桜才学園での生活   作:猫林13世

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寝不足で頭が回らない・・・


柔道部発足!

例のインタビューを記事にしたと新聞部に言われたので確認しに部室に向かったのだが、まさかあそこまで脚色してるとは思わなかった。

もちろんそのまま発行させる訳にも行かないので畑さんをこってり絞って書き直させる事を約束させた。

新聞部も来期の予算をカットされると言われれば書き直させざるを得ないようだったが、そもそも書く前に止めてほしかったぞ・・・

 

「ほら、来たよ!」

 

「ほらムツミ!」

 

「え!?今!?」

 

 

何だ?

廊下を歩いていたら前が騒がしいのに気付いた。

あれは・・・クラスメイトの三葉だっけ?

 

「せーの!」

 

「わ!」

 

 

何がしたいんだ?

いきなり三葉の背中を押す3人。

そして三葉は、俺の前に押し出され固まっている。

 

「えーっと?」

 

「あの、津田君!いや、タカトシ君!」

 

「何?何で言い直したの?」

 

 

やけに気合の入ってる三葉に気おされ気味な俺。

正直何言われるのか不安だ・・・

 

「あの、私・・・創りたいの!」

 

 

何を?

主語を言ってくれないと分からないぞ。

まさかこの娘も会長たちと同じなのか!?

 

「柔道部を!」

 

「・・・え?」

 

「だから!柔道部を創りたいの!」

 

「それで、何で俺に?」

 

「だってタカトシ君、副会長でしょ?協力、してくれないかなって?」

 

「・・・ああ!そう言う事か~。緊張した~!」

 

「私も、緊張した~!」

 

 

確か創部届けは生徒会室にあったな。

とりあえず生徒会室に行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、会長。」

 

「おお津田!如何だった、新聞部は?」

 

「ちゃんと指導してきました。」

 

「?」

 

 

まあ、あれは処分するだろうから会長に言う必要は無いだろうな。

 

「それと、会ってほしい人が居るんです。」

 

 

そう言って三葉を生徒会室に入れる。

何か言い方ミスったか?

 

「何だ?結婚するのか?」

 

「?」

 

「俺の言い方も悪かったですが、あんたは俺の何なんですか。」

 

 

やっぱりこうなったか・・・

会長は俺の不安通りの反応をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?いったい何のようだ。」

 

「はい!私、タカトシ君のクラスメイトの三葉ムツミです。実は、新しい部を創りたいと思いまして。」

 

「それで、何の部活?」

 

 

七条先輩が興味を示した。

 

「柔道部です!」

 

「知ってる!」

 

 

へえ~、七条先輩でも知ってるのか・・・

 

「寝技が48個あるやつね。」

 

「うん、全然知ってませんね。」

 

 

男子が言うなら兎も角、女子の七条先輩がそんな事言うとは・・・

あまりにも思春期過ぎやしません?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当はムエタイにしたかったんだけど、メジャーなところで柔道を。部員も集めやすいしね。」

 

「三葉って格闘技好き?」

 

「うん!!己の技を磨いた身体と身体のぶつかり合い、熱いじゃん!!」

 

 

随分と入れ込んでるんだな・・・

夢想の世界に旅立った三葉を見てそう思った。

会長も何か考えてるようだが・・・

何故だろう、もの凄く嫌な感じがするのは?

 

「うん!確かに熱いな!!」

 

「あの会長?何か違うこと考えてませんか?」

 

「新しい部を発足させるには部員が5人以上必要よ。それに満たない場合は愛好会と言う事になるわね。」

 

「・・・何で子供がこんな所に?」

 

 

三葉!それは禁句!!

 

「津田!!」

 

「は、はい!」

 

「肩貸しなさい!!」

 

「え?」

 

 

萩村がジェスチャーでしゃがめと言っている。

これはつまり・・・

 

「良い!?よーく聞きなさい!!」

 

 

ですよね~肩車ですよね~・・・

身長控えめの萩村は俺に乗って三葉に対峙する。

 

「私は萩村スズ!!アンタと同じ16歳!!しかもIQ180の帰国子女!!英語ペラペラ、10桁の暗算だって朝飯前!!どう!?これでも私を子供扱いする!?」

 

「へーーー凄いねーーーー。」

 

 

三葉が何を思ったのか俺も分かった。

それは如何なんだ?

 

「もっと複雑な計算にしろーーー!!」

 

 

萩村さん、人の頭上で叫ばないでくれますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、部員5人のところ、4人にまかりません?すでに3人はキープしてあるんですけども。」

 

「却下に決まってるだろ。」

 

「ちゃんとした理由があるんです!」

 

「ほ~う・・・聞こうじゃないか。」

 

 

何故悪役風?

 

「ほら、ストレッチの時に二人組みを作るじゃないですか。でも5人だと一人余っちゃうんですよ。仲間はずれみたいで嫌でしょ?なので偶数の4人に・・・」

 

「なるほど一理あるな。」

 

 

あれ?意見が通った?

 

「それじゃあこれからは6人にしよう。あと2人頑張って見つけて来い。」

 

「あっれ~?ハードル上がったよ~?」

 

 

確かに偶数ですけど・・・

結局この後1人が入って柔道部はめでたく発足した。

それにしても柔道か・・・

 

「そう言えば津田君は以前に部活動をやってたの?」

 

「俺ですか?」

 

「うん!興味あるな~。」

 

 

七条先輩に甘ったるく聞かれた。

この先輩は自分の魅力に気付いて無いのだろうか?

 

「小学生の時は野球、中学ではサッカーをやってました。」

 

「ほーーー。」

 

「男の子ね。」

 

 

別に男子が全員野球とサッカーに分類される訳では無いんですが・・・

そもそも何故下半身を見る?

 

「津田は玉遊びが好きなんだな!」

 

「だって男の子だもん!」

 

「何か引っかかるぞ?」

 

 

会長と七条先輩の事だから、どうせ違う玉遊びだと思ってるんだろうが、それを俺が言うのは駄目な気がするのでこれ以上はツッコまない。

 

「でもシノちゃん、津田君はまだ未経験のはずよね?」

 

「つまりは自家発電か!」

 

「玉もイジルなんてなんだかテクニシャンね!」

 

「そうだな!」

 

「お前らその口を直ちに閉じろ!」

 

「ご苦労様で~す・・・」

 

 

先輩2人がボケて俺がツッコミに萩村が俺を労う。

嫌な事だが、これが今の俺の日常になりつつあった。




三葉登場で柔道部が発足。
個人的に三葉は嫌いじゃ無いです。

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