【未完】人間界に召喚されたったwwwwwww   作:烏何故なくの

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人間界に召喚されたったwwww(2)

「此方ジョージ、応援を要請する!銀の雨空は本物のイカれだった。化け物がいるんだ!!」

『ジョージ、何を…』

「俺にも上手く説明できない!とにかく銃を持ってきてくれ!」

『…わかった!1時間もあればお前のいるホテルに到着する』

入り組んだ廃ホテルの地下を駆けながらジョージは自分の勤務する警察署に連絡をとっていた。

ショットガンではあの化け物は殺しきれなかったが、効果が無いわけではなかった。

銃火器を集めれば殺しきれるかもしれない。

 

「父さん、もう走れない…」

リラが口を開いた。

「我慢だ、もうすぐで出口に着く。そこに車を止めてある!」

今は休んでいる暇はない。いつ化け物が追ってきてもおかしくないのだ。

 

走って走ってようやく玄関にたどり着いた。

 

直後、轟音と閃光が当たりをめちゃくちゃに走り回った。

雷が目の前に落ちた事を察するのに時間はかからなかった。

 

「なっ……!」

止めてあった車を見ると雷が直撃したらしく、タイヤから白い煙を上げていた。

タイヤがバーストしてしまったらしい。

廃ホテルは山の上に立っている。この様子では、安全に山を降りるのは不可能だろう。

呆気に取られている俺の頭上に、一滴の雨水が落ちてきた。

瞬く間に激しい雨と風が降ってくる。

トランシーバーから声が聞こえてきた。

 

『すまない、お前のいる山を中心に、あ、嵐が急に街中で発生した!!信じられないと思うが本当にそうとしか言えないんだ!酷い強風でそっちに行けない!!』

 

(………ありえない。明らかに自然の法則に反している。あの化け物の仕業とでもいうのか?

……くそ、落ち着け!驚くより先にやる事がある筈だ。)

どう考えてもこの天気の中下山するのは現実的ではない。

この廃ホテルはかなりの大きさがある。隠れる場所も多い。

無理に下山するより、ホテルの中で隠れながら化け物をやり過ごす方が生存率は高いだろう。

(………冷静になれ。冷静になれ。俺は今からこの廃ホテルの中で、リラを守り切らなくては行けないんだ)

 

 

 

■■

 

 

130:1

とりあえず嵐呼んだ 男の物らしき車もウチの猟犬ちゃんがぶっ潰したし

これで矮小な人間さんは逃げられん筈やで

ワイやったら嵐なんてなんてことないけどな

 

131:名無しの悪魔

唐突な悪魔マウント

 

132:名無しの悪魔

急にイキリ始めた…

 

133:名無しの悪魔

さっき一人称変わるくらい動揺してたくせに

 

134:名無しの悪魔

天候操作できんの?エリートじゃん 死ね

 

135:名無しの悪魔

人間なんぞにマウントとって逆に虚しくないの?

 

136:1

黙れ 

 

 

□□

 

 

後ろからあの忌まわしい足音が迫ってくる。

ジョージはリラと階段を静かに駆け上がり、2階の適当な部屋に飛び込んだ。

化け物の足音は大きく独特で分かりやすい。

注意していれば追いつかれる事はない筈だ。

 

びちゃり。

びちゃり。

 

…きた。化け物の足音だ。

タイミングを見逃すな。

 

びちゃり。

びちゃり。

 

音がだんだん大きくなる。

 

びちゃり。

びちゃり。

「……………っ…!!」

「堪えてくれ、リラ…!」

音がどんどん大きくなる。一秒ごとに、どんどん。

 

びちゃり。

びちゃり。

…ガチャン。

 

「ひっ、やだ!」

「クソッタレ!」

ジョージは部屋の壁にキックで穴を開け、隣の部屋に飛び込んだ。

(扉を開ける音は一回だけだった。やろう、ピンポイントで俺達が隠れている部屋を見つけやがったんだ。くそ、どうやって俺達が隠れている場所が分かったんだ?

