桜才学園での生活   作:猫林13世

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授業中は眠くなるよな……


感じる重さ

 最近練習時間が減っているような気がして、私は普段からできるトレーニングが無いかマネージャーに調べてもらう事にした。

 

「簡単にできるものですと、リストウエイトなどを装着して生活するとかですかね。もちろん、無理のない範囲でですけど」

 

「リストウエイトか……早速やってみようかな」

 

 

 部活中に使っているものを取り出して、私は手首に巻き付ける。これくらいなら問題ないし、日常生活に支障をきたすような重さじゃないよね。

 

「それじゃあ部員全員に――」

 

「アンタじゃないんだから、そんなもの着けたまま生活なんてできないっての」

 

「そうなの?」

 

 

 私の提案はチリに却下され、そのチリの意見を部員全員が支持したので、とりあえず全員にリストウエイトを配るのは諦めた。

 

「それじゃあ今日の朝練はここまで。放課後もがんばろー!」

 

「その前に授業があるだろうが」

 

 

 またしてもチリにツッコまれてしまったが、正直授業に出ている時間もトレーニングできたら、もっと強くなれるのにとか考えてしまう。

 

「スズちゃん、タカトシ君、おはよー」

 

「おはよう」

 

「あらムツミ、それは?」

 

 

 教室に入ってすぐにスズちゃんとタカトシ君に挨拶をしたら、スズちゃんが私の手首を見ながら尋ねてきた。

 

「リストウエイトだよ。これならいつでも鍛えられるし」

 

「重いんじゃないの?」

 

「これくらいヘーキだよ」

 

「無理するなよ」

 

 

 スズちゃんには心配そうな視線を、タカトシ君からは言葉をもらったけども、二人とも心配し過ぎだと思うんだよね。たかが体感十キロくらいの重りで。

 

「席に着け。授業を始めるぞ」

 

 

 早速授業が始まり、私は教科書とノートを取り出して板書されている文字をひたすらノートに書き写す。

 

「(ダメだ、重い――)」

 

 

 授業が始まって十分位した頃、私は重さと戦っていた。

 

「(――まぶたが)」

 

 

 何言ってるのか分からないし、何が書いてあるのかも分からないものを見ていた所為で、睡魔に襲われているのだ。

 

「(もうだめ……)」

 

 

 まぶたの重さに耐えきれず、私はそのまま寝てしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風紀を取り締まる為に校内の見回りをしていると、やはり校則違反をしている生徒がちらほらとみられる。

 

「津田さん、アクセサリーは校則違反です!」

 

「ごめんなさーい」

 

 

 最近は大人しくなってきたと思っていた津田さんも、アクセサリーを身に着けていたりと、やはり一度締め直さないといけないみたいですね。

 

「(でも、私一人が厳しくしても、風紀が元通りになるとも思えないのよね……)」

 

 

 風紀委員長としてそれなりに厳しくしてきたつもりなのに、ここ最近は風紀の乱れが目立つ。誰に相談した方が良いのかもしれないが、他の風紀委員に相談しても何か解決案が出るとは思えない……

 

「はぁ、風紀が乱れてるなぁー……」

 

 

 思わずため息を吐いてしまったが、周囲には津田さんしかいないし気にしなくてもいいだろう。

 

 

「バレましたか。今日は安定しなくって」

 

「はい?」

 

「だって今『ふ…気が乱れてるな』って言いましたよね」

 

「言ってません。というか津田さん、これ以上校則違反を繰り返すのなら、保護者の方を呼んで面談することになりかねませんよ?」

 

「こ、今後気を付けますので、タカ兄に言うのだけは勘弁してください」

 

「……あ」

 

 

 何故ここでタカトシ君の名前が出てくるのか一瞬分からなかったけども、津田さんのご両親は出張でいないのでタカトシ君が保護者代理として呼ばれるんだっけ。

 

「タカトシ君に迷惑かけていると自覚しているのなら、もう少し気を引き締めてください」

 

「気を付けます……」

 

 

 ガックシと肩を落としながら戻っていく津田さんを身を繰りながら、タカトシ君と話せるのなら津田さんを指導するのもありかもしれないと思ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 英稜生徒会は女子四人で会長は三年生、私は二年生で残り二人が一年生。先輩と後輩に挟まれて大変な思いをしています。

 

「中間管理職って大変だなぁ……」

 

「チュー管理職? 良く分かんないケド、欲求不満?」

 

「その言葉、直球で投げ返してやりますよ」

 

 

 挟まれて大変なだけではなく、会長は良く分からないことを言い出すし、広瀬さんは女子しかいないからだらしない恰好をしたりしますしで、それを注意しなければならないのだ。

 

「それはそうと、今度桜才の皆さんとお花見をしないかって話題があるのですが、サクラっちも参加しますか? 青葉っちと広瀬さんは都合つかなくて不参加なのですが」

 

「お花見ですか。そう言えばタカトシ君からそんなメールが着てたような気が……」

 

 

 そう言いながら私は携帯を操作しタカトシ君からのメールを確認する。あまりする機会はないけども、たまにメールが届くと嬉しくなるんですよね。

 

「あぁ、ありました。その日なら予定もないですし、私も参加します」

 

「というか、サクラっちタカ君とメールしてたんだね」

 

「一応相談とか乗ってもらったり、課題で分からないところを聞いたりとしてます。それがなにか?」

 

「いえ、タカ君が携帯を弄ってるところをあまり見ないので」

 

「タカトシ君はあまり使ってるイメージ無いですしね」

 

 

 会長と話しながらタカトシ君に参加する旨のメールを送ると、すぐに返信が着た。僅か数行の遣り取りだが、これはこれで嬉しいものだと感じますね。




まぁ学生じゃないので、眠かったが正しいかもしれませんが

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