転生したら、ロケット団の首領の娘でした。   作:とんぼがえり。

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多くの高評価、感想、お気に入り。ありがとうございます。
書く栄養にしています。
また誤字報告、大変助かっています。


9.次の舞台へ

 オツキミ山、その麓にあるロケット団の調査拠点。

 設営されたテントに複数人の影、誰も彼もが胸に「R」の文字を刻んだ黒い制服を着た悪い大人達が集まっている。彼らはポケモンマフィアのロケット団、その下っ端。今日も今日とて世界征服の為に、せっせと働き蟻のように働き続ける彼らが、わざわざ山の麓まで足を運ぶことには意味がある。

 此処、オツキミ山には多くの神秘が眠っている。

 この山は人間が生まれる前からポケモンが住んでいたという話があり、この辺りに棲息するピッピとピクシーは、月からやってきたポケモンという説がある。ある特定のポケモンを進化させることができるという夜空のように黒くて不思議な石。通称、月の石が産出されることでも有名だった。

 ロケット団の末端である彼らには、その歴史的浪漫の有用性が分からない。

 しかし、お偉いさんに命令をされたならば、希少なポケモンに古代ポケモンの化石。月の石だって、手に入れてみせる。末端である自分達は詳しい事情を知らなくとも良い、どうやって活用するかはお偉いさんの賢い人が考えてくれる。

 何故ならば、ロケット団の首領であるサカキ様が、我らの期待を裏切ったことはない。

 彼に任せておけば、万事が上手くいくと信じている。

 

 仮に上手くいくことがなかったとしても、此処にいる彼らが自らの首領を裏切ることは決してない。

 何故ならば、それだけの恩を彼らは受けているからである。ロケット団の末端は、そのほとんどがならず者だ。全員が全員、我らが首領に忠誠を誓っている訳ではない。ロケット団の名を借りて、意味もなければ大義もない悪逆非道の限りを尽くす連中もいる。しかし今、此処に居る全ての人間が正規雇用のロケット団員、パートやアルバイトとは訳が違うのである! ロケット団は犯罪組織、利益を得る為に裏から社会を操ることもある。

 しかし、世の中に法に縛られては為しえない事がある。悪にしか出来ない事がある!

 世界征服! それは裏社会から世界を支配する事にある!

 

「ロケット団も随分と規模が大きくなったのは分かる。その為に多額の資金が必要なのも分かる」

 

 設営したテントの中で、珈琲を啜るロケット団の下っ端のひとりが同僚にポツリと零す。

 タマムシシティにあるロケットゲームコーナーはロケット団の大きな資金源になっているが、規模拡大したロケット団の団員全てを賃金を賄える程ではない。ジョウト地方でもゲームコーナーの着工をしているが、それもまだ計画段階。役所からゴミ収集やドブ攫いといった公共事業の参加をさせて貰っているが、あれはあまり金にはならない。やらないよりはまし、といった程度のものである。浮いた金を作るのは、ポケモンの密猟を始めとしたあくどいこと、ヤドンの尻尾は高値で売れる。

 そうやって運営資金を作ってきたのだが、此処、数年でロケット団の運営方針がおかしくなっていた。古代ポケモンの化石もそうだし、月の石もそうだ。確かに高値で取引されるが、注ぎ込んだ資金と労力を回収できる程ではない。

 きちんと対価として回収できるのはピッピくらいなものだ。

 

 ……別にお偉いさんを疑っている訳じゃない。

 それなりに長い時間を所属していたからこそ分かる事がある。末端には知らされないような何かが起こっている、と彼は確信していた。

 まあ、だからといって何かをする訳でもない。彼は今日も今日とて与えられた任務を遂行する。

 それが悪党として、長く生きる為のコツだと彼は理解していた。

 

 

「おい」

 

