桜才学園での生活   作:猫林13世

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心配事は現実となる


雪合戦フェス当日

 雪合戦フェス当日、生徒会メンバーだけでは参加制限に引っ掛かるので、助っ人としてコトミ、古谷先輩、横島先生の三人を召喚した。

 

「あたしゃこんな寒いところで活動したくないんだけどな」

 

「なんだか年寄りくさいですね、横島先生」

 

「言動から年寄りくさいアンタに言われたかないわよ!」

 

 

 古谷先輩にからかわれてやる気になったのは良いが、初戦から英稜高校と戦う事になるとは……

 

「タカ君、こうなっちゃったからには、お義姉ちゃん手加減しないから」

 

「はぁ……」

 

「くっ、これが私たちとお義姉ちゃんの宿命だというなら、私も手加減はしませんから!」

 

「それでこそ我が義妹。お互い死力を尽くそうではないか!」

 

「ねぇ、打ち合わせしてたの、君たち?」

 

 

 あまりにもノリノリに会話する二人に、タカトシがツッコミを入れる。というか、魚見さんもだいぶコトミに毒されてるって分かるわね……

 

「こちらの助っ人はソフトボール部員。玉を扱う競技にうってつけです! その点シノっちが召喚した助っ人はOGと生徒会顧問、年齢差でも圧倒的にこちらが有利!」

 

「年寄り扱いするな! わたしゃまだぴっちぴちじゃ!」

 

「語尾がババ臭いですよ……」

 

 

 激高した横島先生にタカトシがツッコミを入れる。というか、ここにいるメンバーって殆どボケ側の人間じゃないだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三セットマッチで第一セットを落とした我々は、多少無謀だと分かりながらも特攻を仕掛ける。

 

「やられたー」

 

「残念だったね~」

 

 

 既に討ち取られた私とアリアの許に、カナに討ち取られたコトミがやってきた。派手にぶつけられたようで、雪は服の中にも入っているようだ。

 

「早く出さないと霜やけになっちゃいますよ」

 

「今の、なんだか逆流した精液が零れるようでエロかったです」

 

「えっ、本当ですか! まさか雪合戦にこのような楽しみ方があったとは」

 

「そういえば前、スキーに行ったときにやった雪合戦でコトミちゃん、理想の○射風顔って喜んでなかった?」

 

「つまり、雪があればいつでも逆流や○射を再現出来る!」

 

「あたしが言える義理じゃないが、津田が凄い顔でこっちを睨んでるぞ?」

 

 

 いつの間にかやられてこちら側にやってきた横島先生に言われて漸く、私たちはタカトシが怖い顔をしている事に気付く。

 

「やっぱり寒いとストッパーが緩むんだな……」

 

「というか、逆流や○射なんて日常茶飯事で別にエロく無いだろ?」

 

「それは横島先生だからですよ~」

 

「くっ、最近ご無沙汰な私に対する嫌味ですか!?」

 

「なんなら、今度私のペットを貸してやろうか?」

 

「……よろしいので?」

 

「アンタに調教されたペットを再調教する楽しみがあるだろうしな!」

 

 

 がっしりと握手を交わした横島先生と出島さんを、私たちは複雑な思いで見つめていた……というか、タカトシからの視線が痛い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただでさえ後がないというのに、脱落者たちが騒がしいので、タカトシの機嫌がすこぶる悪い。残ってる私の身にもなってもらいたいわね……

 

「俺が敵を惹き付けるから、スズはフラッグを狙ってくれ」

 

「分かった。何としても逆転するわよ!」

 

 

 このセットを落としたら私たちの負け。多少無謀でもフラッグを狙ってイーブンに戻すのが一番だと考えて、私たちは特攻を仕掛ける事にした。

 

「させません! ……あっ!」

 

 

 飛び出した私を狙おうと雪玉を放った森さんが足を滑らせて転びそうになる。普通なら敵が転んだらチャンスだと思うのだろうが、紳士のタカトシが目の前で女子が転びそうになって黙って見ているわけがない。

 

「大丈夫か?」

 

「あっ、ありがとう、タカトシ君……」

 

「お前ら何処のカップルだ!」

 

 

 森さんを抱き留めたタカトシに向けて、敵味方関係なく雪玉が飛んでくるが、森さんを抱えながらもタカトシはその全てを躱しきった。

 

「あの、もうフラッグ取ったんですが」

 

「えっ!? スズポンいつの間に……まさか、タカ君に注目を集めて、その隙にスズポンがフラッグを奪取する作戦だったとは……サクラっちはスパイだった!?」

 

「単純に転んだだけです!」

 

 

 とりあえず一勝一敗になったので、これで何とかなるのかしら……

 

「というか、何時まで抱えてるんだ!」

 

「ん? あぁ……悪い、サクラ」

 

「いえ……ありがとうございました」

 

 

 こういう事を素でやるから、こいつらはカップルだって思われるんだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 桜才学園には勝ちましたが、二回戦で敗れた私たちはシノっちたちと合流して、お疲れ様会としてラーメン店でご飯を食べる事にした。

 

「ニンニクラーメンは身体が温まるな」

 

「そうですね。ですが、デートにはあまり向かない食べ物ですね」

 

「あぁ、口が臭くなるからな」

 

 

 シノっちと二人で口を押えながら臭いを確認するが、かなりニンニク臭がする。タカ君やサクラっちのようにノーマルなラーメンにすればよかったかもしれないですね……

 

「ニンニクだけじゃなく、唐辛子もデート中には向かないぞ」

 

「どうしてです?」

 

 

 私たちの会話に横島先生が加わってきた。何か苦い過去でもあるのでしょうか?

 

「実は唐辛子を食べた後に相手のキノコを加えたら悶絶しちゃって」

 

「「それは大変でしたね(相手が)」」

 

 

 あまり役には立たない情報だが、私とシノっちはその事をしっかり覚えておこうと胸に誓った。

 

『プルン』

 

「嫌味か! 嫌味なんだな!!」

 

「気にし過ぎです」

 

 

 大声を出して私に迫ってくるシノっちをみて、ちょっとやり過ぎたとウオミー反省……しないとタカ君に怒られちゃうから……




シノじゃ揺れる程n――

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