アイツは人間ではない。嗅覚や聴覚が人間のそれとは比べ物にならないのかもしれない。)

 

化け物が追ってくる音が聞こえる。

ジョージは振り返ってショットガンを構えた。

ここからは階段よりもエレベーターの方が近い。

 

「リラ!エレベーターに乗れ!」

「父さんはどうするのよ!?」

「すぐに行く!エレベーターで待っていてくれ!」

 

ジョージの視界の端に汚らわしいピンク色が映った瞬間、ジョージは弾丸を放った。

化け物が大きく体を退け反らせる。

高かったであろうカーペットが飛び散った肉片で赤く染まる。

 

そして。飛び散った肉片は。録画を逆再生する様に、化け物の下へと集まっていった。

よく見れば、地下でジョージが吹き飛ばした化け物の頭部はそのシルエットを取り戻している。

「不死身かよ、お前…!」

 

遮二無二ジョージはショットガンを打ちまくった。

化け物の体に風穴が開き、風穴が開いた体が再生し、再生した所を鉛が抉る。

「父さん!!」

リラが叫ぶ。

ジョージの数秒の攻撃の末、エレベーターが到着したらしい。

ジョージは勢いよく体を反転させ、転がる様にエレベーターに飛び込んだ。

リラは思い切り4階へのボタンと開閉ボタンを押した。

ゆっくりとドアが閉まる。

エレベーターの中でショットガンを構え直したジョージの目に、またもや杯を掲げて静止している化け物の姿が映った。

エレベーターはジョージの想像に反してなんの妨害もなく閉まり、4階に上がっていった。

 

 

■■

 

 

143:1

うわ 生エレベーターだ かっこよ

http://www.pic../

 

144:名無しの悪魔

生エレベーターだ!

 

145:名無しの悪魔

生エレベーターだ!!

 

146:名無しの悪魔

はえ〜すっごいモダン

 

147:名無しの悪魔

こっちに銃突きつけてる男が写ってなければいい写真だった

 

148:名無しの悪魔

瞬間移動の術がある地獄じゃ見れない道具

イッチ本当に人間界行ってたんだな

 

149:名無しの悪魔

自分の命かかった状況で掲示板に書き込むのヤベーな バカなのかな 

大丈夫?生贄生きたまま丸呑みしないといけないんだよ?殺しちゃダメなんだよ?

ちゃんとわかってる?

 

150:名無しの悪魔

もしかして:現実逃避

 

151:1

149>> 150>>違うが?

そもそも人間さんにはワイが作った探知用使い魔くっつけてるしどこに居るか分かる

実質勝ち確みたいなもん

 

152:名無しの悪魔

イッチって多芸だけどバカだよね

間違えた、バカだけど多芸だよね

 

153 :1

152>>ころすぞ

 

154:1

使い魔ちゃん殺されちゃった

人間勘がいいぞ

 

155:名無しの悪魔

即落ち二コマ

 

156:1

人間思ったより動けるし

掲示板に書き込みながら強めの使い魔作っておいて正解だったな

 

 

□□

 

 

エレベーターの中でジョージはリラのフードに隠れていた、バッタに人の目玉が生えたような異形の虫を握り潰す。

明らかに化け物の仲間だろう。

リラに危害を加えずにジッと隠れていた事、化け物がピンポイントで俺達を見つけた事を考えると、コイツが俺達の位置を化け物に知らせていた可能性が高い。

 

(再生能力に、嵐に、バッタ…あの化け物、えらく多芸だな。時折掲げているあの杯が関係しているのか?)

ショットガンの弾は残り少ない。

先程のように化け物をショットガンで足止めするのは厳しいだろう。

 

エレベーターが四階に着いた。

廊下の窓を見る。

嵐は更に激しさを増していき、雷がこちらを威嚇する様に光っていた。外に出るのは自殺行為だろう。

 

ぺたり。ぺたり。ぺたり。

唐突に、廊下の曲がり角の向こうから足音が聞こえる。

今まで聞いた事のない足音だ。

 

「なに、何なの………何がくるの……?」

リラの顔がくしゃりと歪む。目に涙が溜まっていく。

「………くそ。そろそろ休ませろよ」

リラの心は度重なる重度のストレスで疲れきっているらしい。

それも当たり前である。頭のおかしい集団に誘拐され、父が助けにきたと思ったら溶解する肉の塊が追ってくる。まだ11歳の女の子が体験していい様な事では無い。

 

