桜才学園での生活   作:猫林13世

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久しぶりに更新します


呼び出し方法

生徒会に入って、早くも一月が経とうとしているある日、

 

「本当に可愛かったんだって!」

 

「あっそ……」

 

 

相変わらずの日常を過ごしていた。

クラスメイトとダベリながら休み時間を過ごす。

男子が少ないので、自ずと仲良くなった柳本ケンジ。

女性に対して拘る変人だ。

 

「何でお前は冷めてるんだよ!」

 

「お前が熱過ぎるんじゃ無いのか?」

 

「本当に可愛かったんだって!!」

 

「そうなんだ…」

 

 

如何やら昨日見た女の子が可愛かったらしいのだが、正直如何でも良い。

 

「顔も可愛かったが、髪をツインにして、服の上からでも分かる巨乳!あれはAAランクだったぜ!」

 

「ふ~ん…興奮するのは良いが、出来れば俺から離れてくれますか?」

 

「何で他人行儀なんだよ!?」

 

「いや、お前と一緒に思われたくないからな」

 

 

周りは女子だらけなのだ。

そんな大声で話していれば、注目されるのも無理は無い。

 

「そう言えば、何処と無くお前に似てたような……」

 

「俺に?」

 

 

もしかしてコトミの事だろうか?

コイツが何処でコトミを見たのかはしらないが、妹がコイツの毒牙にかからないようにしておかなくては…決してシスコンでは無いが、妹がこんなヤツにかどわかされるのは勘弁してほしいからな。

 

「1年A組津田タカトシ君、至急生徒会室へ来てください」

 

「タカトシ君、呼ばれてるよ」

 

「そうだな…」

 

 

何故校内放送で呼び出すんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会長、わざわざ校内放送使って呼び出さないでくださいよ」

 

「じゃあ如何しろと言うのだ?わざわざ教室まで呼びに行けと言うのか?」

 

「校内放送するよりは楽でしょ。その場で用件も言えますし」

 

「生徒会の用を他の生徒に聞かせる訳にはいかない!」

 

「なら昨日言ってくれればよかったじゃないですか」

 

「今朝思い出したのだ!」

 

「はぁ……」

 

 

こう言った時、携帯の校内使用禁止って校則は面倒だよな…

 

「なら今度からは君の下駄箱に手紙を入れておこう」

 

「誤解されそうなので、別の案でお願いします」

 

「それじゃあこのピンク○ーターを!」

 

「何のイジメですか!!」

 

「兎に角、昼休みに生徒会室に来るように!」

 

「はぁ…」

 

 

それだけなら教室に来たほうが早いでしょうが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼休み。

生徒会室には既に俺以外の役員が揃っていた。

 

「遅かったわね?」

 

「お茶買いに行ってたから、皆さんもどうぞ」

 

「おお、済まないな」

 

「津田くん、ありがとね」

 

「アンタにしては気が聞くわね」

 

「アハハ…」

 

 

最後の一言が余計だったが、此処は良しとしよう。

 

「それで会長、何の用で生徒会室に呼んだんですか?」

 

「ああ。来週の高総体の事でな。行事があると忙しくなるからこうして昼休みも使う事にしたんだ。まったく祭りがあると大変だな…」

 

「俺は祭り、好きですけどね」

 

 

授業は無くなるし……

別に問題なく付いて行けているが、やっぱり勉強は好きじゃ無いのだ。

 

「会長は学園のイベントで好きなものは無いんですか?」

 

「う~む……」

 

 

そんな考え込むほどの質問じゃ無いんですが…

 

「学校を遅刻しまいと走って、曲がり角で運命の人とごっつんこ」

 

「パンを咥えてが抜けてるわよ」

 

「怪我しますよ!」

 

「萩村、そのツッコミは適切ではない……」

 

 

恐らくギャルゲーのイベントなんだろうが、良く分からないのでスルーした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、この近くに雉が居るんですよね?」

 

「そうね」

 

「小中学校では学校で動物飼ってましたけど、さすがに高校じゃ居ませんね」

 

「私としてはありがたいわね」

 

「何で?」

 

「動物嫌いだから」

 

「へぇ~…」

 

 

萩村、動物嫌いなんだ……

 

「も~う!スズちゃんはツンデレなんだから~!」

 

「何故そうなるんですか?」

 

 

今の話題の何処にツンがあった?

 

「良く動物がプリントされてるパンツはいてるじゃない?」

 

「その口閉じろーーーーー!」

 

 

……聞かなかった事にしよう。

それが一番安全だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼休み。

再び生徒会室に集まって企画を考えながら昼食をとる。

 

「会長の弁当は自分で作ってるんですか?」

 

「ああ」

 

「本当に何でも出来るんですね」

 

 

弁当を作るのが面倒で、ウチの親は冷凍食品や昨日の余りモノを入れている。

 

「そうだな、口だけの安い女になりたくないからな」

 

「そう言うものですか」

 

「だが、お高くとまっても鼻について嫌な感じだから、と言うわけで手ごろな女を目指している」

 

「結局安っぽくなってますよ……」

 

「ねえねえシノちゃん」

 

「何だ、アリア」

 

「鼻につくって、何だかエロスじゃない?」

 

「そうだな!」

 

「何故そう思えるんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「萩村の弁当はお母さんの手作り?」

 

「まあね、昨日の残りだけど」

 

「俺も同じだよ。弁当なんて普通はそんなもんだよな」

 

「そうだね~私も昨日の残りだよ」

 

 

七条先輩の箸に挟まれているのはステーキ……それも結構分厚い。

やっぱ金持ちって食ってるものも俺たちとは違うんだな~……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、資料を戻すために会長と職員室に向かう。

 

「会長って何でも完璧にこなしますよね?失敗なんてした事無いんじゃないですか?」

 

「そんな事無いぞ。私だって失敗の1つや2つくらいあるさ」

 

「へぇ~」

 

 

どんな失敗なんだろうか?

もしかして下発言か!?

 

「あれは中学の英語のテストだった」

 

「テスト?」

 

 

テストの失敗って、解答欄をズラして書いてしまうあれか?

 

「鉛筆のスペルがシャーペンに書いてあってな。カンニングをしてしまった戒めとして、空欄で出した」

 

「それって会長悪くないよね!」

 

 

偶然の産物なんだし、回答しても良かったんじゃないだろうか…

そもそも会長は答え分かってるんだし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の生徒会室。

如何やら昨日七条先輩が誰かに付けられてたらしい。

まあ、結局は勘違いだったらしいが…

 

「背後から近づいてくる足音ってドキドキするよね」

 

「そうですね」

 

「アンタもそんな事あるの?」

 

「俺だって部屋でオ○ニーしてる時に近づいてくる足音にはドキドキするさ!」

 

「………」

 

「何考えてるのかしりませんが、俺はそんな事言いませんからね!」

 

「何を言わないのかな~?」

 

「ちゃんと言ってくれなきゃ分からないよ~?」

 

「良く分かりませんが、このやり取りって立ち位置逆じゃないですか!?」

 

 

こうしてまた、無為に昼休みが過ぎていく……




次回あの人が登場。
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