桜才学園での生活   作:猫林13世

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映像がほしいと初めて思った回です……


一般的な恥じらい

 生徒会の仕事で廊下にポスターを貼らなければいけないのだが、生憎誰も傍を通らなくて困っていた。

 

「横島先生、丁度良かった」

 

「お? 天草、如何かしたか?」

 

 

 タイミングよく横島先生が通りかかってくれたのでこの際贅沢は言わないでおこう。

 

「ポスターを貼るので椅子を押さえててくれますか?」

 

「それくらいなら構わないぞ」

 

 

 この間は風邪を引いていて常識人だったけども、すっかり元の横島先生に戻っている。

 

「よっと」

 

「天草、こういうのは津田の仕事じゃないのか?」

 

「津田は別の仕事をしてます」

 

 

 椅子に上りポスターを貼っていると、横島先生がスカートの中を覗いてきた。

 

「あの、いくら女同士とはいえ覗かないでくれますか?」

 

「ゴメン、汚れてるの?」

 

「一般的な恥じらいです」

 

 

 大体私は学校でパンツを汚した事など無い! ……あっいや、津田に蔑まれて濡らした事はあったかもしれないが……

 

「会長、そろそろ見回りに……何してるのアンタ」

 

 

 タイミングよく別の仕事を終えた津田がやってきて横島先生に蔑みの視線を向けた。そう、あの目で興奮してパンツを濡らしてしまったのだよ。

 

「とりあえず柔道部から行くか」

 

「そうですね」

 

 

 津田が持っていた荷造り用のビニール紐で横島先生を椅子に縛り、そしてその椅子を柱に括りつけて私たちは見回りに行くことにした。

 

「おい、これ如何やって解くんだ? 津田ー! 縛るならちゃんと襲えー!!」

 

 

 背後からよく分からない声が聞こえてきて、津田は頭を押さえていた。

 柔道場に到着すると、津田の頭痛も治まってたようで頭を押さえる事も無くなっていた。

 

「三葉、君は何時も元気だな」

 

「鍛えてますからね」

 

「きっかけがあるのか?」

 

 

 ここまで必死になれるなんて、きっと凄い理由があるんだろうな。

 

「実は、私小さい頃身体が弱くって、それで鍛え始めたんです」

 

「それは凄いな! 人間性感帯も鍛えられるとは!」

 

「?」

 

「あー今のその弱いじゃない」

 

 

 津田にツッコミを入れられてこの会話は終了した。三葉には私たちのボケが通じないから津田が居てくれて助かるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休み、生徒会室で作業してると萩村と七条先輩がやって来た。如何やら此処で弁当を食べるようだな。

 

「おっ、雷か?」

 

 

 外で稲光が見えたと思ったらもの凄い音がした。随分と大きいな……

 

「津田ッ!」

 

「えっ? 何、如何したの?」

 

 

 急に萩村が抱きついてきて、俺は一瞬状況が飲み込めなかったが、如何やら雷が怖いらしいな……容姿相応というか何というか……

 

「凄い、大きい……」

 

「七条先輩、何かおかしい感じに聞こえるので、その表情やめてもらっても良いですかね?」

 

 

 右手を口にあて、少し赤らんだ頬でそんな事を言うと、よからぬ事を考える男子がいるかもしれないからな……生徒会室は原則関係者以外立ち入り禁止だけども……

 

「津田君は興奮した?」

 

「いえ、別に」

 

 

 作業が残ってるし、この人のエロボケを一々真に受けていたら精神がもたないしな……

 

「ところで萩村、何時までくっついてるんだ?」

 

「もう大丈夫、ありがとう」

 

 

 萩村が腕から離れたので、俺は作業を再開する。会長から今日中に終わらせるように言われたんだけど、これ期限昨日までなんだよな……さては会長忘れてたな。

 

「何だか熱いわね~」

 

「暖房が効いてますからね。温度下げますか?」

 

「でも津田君はこの温度が良いんでしょ?」

 