ぺたり。ぺたり。ぺたり。

廊下の角から、何かが顔を出した。

それはガラクタの塊だった。

古びた椅子、食器、ろうそく。そう言った物の集合体であった。

生き物の様にガラクタを足の様に動かし、犬の様に素早くこちらに向かってくる。

それも一匹ではなく、三匹。

 

「リラ、俺の後ろから出るなよ…」

このホテルには目の前のガラクタ以外にもドロドロの化け物がいる。

不用意に逃げれば挟み撃ちにされかねない。

撃退できるならそれに越したことはない。

ジョージはショットガンの銃口を手に持ち、ショットガンを鈍器として構えた。

 

 

■■

 

 

159:1

なんか人間強くね?

 

160:名無しの悪魔

たかだか人間やろ

 

161:名無しの悪魔

お前が雑魚なだけ

 

162:1

http://www.pic../

 

163:名無しの悪魔

え、なにこれ

 

164:名無しの悪魔

人間がオオカミサイズの使い魔を殴り倒してる……

 

165:名無しの悪魔

使い魔の能力って大きさ依存でしょ?

このサイズなら普通のオオカミくらい強くなかったっけ

 

166:名無しの悪魔

人間ってオオカミに勝てるんだっけ

 

167:名無しの悪魔

アレェ?

 

168:1

あの人間ちょっとやばいよな

ワイから逃げる時に壁蹴って壊してたし

正面から攻めるとかなり抵抗されるな

 

 

□□

 

 

ジョージの振るったショットガンが、一匹のガラクタの怪物の顔を捉えた。

鈍い金属音が響く。ガラクタの怪物はゴロゴロと廊下に転がった。

残りの二匹はジョージを警戒している様にこちらを見ている。

「どうした?とっととこっちにこい、ぶっ殺してやる……!」

ジョージが唸り声を上げる。緊迫した空気が流れ出す。

 

硬直を破ったのはジョージでも、ガラクタの怪物でも無かった。

突如、廊下の壁が砕けた。コンクリート片が轟音と共に、辺りに破片となって撒き散らされる。

思わずジョージは音のした方に顔を向けるが、そこには何もいない。

「何ーーガァっ!?」

最後までセリフを言う事は叶わなかった。

ジョージの首に強い不可視の力が加わったからだ。

そのままジョージの体が上に向かって持ち上げられる。

 

「……aa……!」

徐々に徐々に、透明なマントを脱ぐ様にゆっくりと、見覚えのあるピンク色が現れ始めた。

 

 

■■

 

 

171:1

正面から攻めると万が一があるんで

「浮遊」と「不可視」の術を使って不意打ちしましょうね〜〜

 

172:名無しの悪魔

卑怯者です!

 

173:名無しの悪魔

少なめの脳みそでよく考えたな

 

174:名無しの悪魔

やるやんイッチ 

 

175:1

174>>妾、お前の事好きかもしれん………

 

 

□□

 

 

「父さん!!」

(くそ、くそ…!放しやがれ、ゴミカス野郎……!)

化け物は万力のような力でジョージの首を捕らえて離さない。

ジョージは化け物の腕を殴りつけ、足で腹を蹴り飛ばす。

化け物は体をのけぞらせた。それだけだった。

首を締め上げられ、だんだんとジョージの脳に酸素が行かなくなっていく。

 

ふ、とジョージの首の圧迫感が消えた。それと同時に感じる浮遊感。

化け物はジョージを投げ飛ばしたのだ。

化け物が先程空けた、廃ホテルの四階に空けた穴から外に向かって。

 




猟犬ちゃん:イッチが飼ってる使い魔。
イッチが狩りの魔神としての力で命を吹き込んだ雷。
かなり強いが精密な動作が出来ず、生贄のリラを殺しかねないので今回は余り出番がない。

狩りの魔神の力:物体に思考能力を与え、自身の使い魔として使役できる力。生き物も使い魔にできるが、ある程度知性のある存在には抵抗される可能性がある。
他の悪魔も使い魔自体は作れるが、思考能力のある使い魔を作れるのは狩りの魔神の力を受け継ぐバルバトス家だけ。
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