桜才学園での生活   作:猫林13世

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原作ではムチ打たれてるタカトシですが、ここでは違いますからね


周りからの評価

 入試が終わり、私たちの定期試験も終わって生徒会室でくつろいでいると、急に机が揺れ始めた。

 

「地震か!」

 

「机の下に避難を!」

 

 

 それほど大きい揺れではなかったが、万が一って事もあるので私たちは机の下に避難した。

 

「収まったか」

 

「そのようですね」

 

「地震は怖いからな」

 

「それは全員では?」

 

 

 自然災害は如何頑張っても防ぎようは無いし、備えがあったとしても急に襲われたらそれもあまり役に立たないでしょうしね。

 

「子供の頃、鉄棒に跨ってた時に地震に教われてな。あれは食い込んで痛かった……」

 

「待って、なんで跨ってたの?」

 

 

 鉄棒に跨らなければいけない状況が理解出来ない……

 

「シノちゃん、そろそろ見回りに行く時間だよ?」

 

「そうだったな」

 

「……何で二人は机の下に居るんですか?」

 

 

 どうやら津田はさっきの地震には気付いて無いようね……それだけ小さかったという事なのかしら……

 

「って、誰が小さいって!」

 

「何?」

 

「あっ……何でもないわ」

 

「?」

 

 

 最近自分のモノローグにまで反応してしまう……気にしすぎよね。

 

「さて、見回りに出かけるぞ!」

 

「おー!」

 

 

 会長と七条先輩が妙にやる気なのが気になったけども、とりあえず見回りに行きましょう。

 

「ロボット研究会……この間轟さんが申請してきたやつか」

 

「「こんなのあったんだー」」

 

「……会長が認印を押したんですよね?」

 

 

 津田がツッコミをしてくれるので、私は精神を落ち着ける事に集中する。やっぱり津田は精神的支えよね。

 

「あれ、スズちゃん?」

 

「ネネ」

 

「何だ、萩村の友人か?」

 

「はい、轟ネネさんです」

 

「皆さんの噂は聞いてますよ。副会長が会長と書記の人を調教してるって」

 

 

 あれ? 津田ってそんな事してたっけ……

 

「津田君、もっと調教して~」

 

「うむ! 津田に調教されるのは悪く無いからな!」

 

「してねぇからな!」

 

 

 よかった。私の勘違いじゃなかったわね。それにしても、外からはそう見えるのね……多分畑さんが誇張して噂を広めてるんでしょうけども。

 

「ねぇねぇ、これもロボットの部品なの?」

 

「いえ、それは私物です。そもそもこのロボ研を作ったのも、もっと強い刺激がほしかったからでして」

 

「そうなんだ~。いいもの出来たら私にも試させてね?」

 

「はい! 七条先輩は尊敬出来る先輩ですから!」

 

「もしかして貴女も?」

 

「はい! 常に挿れてます!」

 

「……萩村の友達?」

 

「アンタの妹も大概よね……」

 

 

 津田は私とネネの関係を疑い、私は津田とコトミちゃんの血の繋がりを疑った……そして同時に恥ずかしくなり視線を逸らせた。

 

「ところで、貴方が津田君だよね? あのエッセイの作者で学年二位の成績の」

 

「そうだけど……何か?」

 

「体育祭や集会で遠目で見た事はあったけども、やっぱり近くで見ると皆が騒いでるのも分かる気がする」

 

「皆? 騒ぐって?」

 

 

 どうやら津田は自分の人気を自覚してないらしい……いや、あれだけチョコをもらったんだから自覚はしてるんだろうけども、あの中に幾つ本命が混じってたなどには興味が無かったんだろうな。

 

「文武両道でツッコミ上手のドS副会長は凄くカッコいいって!」

 

「ツッコミ上手のドS副会長……」

 

 

 前後に褒め言葉があったのに、津田が反応したのはそこだった……でも確かに津田はドSでツッコミ上手よね……

 

