桜才学園での生活   作:猫林13世

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前回入りきらなかったので……


生徒会役員共の幼少期

 生徒会室で作業していると、畑さんがやってきた。相変わらず神出鬼没な彼女だが、生徒会室に入ってくる時は必ずノックをするのだ。常識があるのか無いのか分からない人だな……

 

「次回桜才新聞に載せる生徒会役員の幼少期の写真が欲しいので、明日もって来てくれませんかね?」

 

「何故に幼少期……」

 

「私、明日法事で来られないのですが」

 

「じゃあ今撮る?」

 

「先輩だけど張り倒す!!」

 

 

 畑さんに殴りかかりそうになった萩村を抑える。この人やっぱり常識無いな。

 

「それじゃあ萩村さんは明後日でもいいわよ」

 

「フー! 分かりました」

 

 

 威嚇しながらも萩村が返事をする。こっちはこっちでめんどくさいな……

 翌日生徒会室で会長と七条先輩の幼少期の写真を見た。

 

「アリアは小さい頃から可愛かったんだな」

 

「そんな事ないよ~。小さい頃は純粋だったとは思うけどね」

 

「そうなんですか」

 

 

 今自分が純粋じゃないって自覚あったんですね……自覚あるなら改善してもらいたいんですが……

 

「うん! ア○ルセッ○スしたらお尻から子供が生まれてくると思ってたくらいに」

 

「それって純粋なの?」

 

 

 既にこの頃から今の片鱗を見せていたのかと思うと、この表情も純粋な笑顔には見えなくなってしまった……俺が歪んでるのか?

 

「これが津田君の子供の時の写真?」

 

「ええ」

 

「見ても良いか?」

 

「良いですよ」

 

 

 自分だけ見せないなんて失礼な事は出来ないし、別に見られても問題は無いしな。

 

「津田君って、昔からカッコよかったんだね~」

 

「これはモテただろうな」

 

「そんな事無いですよ」

 

「や!」

 

 

 写真を回収しに来たのか、畑さんが扉から顔を覗かせている。今日はノックじゃなくてガラス越しに挨拶なのか……

 

「どの写真を使っていいですか?」

 

「私はどれでも構わんぞ」

 

「私も~」

 

「俺も大丈夫です」

 

「じゃあこれとこれとこれで」

 

 

 畑さんはさっさと写真を選ぶと、そのまま帰っていった。あの人何がしたいんだろう……

 

「でも津田君って昔からコトミちゃんと仲良いんだね~」

 

「何です急に?」

 

「だってほら~裸のコトミちゃんが津田君にくっついてるでしょ?」

 

「子供の頃なんてそんなものですよ」

 

 

 むしろ今は少し兄離れしてくれないかと思ってるんですから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 法事で休んだけど、既に授業は終わってるので特に問題は無かったわね。

 

「みんな、おはよー」

 

「七条先輩、今日は車なんですね」

 

「珍しく寝坊しちゃってね~」

 

「おはようございます」

 

 

 七条家専属メイドの出島さんが私たちに挨拶してきた。

 

「出島さん、運転も出来たんですね」

 

「これでもゴールドですので」

 

「そうなんですか」

 

「はい。でも、バックで入れるのは苦手なんですよね」

 

「あー多いみたいですよね、そういう人」

 

 

 津田が出島さんと会話してるので、私と七条先輩はそれを見守る。この人のボケも、津田なら何とか処理出来るでしょうしね。

 

「やっぱり生身と車では勝手が違いますからね」

 

「うん違うね。この会話自体が」

 

 

 津田のツッコミのバリエーションはホントに豊富よね……

 

「それではお嬢様、私はこれで。また後でお迎えにあがります」

 

「はーい。お願いね~」

 

 

 出島さんが帰っていくのを、私たちは見送った。それにしても、あの人はホントに優秀なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シノちゃんと一緒に食堂に行くと、そこにはカエデちゃんが居た。

 

「五十嵐も今日は食堂なんだな」

 

「ええ。部活がありますし、お弁当作る時間が無かったもので」

 

「あれ? カエデちゃんキノコ苦手なの?」

 

 

 よく見るとカエデちゃんのお皿には、脇に避けられたキノコが置かれている。

 

「え、えぇ実は……」

 

「そうか、君は男性恐怖症だったもんな」

 

「なら仕方ないよね~」

 

「? 男性恐怖症とキノコ嫌いにどんな関係が?」

 

 

 割と本気で分かってないカエデちゃん。自分の苦手なものなのに、その原因が分かってないなんて駄目だな~。

 

「だってほら、キノコって男性器を想像させるじゃない?」

 

「そんな繋がりは思ってもみませんでしたよ……」

 

「なら今度津田のキノコでも見せてもらうか!」

 

「そんな事認められるわけありません! そもそも津田君に怒られますよ!」

 

「そんな事言って~、カエデちゃんも興味あるんでしょ~?」

 

 

 だって反応があからさまだったし。やっぱり津田君は競争率高いな~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 畑さんから頼まれた追加のエッセイを今日中に上げなくてはいけなくなった。でも今日言われていきなりってのも厳しいよな……

 

「如何するか……」

 

 

 さすがにすぐネタが出てくるものでも無いし、今日中に上げるって言っても、クオリティーを下げたら怒られるだろうしな……

 

「あの皆さん……気が散るんで見つめるの止めてもらってもいいですかね?」

 

 

 背後から見守ってくれている会長たちに気を取られて集中出来なかったのだ。とりあえず黙って見られてると気が散るんだよな……これで集中出来るかな?

 

「如何する?」

 

「だったらヤンデレ風に見守ろう!」

 

 

 そう言って会長たちが廊下に出て行くと、扉の隙間から覗いてきた。

 

「コワッ! 怖いから止めてください!!」

 

「え~せっかくヤンデレ風に見守ってあげたのに~」

 

「余計に気が散りますよ……」

 

「じゃあ如何すればいいんだ!」

 

「意識してくれなくて良いですよ。普段通りに過ごして下さい」

 

 

 会長たちを宥め、俺はエッセイを書き始める。家ならコトミさえ抑えれば問題無いんだけども、ここだと会長と七条先輩の二人だからな……

 

「や!」

 

「畑、如何した?」

 

「いえ、完成したかなと思いまして」

 

「三十分では無理です……」

 

 

 漸くネタが思いついたばかりなのに、いくらなんでも早すぎるぞ……

 

「では此処で待たせてもらいますね」

 

「急かさないでくださいよ……」

 

 

 畑さんに見守られながら、俺は何とかエッセイを完成させる事が出来た。

 

「では早速エッセイのみの新聞を完成させます」

 

「えっ? 幼少期の写真は?」

 

「あ、それももちろん載せますので」

 

 

 あの人、いったい何が目的なんだ……後日発行された桜才新聞は、一部では高値がつけられたと噂されるくらいの人気だったとか……

 

「津田君、来年度もよろしく!」

 

「アンタ、利益を全て自分の財布に入れてねぇだろうな」

 

 

 新聞の販売は学園公認だから、俺がどうこう出来ないけど、利益を独り占めしてるなら考え物だからな。

 

「ご安心を! 利益の二割は学園に寄付、五割は部費に当ててますので!」

 

「……残りの三割は?」

 

「オホホホホ」

 

「何誤魔化した!」

 

 

 今度徹底的に調べる必要がありそうだな……てか、エッセイと生徒会役員の幼少期の写真が載ってるだけの新聞が売れるんだな……かなり意外だったぞ……




ジッと見られるのもプレッシャー掛かるでしょうに……

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