桜才学園での生活   作:猫林13世

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場所は相変わらずです


コトミにインタビュー

 生徒会の仕事が一段落し、会長と廊下を歩いていたら急に肩を回し始めた。

 

「最近身体が鈍ってるな。少し動かしたい」

 

「会長はアウトドア派ですか?」

 

「まぁ運動は好きだな」

 

 

 意外だな……てっきりインドアだと思ってた会長だが、運動は好きだったんだな。

 

「ちなみにどんな運動が好きなんですか?」

 

 

 陸上競技や球技以外にもあるだろうし、会長は何をやってもある程度の成績は残せるだけのポテンシャルはあるだろうしな。

 

「ピストン運動」

 

「全てがおかしい」

 

 

 何故よりにもよってそれをチョイスしたんだろうか……

 

「そういえば生徒会室の時計が調子悪かったんだったな。ロボ研に持っていって修理してもらおう」

 

「そうですね……」

 

 

 あの会話からよく時計の事思い出したな……連想するには程遠い内容だったと思うんだが。

 

「轟、居るか?」

 

「はい? あっ、会長」

 

「萩村。お前も入部してたのか?」

 

「いえ、ちょっと遊びに来てただけです」

 

 

 ロボ研の部室を訪ねたら萩村が出てきたのでこのような会話が繰り広げられた。そういえば萩村は轟さんと仲が良かったんだっけ。

 

「それで会長、何か御用でしょうか?」

 

「あぁ、生徒会室の時計の調子が悪くてな。直してもらえないかと思って」

 

「じゃあ見せてください」

 

 

 轟さんが時計を診断してる間俺はロボ研の部室を見渡した。この前の勧誘で部員増したらしいから正式な部活になったんだよな。

 

「はい、直りましたよ」

 

「おぉ! 早いな」

 

「轟さんって機械弄り好きなんだね」

 

「えへへ、相思相愛かな」

 

「はっ?」

 

 

 何故その言葉がこの会話で出てくるんだろう……

 

「私も良く機械に弄ってもらってるから」

 

「なんて屈託の無い笑顔」

 

 

 ツッコミたかったけどあの表情で言われたらしょうがないと思ってしまうのは何故なんだろうか……

 

「では津田、この時計を生徒会室まで持って行ってくれ。私は見回りに行くから」

 

「分かりました。萩村は如何する?」

 

「私も生徒会室に行くわ」

 

「そっか。じゃあ一緒に行こう」

 

 

 萩村と二人で生徒会室に向かう途中で、後輩から挨拶をされた。向こうは俺の事知ってるようだったけど、中学の後輩だったっけ? それともコトミの新しい友達?

 そんな事を考えながら生徒会室に入ると、七条先輩が突っ立っていた。

 

「如何かしたんですか?」

 

「畑さんとコトミちゃんが……」

 

「ん? 何で居るのアンタら」

 

 

 七条先輩の席と俺の席に畑さんとコトミが座っていた。ホントなんで居るの?

 

「新世代の思春期娘にして津田副会長の妹さんに独占インタビューをと思いまして」

 

「それ生徒会室でやる意味無いよね?」

 

「まぁまぁタカ兄。細かい事は気にしないのが良いよ!」

 

「全然細かく無いだろ……大体お前は」

 

「津田君? 小言ばっかり言ってると年寄りくさいわよ?」

 

「七条先輩まで……」

 

 

 大体生徒会の仕事は一段落しただけでまだ終わってないんだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タカ兄が静かになったところで、畑先輩のインタビューが始まった。何だかドキドキしてパンツが濡れそうだよー。

 

「聞くところによると、兄妹の仲はよろしいようですね」

 

「そうですね。昔は何をするにも一緒でしたから」

 

「なるほど……何時も一緒だったのですね」

 

「幅広く受け止めすぎだろぃ」

 

 