「津田、そろそろ見回りを再開するぞ」

 

「そうですね……」

 

 

 よほど精神的にダメージを負ったのか、その後の津田のツッコミには何時ものキレが無かった……それでも的確にツッコム辺りさすがよね……私も見習わなきゃ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一年最後の試験の結果が貼りだされる日、俺は何となく柳本を見た。コイツは二学期に補習喰らってるし、下手すれば留年するんじゃないかってくらいの酷さだ。まぁ三葉も酷いだけど部活補整があるし……

 

「津田ー結果見に行こうぜ!」

 

「毎回思うんだけど、柳本って見に行く理由あるの?」

 

「何だよ! 奇跡が起こるかもしれないだろ!」

 

「はいはい……テスト終わってすぐに人に泣きついてきたやつが起こす奇跡って、赤点回避だろ?」

 

「進級出来れば良いんだよ! 補習にならなければ問題無い!」

 

「補習になっても面倒は見ないからな!」

 

「そこを何とか、タカトシ様!」

 

「止めろ気持ち悪い」

 

 

 男に縋りつかれて喜ぶ趣味は持ち合わせていない。そもそも自分が悪いから補習になるんだろうが……人に泣きつく暇があるなら少しでも勉強すれば良いのに……他人事じゃないんだけどな……コトミがそうだったし。

 

「毎回凄い人ね」

 

「萩村も結果を見に来たの?」

 

「前回は張り合いが無かったからね。今回は期待してるわよ」

 

「終わってから言わないでよ」

 

 

 確かに二学期末のテストはコトミに勉強を教えてた影響で普段より点数が低かったからな。今回は萩村のトップを脅かすくらいは採れただろうか……

 

「あっ、柳本の名前……」

 

「何!?」

 

 

 人だかりの出来ていない場所に貼りだされた一枚の紙。それは赤点補習者の名前が書かれた紙だった……

 

「ノー!?」

 

「頑張れよ……」

 

「アンタの友達って、馬鹿なの?」

 

「多分そうなんじゃないかな?」

 

 

 補習で見切りをつけられたら留年って事だよな? とりあえず来年も同級生で居られるように祈っておこう。

 

「漸く見えるわね」

 

「上位二十人しか載らないのに、何でこんなに混雑するんだろうね?」

 

 

 此処に名前が載ってないとある事無い事噂を流されるのは生徒会役員だけなのに……だから俺と萩村は毎回確認しにくるんだけどね。

 

「今回も萩村がトップか」

 

「まぁ当然ね。でもアンタも前回より良い点数じゃない」

 

「まぁ心配事が片付いたからね」

 

 

 貼りだされた順位を見て、萩村としみじみ話す。結果はこんな感じだった。

 

 

 一位 萩村スズ 800点

 二位 津田タカトシ 785点

 三位 轟ネネ 733点

 

 

「もうこの三人が不動よねー」

 

「前回は津田君が調子悪かったけど、やっぱり二位だったしねー」

 

 

 同級生たちの話を聞きながら、不動でも構わないけど萩村に勝ってみたいなと思った。ちなみに二年の結果はこんな感じだ。

 

 

 一位 天草シノ 790点

 二位 七条アリア 785点

 三位 五十嵐カエデ 750点

 

 

 こっちは完全に不動だなと思う。でも会長も七条先輩も凄い点数だよな……三位の五十嵐さんがトップでもおかしく無い点数なのに……

 

「津田君、私と点数一緒だね」

 

「言われてみればそうですね」

 

「頑張った津田君にご褒美あげる。はい!」

 

「? 何ですかこれ?」

 

「私の使用済みタン○ン!」

 

「いらねぇよ!」

 

 

 速攻でゴミ箱に投げ捨て、七条先輩に説教をする。あぁ、こういう事するからドSとか言われるんだろうな……




今回もアリアのジョークが重いぜ……

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