「そうですね、あんまり寒いと作業出来ませんし、逆に熱いと寝そうになりますしね」

 

「だから大丈夫。脱げば良いだけだから」

 

「ぬっ!?」

 

 

 萩村が過剰に反応を見せたが、俺もこの人が脱ぐとか言うと身構える。

 

「嫌だな~全部脱ぐ訳無いよ!」

 

「ですよね」

 

 

 さすがの七条先輩も学校で脱ぐ訳無いか……

 

「制服は半脱ぎが相場だよ!」

 

「やっぱ駄目だこの人……」

 

 

 しょうがないから無視をする事にした。だって今日中に終わらせなければいけない仕事がまだ残ってるんだから……エロボケに付き合ってる暇は無いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 休日になり、俺はコトミをつれて萩村の家に来ていた。理由はコトミの家庭教師。俺の胃痛を気にしてくれて萩村が手伝ってくれる事になったのだ。

 

「お願いします!」

 

「ん」

 

「ちなみに、私は褒められると伸びます!」

 

 

 ……そうだっけ? いくら褒めても成績は伸びなかったような気がするんだが……

 

「そして、罵倒されると興奮します!」

 

「どっちもしない」

 

「ゴメン萩村、これがコイツなんだ……無視して良いから」

 

 

 残念な妹を任せるのは心苦しいけど、せっかくの好意を無碍にするのも悪いから連れて来たけど、早速後悔してるよ……

 

「とりあえず数学から行くわよ」

 

「はーい」

 

 

 コトミの勉強を萩村に任せてる間、俺は畑さんに頼まれているエッセイを書く事にした。何で毎月掲載なんだろうな……

 

「――というわけ。分かった?」

 

「はい! 教え方上手ですよね」

 

「そう?」

 

 

 暫く集中していたら萩村の説明を聞いて納得してるコトミの声が聞こえてきた。いかんな、集中すると周りの音が入ってこないんだよな……

 

「ここも教えてください、スズ先輩」

 

「………」

 

「萩村、クリスマスの時も思ったけど、何だか嬉しそうだね」

 

「そ、そんな事ないわよ! 年上っぽいなんて思って無いんだから!」

 

 

 語るに落ちてるよ……そんなに先輩呼びが嬉しいんだろうか……

 

「タカ兄は何してるの?」

 

「新聞部の手伝いでエッセイを書いてるんだ」

 

「ふ~ん……読んで良い?」

 

「まだ途中だぞ?」

 

「息抜きだよ~」

 

 

 時計を見ると勉強を開始してから一時間も経ってない……ホントコトミの集中力は持続しないな……

 

「ふむふむ……タカ兄!」

 

「な、何だよ?」

 

 

 エッセイを読んでいたコトミが、いきなり大声を出した。萩村がビックリしてるじゃないか。

 

「タカ兄ってこんな才能まであるの!? 何で私には何にも才能が無いの!」

 

「いや、俺に言われても……」

 

 

 そもそも俺は文才があるとは思って無かったんだが……連載を始めてから少し自信を持つ事が出来てるけども……

 

「みんな~ご飯食べてってね~」

 

「あっ、スミマセン」

 

「美味しそ~」

 

 

 萩村のお母さんが差し入れを持ってきてくれた。そうか、もう昼時か……

 

「これ美味し~」

 

「お袋の味って感じですね」

 

「でも津田だって料理するんでしょ?」

 

「俺のは普通に作ってるだけだから」

 

「え~でもタカ兄のご飯も美味しいよ?」

 

「でも、やっぱり主婦の方には負けるよ。年季が違うから」

 

「よかった。隠し味で入れた母乳が利いてるのね」

 

「「!?」」

 

「えっ、スズ先輩のお母さん母乳出るんですか?」

 

 

 コトミが変な事に食いついて、結局その後は勉強にならなかった……萩村には悪い事をしたな……今度埋め合わせしとこう。




雷ネタは映像ないしは絵がほしいです……字だけじゃ難しい……

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