 ジムリーダー戦を終えた後、颯爽と帰ろうとした私パープルに声を掛けるのは、数日前に私と戦ったツンツン頭の少年だった。

 今日、ジムリーダーに挑戦する他三人は、知り合いだったような気もするが、残る二人とは別行動をしているのか今は一人だけだった。

 なにか用でもあるのだろうか。早くポケモンをポケモンセンターに連れて行きたい。

 とはいえ、彼自身も手間を取らせるつもりはなかったのか、開口一番に用件を切り出して来た。

 

「そのピカチュウの持ち主、今は元気にしているのか?」

「……? ええ、元気にしてるわよ」

「ならいい」

 

 それだけいうとツンツン頭の少年は、さっさとジムから出て行ってしまった。

 イエローと知り合いなのだろうか? ということは、彼女と同じニビシティの出身なのかも知れない。あ、それなら引き取ってもらって……と気付いた時には姿を晦ましてしまっていて、私は大きく溜息を零した。この後、私は観客席にいるイエローを回収して、再びポケモンセンターにポケモンを預けて、明日、イエローにポケモンを返した後にハナダシティに向かう事に決めた。

 なので本日もまた、なあなあ、で一緒の部屋に眠ることになってしまったのだ。

 

 

「グレン島の研究所が破壊されてしまったようです」

 

 トキワシティにある屋敷。その執務室にて、四幹部のランスが我らが首領に報告を入れる。

 グレン島には、屋敷に偽装したポケモン遺伝子に関する研究所が建てられており、古代ポケモンを復活させる研究などを続けていた。とはいえ、これは数多くある研究内容の内のひとつであり、そこまで重要視するような代物でもなかった。ロケット団にとって重要なのは、金儲けになる研究であり、その為に多くの資金を投じて、多くの研究員を引き抜き、時に脅して連れ去るような真似をしてきた。中には非人道的な研究をさせて貰える為、進んでロケット団の研究員として参加する者もいる。

 そんなロケット団の研究部門において、ポケモン遺伝子学が重要視されるようになったのは、今から三年前の事だ。

 

「……ポケモン遺伝子学の権威であるフジ博士がチームから抜けたのが二年前。やはり、彼の協力がなくては思うように研究を進められませんね」

「だが、ポケモン自体は作ることはできたんだろう?」

「それは……ええ、そうですが、しかし、奴は制御の利かない化け物です。あれを制御できるモンスターボールは今、この世界に……」

 

 我らが首領であるサカキは椅子に座ったまま、ペルシアンの頭を撫でた。

 ペルシアンは何も言わず、気持ちよさそうに目を細める。

 暫く、そうした後で、サカキは溜息を零し、ゆっくりと口を開いた。

 

「フジ博士を確保したとして、もう一度研究を再開するのも困難だ」

「……いえ、研究データは残っています。幸い、サンプルも。研究を再開する事も難しくはないかと……」

「時間が足りん。あと数年も残っているのか分からない状況なのだ」

 

 サカキは頭を抱える。決して、娘の前では見せない姿がそこにはあった。

 

「しかし、フジ博士は捕まえる。やれる事はする。改めて研究設備を整える、その為の資金も捻出しなくてはならん」

「現状でも、既に実験を行うために密猟して、繁殖させていたポケモンをゲームコーナーに流しています。これ以上の成果を上げるのは……」

「それは分かっている。だからこそ古代ポケモンを復元させる研究も急がせている」

 

 それもフジ博士の協力が必要だがな、とサカキは歯噛みする。

 

「だが時間が足りん。研究は間に合わないことを前提として、他の計画を進めておかなくてはならない」

「……やっぱり、やるんですね?」

「あれには強大な力を与え過ぎた、暴走する可能性がある事は分かっていた。奴らが秘密裏に開発したモンスターボールの必要性は理解していた」

 

