオケルームへ移動した。

 

「忘れがちだけど、ここって一個人の家なのよね……」

 

「どれだけ儲かってるんだ、七条グループ……」

 

「まぁ、遊びに行くのに困らないから便利と言えば便利だな! 移動に懸かる費用も馬鹿にならないし」

 

「ウチで良かったら何時でも遊びに来て良いよ~」

 

「さっきから出島さんが皆さんの事を見て息を荒げているのは、気にしなくていいんでしょうか?」

 

「「なにっ!?」」

 

 

 タカトシ君にバレていたと分かったからか、出島さんが姿を現わした。確かに息が乱れているように感じられるけど、何かあったのかな?

 

「お嬢様の揺れるお胸! 天草さんの健康的な太腿! 萩村さんの小さなお尻! 何処を見ても天国ですね!」

 

「あらあら」

 

「どうせ私の胸は揺れないさ……」

 

「小さいって言うな!」

 

「そして時々向けられるタカトシ様の鋭い視線! それだけで不肖出島サヤカ、何度も絶頂してしまいました」

 

「それで息が乱れてたんだね~」

 

 

 タカトシ君に見られただけで絶頂してしまうなんて、出島さんも本当にタカトシ君に躾けられたいんだなって感じる。私も昔の私と比べればだいぶタカトシ君に躾けられちゃったし。

 

「というか出島さんは仕事しなくていいんですか?」

 

「御心配には及びません。お嬢様の身の安全を確保するのも私の仕事ですので」

 

「屋敷内――さらにこの面子で行動してるのにどんな危険があるって言うんだよ……」

 

「例えば、タカトシ様が目覚めお嬢様を襲ったり――」

 

「そんな事はあり得ないから、心配するだけ無駄です」

 

「まさか、タカトシ様は貧乳好き!? それともロリっ!?」

 

「貧乳って言うな!」

 

「誰がロリだっ!」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 シノちゃんとスズちゃんに脛を蹴られ、出島さんは嬉しそうにお礼を言う。男性相手にはSな出島さんも、たまにMっぽいんだよね~。まぁ、私もタカトシ君と会うまではSだって思ってたけど、実はMだったって分かったんだけどね~。

 

「それじゃあ出島さんは締め出して、誰から歌う?」

 

「会長からでいいのでは? 何時も先頭を歩いてるわけですし、ここも一番槍をお願いします」

 

「うむ、そう言われては歌わないわけにはいかないな!」

 

「というか、ドリンクバーまであるんですね」

 

「好きなの飲んで~。あっ、さすがに変なものは混じってないから安心して良いよ」

 

「それを心配しなきゃいけないってどんな状況だよ……」

 

 

 タカトシ君には呆れられちゃったけど、こうして皆を家に呼んで一緒に遊びって楽しい。今度はカエデちゃんやカナちゃんたちも呼んで遊びたいな。




出島さんはちゃんと働いてるようで働いてない……

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