桜才学園での生活   作:猫林13世

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擬似プレイ

 学年末のテストも終わって、後は終了式まで朝練し放題! みんなで頑張って強くなるんだ!

 

「あれ? ムツミアンタ今日日直じゃなかったけ?」

 

「そういえばそんな事昨日言ってたよね」

 

「そうだった……」

 

 

 せっかく朝練で強くなれるチャンスが増えたのに、何で日直なんて面倒な事しなくちゃいけないんだろう……

 

「あ~あ、私だけ練習時間減っちゃったよ」

 

 

 文句を言いながら職員室に日誌を取りにいく。大体高校生にまでなって日直なんて必要なのかな。

 

「おはよう三葉、今日は俺と日直だな」

 

「うん、頑張ろう!」  

 

 

 練習時間は減っちゃったけども、タカトシ君と一緒に居られる時間が増えたのなら別に良いかな。練習は何時でも出来るもんね。

 

「ところで前から思ってたんだけど、黒板って何で朝から汚いんだ?」

 

「確かに……!」

 

 

 タカトシ君に近付こうと思ったけども、自分の身体がもの凄い汗臭い事に気が付いた。そうだ、朝練の後急いでてシャワー浴びるの忘れてたんだ……

 

「どうかしたのか?」

 

「いや、さっきまで練習でさ……ちょっと汗臭いかもしれないから」

 

「別に気にしないが」

 

 

 そういってタカトシ君は何事も無いかのように黒板掃除を続ける。そういえば前に七条先輩が言ってたっけ。

 

「タカトシ君ってクサフェチってヤツなんだね!」

 

「今度は誰に入れ知恵された……」

 

 

 丁度朝補習を終えた柳本君が教室に入ってきて、気まずそうに視線をさまよわせていた。何かあったのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒会室で作業していたら横島先生がやって来た。この人は生徒会室に来ても何もしないからな……この前なんか津田の幼少期の写真を見て興奮して鼻血を出してぶっ倒れたからな……わざわざ生徒会室で鼻血を出す理由が私には分からなかった……

 

「この間妹の子が遊びに来てさ。写真撮っちった」

 

「見せてもらえます?」

 

 

 横島先生の携帯に保存されている写真をアリアと見る。これは可愛らしい男の子だな。

 

「アイドル顔ですね」

 

「将来有望だね~」

 

 

 何処と無く幼少期の津田に似ているような気がして、私は無意識に津田に視線を向ける。この子が津田のようになるのか……

 

「な~に言ってるの。食べごろは今でしょ!」

 

「先生とは一度話し合う必要がありそうですね」

 

 

 危険を察知したのか、横島先生は何時もの如く居なくなった。相変わらず逃げ足だけは立派なモノを持ってるな。

 

「時に津田よ。さっきから肩を回したり首を揉んだりしてるが、もしかして固まってるんじゃないか?」

 

「まぁこの前まではコトミの相手で身体に負荷かけすぎてましたからね。今頃になってまとめて疲れが出てきまして」

 

「ストレッチでもしたらどうだ?」

 

 

 津田なら今更な気がするだろうけど、身体が固まった時にはストレッチが非常に有効だ。

 

「これが終わったらしますよ」

 

「そうだな! それに君はストレッチを習慣でやったほうが良いんじゃないか?」

 

「何故です?」

 

「ストレッチを続ければ身体が柔軟になり、いろいろな体位を楽しむ事が出来るだろ!」

 

 

 決まった。これは津田も感動して今すぐストレッチをするに違い無い!

 

「萩村、この書類って期限何時までだっけ?」

 

「えっとね……」

 

「あ、あれ?」

 

 

 私の発言を無かったものとして扱っているのか、津田は萩村と仕事の話を始めてしまった。

 

「萩村、後ろ!」

 

「え? ……あぁ、ごめんなさい七条先輩。携帯にお茶をこぼしてしまって……」

 

 

 津田との話しに集中していたのか、萩村が湯飲み茶碗をひっくり返し中身をアリアの携帯にぶちまけた。

 

「大丈夫だよ。これ防水タイプの携帯だから」

 

 

 萩村を安心させるように、アリアが携帯を開いて壊れてない事をアピールした。だが私や萩村が気になったのは別の箇所だった。

 

「七条先輩、何故待ちうけが津田の幼少期の写真だったんですか?」

 

「そこのところ詳しく説明してくれ」

 

「ん~? この写真が待ち受けになってる携帯をあそこに挿入してバイブ代わりにしてるんだよ! 気分は津田君と合体!!」

 

「なるほどな!」

 

「なるほどな! じゃねぇ!!」

 

 

 津田にツッコまれてアリアも私もビックリする。まさかノリツッコミまでしてくるとは思わなかったのだ。

 

「とりあえず萩村、七条先輩は気にしてないみたいだから良かったな」

 

「そうね……でもあの写真何処で手に入れたのかしら?」

 

「そう言われれば……アリア、白状しろ! それは何処で手に入れたんだ!」

 

「ん~? 畑さんが五万円で待ち受け画面に設定してくれるオプション付きで売ってたんだよ~」

 

「またあの人か! しかも五万ってボッタくりだろうが……」

 

 

 津田はそっちに驚いたようだが、私と萩村は別の箇所が気になった。

 

「それはまだ売ってるのか!?」

 

「如何だろう~。新聞発行と同時にやってたから、もう無いんじゃないかな~?」

 

「そんな!?」

 

「萩村、何でお前まで……」

 

 

 津田の視線が萩村に突き刺さり、萩村はゆっくりと視線を津田から逸らしていくのだった。そうか、萩村も携帯バイブで自家発電を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒会室でいろいろあったのか、タカトシ君はもの凄く疲れている。やっぱり生徒会って大変なんだな~って思うけども、それほど疲れるくらい仕事が来るって事は信頼されてるんだね!

 

「さてと、そろそろ帰るか」

 

「そうだね。もう外も暗くなってきてるしね」

 

 

 結局今日はあんまり部活出来なかったけども、タカトシ君と一緒にいられたから良いかなって思える。やっぱりタカトシ君と一緒に居ると楽しいしね。

 

「それじゃあ三葉、日誌を職員室に持っていったら家まで送るよ。最近何かと物騒だし、いくら三葉が強いといっても一人で帰らすわけにはいかないからな」

 

「大丈夫だよ! 暴漢があわられても私がタカトシ君を守ってあげるから!」

 

「いや、俺を襲うような物好きはいないだろ……それに守ってもらうほど俺も弱くは無いつもりなんだけど……」

 

 

 なんだかガックリしちゃったけど、何かあったのかな?

 

「津田ー帰ろうぜー!」

 

「お前はまだ補習じゃないのか?」

 

「少しくらいサボっても問題無いだろ」

 

「……来年は妹と同級生になるのか。妹と仲良くしてやってくれよな」

 

「それじゃあタカトシ君。俺は補習だけど気をつけて帰るんだぞ!」

 

 

 もの凄い勢いでピンとした柳本君は、来た道を戻って行った。やっぱりタカトシ君の脅し文句は怖いんだね!




原作二巻が終わりました。次からはサザエさん時空に突入ですね。

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