 机の上に広げられた幾つかの写真、その内の一枚には「M」と刻まれた紫色のモンスターボールが映っていた。

 ロケット団は犯罪組織である。時に表舞台に出ることはあっても、基本は裏世界の住人であり、裏から表舞台を操ることをモットーとしている。彼らは決して、テロリストではなかった。あくまでもポケモンマフィアであり、歪であっても今ある社会の一部として根付いた存在だ。

 故にロケット団と社会は共存することができている。

 

「とはいえ、先ずはお話からだ。事は穏便に済ませるに越したことはない」

 

 ロケット団は、常に闇の中に潜んでいる。

 水面下で暗躍している。

 

 

 タマムシジム、その近くにある洋風建築の御屋敷。

 庭園には多種多様で綺麗に整えられた花が植えられており、その一角には珍しい植物を育てる為の植物園が併設されている。

 その庭を一望できるテラスにて、和服を着込んだ御淑やかな少女が紅茶を啜る。

 

「このまま、平穏が続けば良いですね」

 

 着物にエプロン、和洋折衷の姿をした使用人が、屋敷の主である少女に書類を手渡した。それを見て、少女は疲れ切った顔で溜息を零す。

 

「近頃、ロケット団が活発化していますね」

 

 使用人に礼を言って、下がらせる。そしてティーカップに残った紅茶に口を付ける。

 

「世の中が騒がしくなってきました。これが杞憂であれば、良いのですが……」

 

 世にある警察組織は、事件の解決には優秀だが武力に問題があった。彼らには路上で眠るカビゴンも押し退けることもできない。そういったポケモン災害にはジムリーダーやジムトレーナーが駆り出されるのが世の常だ。

 だから、もし仮にロケット団が力で訴えてきた時、それを止められるだけの力が警察組織にはない。多くのポケモントレーナーを有するロケット団は、それだけで脅威的だった。

 

「面倒なことになって欲しくはないですね」

 

 タマムシジムのジムリーダーは、ポツリと零すのであった。

 


 

【ワタル】カントー地方ポケモンバトル総合part320【一強】

 

223 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

おい。今さっき、配信があったニビジムのジムリーダー戦見たかよ。

 

224 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

どったの?

 

225 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

見た見た、アレ、まじで凄かったよな

 

226 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

マサラタウン出身には気を付けろ……

 

227 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

urlキボンヌ

 

228 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

あの金髪少女、あれで10才ってマジかよ……

 

229 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

ググレカス

 

230 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

どうしたの?

 

231 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

遂にワタルの牙城を崩せるかも知れない奴が現れた

 

232 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

それは言い杉じゃね

 

233 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

あのピカチュウ癖強すぎるw

 

234 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

フライングボディプレス(のしかかり)

 

235 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

フライングボディプレス(自滅)

 

236 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

あれで10才とか勘弁してくれ…

 

237 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

あれはただポケモンが強いだけの勢い任せ。どこかで躓くよ

 

238 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

ワタルの最年少記録更新あるかな?

 

239 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

ポケモンリーグはワタルがいるから無理だろ

 

240 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

ピカチュウwww

 

241 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

やべえ

 

242 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

手持ちのポケモンの躾もできない奴が大成するかよ

 

243 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

あれはいったい、なにチュウなんだ…

 

244 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

マサラタウンから来たっていう3人も筋良いな

 

245 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

このマスクのポケモン、どこチュウよ?

 

245 名前:名無しのポケモン好き 20XX/YY/ZZ

歴史が変わるかもしれない




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次回から新章が始まります。

▼パープル
オニドリル♂:Lv.29
スピアー♀:Lv.30
サイホーン♂:Lv.26
ピカチュウ♂:Lv.24

▼レッド
イーブイ♀:Lv.12
ヒトカゲ♂:Lv.14
ピカチュウ♂:Lv.9

◆グリーン
ポッポ♂:Lv.15
ゼニガメ♂:Lv.14
コラッタ♂:Lv.10

▼ブルー
ロコン♀:Lv.13
フシギダネ♂:Lv.12
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