 タカ兄が畑先輩のメモを覗きこんでそのメモを回収した。何が書かれてるのか気になって私も見てみると、お風呂やトイレ、それにオ○ニーと書かれていた。

 

「駄目ですよ畑先輩。タカ兄は最高のおかずですが、目の前で絶頂を迎えるのはさすがに恥ずかしいですって」

 

「なるほど……津田副会長はオ○ペット」

 

「他の人だってタカ兄で慰めてる人は居るはずですよね? 面接の時に先生がそんな事を言ってましたし」

 

「横島先生ですよね? あの人は別にスクープにならないので」

 

 

 まだ詳しく調べた訳じゃないけど、タカ兄を好きな人はかなりこの学園に居ると思うんだけどな。少なくとも会長や七条先輩、スズ先輩はタカ兄の事好きだろうし。英稜の魚見会長や森さんもタカ兄の事意識してるようだったしね。

 

「でも私もタカ兄さんの事を理解してますよ」

 

「そうなんですか?」

 

「はい。彼は七条さんと話す時、十回中八回は胸を見ています」

 

「それじゃあ私だって……タカ兄は右の乳首より左の方が感度良いですよ!」

 

 

 とっておきの情報だったけども、私以上にタカ兄の事を理解してる人なんていないんだという事を証明する為には仕方なかったんだ。でもこれで私がタカ兄の一番だって証明……あれ?

 

「タカ兄。何でそんな怖い顔してるの?」

 

「理由はお前たちが一番理解してるんじゃないのか? よくもまぁ無い事でそれだけ盛り上がれるな貴様らは」

 

「えっと……慈悲は?」

 

「ある訳無いでしょうが」

 

 

 目の前で畑先輩が粛清され、タカ兄がゆっくりと私に視線をズラした。普段ならタカ兄に見られるだけで興奮するのに、今は何故か興奮せずに震えている……あの威圧感は人間のものでは無いな。

 

「貴様、人間では無いな」

 

「厨二禁止!」

 

「クッ、この威圧感はやはり……」

 

 

 そのまま私も粛清され意識を失った。我が兄ながら素晴らしい拳骨だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 津田君が二人を粛清してるのを見ながら、私はさっき畑さんが言ってた事が気になっていた。津田君は私の胸に興味があるのかな?

 

「七条先輩、津田を見て何を考えてるんですか?」

 

「さっきの畑さんの言ってた事が本当なら、生で見せてあげたいなーって」

 

「不純異性交遊に当たりますので止めてください」

 

「でも、校内じゃなければ良いんでしょ? 私の部屋とかなら津田君に見せても校内恋愛にはならないよー」

 

「それは……」

 

 

 スズちゃんを論破したところで後は津田君の気持ちよね。もし本当なら今すぐにでも出島さんに電話して迎えに来てもらわなきゃ。

 

「津田君」

 

「はい? 何かありましたか?」

 

 

 まぁあったと言えばあったよね。目の前で二人が意識を失って倒れてるんだから。でもそんな瑣末事は置いておいてっと。

 

「さっき畑さんが言ってた事なんだけど、津田君は興味あるの?」

 

「は?」

 

「だから、私の胸に興味があるのかなーって」

 

 

 津田君の返事次第では、私の身体は綺麗じゃなくなっちゃうのかしら。そのまま純潔を散らして津田君に物にされちゃうのかな?

 

「さっきも言いましたがあの人の妄言です。そんな事より仕事しますよ、仕事。まだ大量に残ってるんですらか」

 

 

 あっさりと流されてしまったけども、ちょっと安心したのは何で何だろう。まだ私には覚悟が足りないって事なのかな?

 

「スマン、遅れた……? 畑とコトミは何故床で寝てるのだ?」

 

 

 シノちゃんが見回りから戻ってきて二人の姿を確認して驚いたけども、その後は普通に生徒会業務をこなして下校時間になった。二人は最後まで意識を取り戻す事は無かったんだけどね。




こんな妹は嫌だ……

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