【未完】人間界に召喚されたったwwwwwww   作:烏何故なくの

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誤字報告本当にありがとうございます。いつも助かっております。

今回は後半割とグロい話になります。


間話

「いつもの安い所で悪いな、リラ」

「気にしないで。私あそこのハンバーグ好きだし」

 

廃ホテルの一件から数日後。

リラは無事退院したジョージに連れられ、レストランで外食をしていた。

リラにとっては久しぶりのご馳走であった。

久しぶりのご馳走、久しぶりの街の景色。

青青と茂る街路樹を眺めていると、だんだんとリラも元気が湧いてくるような気持ちになってきた。

 

「……ねえ。ちょっとサンズリバーに寄ってもいい?」

「ああ」

サンズリバー公園。

住宅街の真ん中に建設された、面積の広い公園だ。

自然が豊かで、リラは小さい時に母によく連れてきてもらった。

角を二つ曲がり、道を真っ直ぐに進む。

リラの目に、見事なピンク色が入ってきた。

 

「わぁ…」

サクラだ。

サクラが見事に咲き乱れていた。

(そういえば、もう春だった……)

リラが銀の雨空に拘束されていたのは、約三週間ほど。

その間に冬は春へと変化を始め、虫や動物は活動を始めていた。

 

公園の入り口を通り、並木道をただただ歩く。

春風に飛ばされ、舞い散るサクラの花びらが美しい。

光ってなんかいないのに、リラはサクラの花びらを宝石みたいだと思った。

満開のサクラを見にきたらしく、それなりに多くの人が並木道を行き来している。

そんな人混みに混じって、リラとジョージはサクラを鑑賞しながら歩く。

 

「あ、ジョージさんじゃないですか」

そんな二人に、後ろから声をかける者がいた。

180cm程の、背の高い女だった。

黒いジャケットに黒い髪。

癖毛の長髪と目の下の隈が印象的である。

暗いイメージの女性だが、何処か話しかけやすい雰囲気がある。髪にサクラの花びらがついているからかもしれない。

 

「久しぶりですね、アガリーさん。…リラは初めて会うか。こちらは探偵のアガリーさんだ。度々お世話になってる」

「はじめまして、リラちゃん」

「はじめまして」

リラはアガリーから差し出された手を取り、握手をする。

アガリーはリラの瞳を見つめ、次にリラの鞄に視線を向けた。

 

「………いい、バッグですね」

「あ、ありがとうございます?」

少しドキリとするリラ。

鞄の中には霧状になったジェシカが入っている。

使い古されたリラの鞄は、すっかり彼女の定位置と化してしまった。

 

「…お元気そうでなによりです。一人で銀の雨空に突っ込んだって聞いた時は肝を潰しましたよ」

アガリーはジョージに視線を向け、

 

「あー、その、心配をかけたようで申し訳ない…」

「もっと反省してください。アタシの情報のせいで死なれてたら、本当に寝覚めが悪くなる…」

どうやらアガリーもリラの救出に一役買っていたらしい。

 

「あの、アガリーさんも私を探してくれていたんですか?」

「あー、アタシは人探しが仕事ですから。そんなに申し訳なさそうな顔しないでください」

アガリーはヘタクソな笑みを浮かべ、リラの頭を撫でる。

 

「………ジョージさんの元気そうな姿も確認できたし。そろそろおいとまします」

アガリーはそう言うとリラの頭から手を離し、歩き出した。

「では、また」

「さようなら」

リラとジョージも挨拶を返し、再びサクラの観賞を始めた。

 

 

 

 

思う存分公園を歩きまわった後、二人は家に帰った。

リラは手を洗い、階段を上がる。

二階の自分の部屋に入り、ドアを閉めた所で、鞄の中のジェシカが小さく声を上げた。

「部屋の中に居るぞ。驚いて声を上げるなよ、リラ」

「……居るって、何が」

「さっきの女だ」

「言っときますが、泥棒じゃないですよ?」

 

ジェシカの言葉が言い終わらないうちに、アガリーの声が聞こえた。

部屋のクローゼットが開く。

黒ずくめの長身の女が、小さなクローゼットの中から音もなく出てくる光景は何処かのホラー映画の様だ。

 

「久しぶりですね、バルバトスのお嬢さん」

「うむ、おひさだなアガリアレプト」

「……なんか、取っ付き易くなりました?」

 

どうやらアガリーとジェシカは顔見知りらしい。

つまりアガリーは。

 

「アガリーさんも、悪魔なんですね」

「そう言う事です、改めて自己紹介しましょう」

アガリーは気取った様に一礼する。

 

「明星騎士団が一柱、アガリアレプト。現在ルシファー様の命で人間界に潜入中。今はどうかアガリーとお呼び下さいな。リラちゃんが誘拐された件について、詳しいお話を伺いに参りました」

 

 

 

 

 

 

「…………ふむ」

あの廃ホテルでの顛末を聞き覚えたアガリーが口を開く。

「ジェシカちゃん。魔術を使う時に、何か違和感は有りませんでしたか?」

「いや、特に…」

「違和感なく呪文を詠唱できたと」

「いや、詠唱破棄したから呪文は詠唱してないぞ」

「えっなんて?」

 

突然アガリーが間抜けな声を上げる。

 

「いや、妾召喚失敗で喉溶けちゃったから…」

「……ジェシカちゃん何歳だっけ」

「ご、53」

嘘でしょう…100年も生きてないのに。ガリ勉なのは知ってましたがこんなに極めてたとは……

 

ブツブツと何か呟き始めたアガリーにジェシカが呼びかける。

「アガリー? 話の続きを…」

「す、すいません。……本来なら、この国では悪魔召喚なんて出来ないんですよ。その上悪魔は魔術の行使も出来ない筈なんです。この国は天使が結界を張ってますから。アタシはルシファー様に天使連中の目が届かない太平洋の上空に送ってもらったんですが…」

 

天使。

リラも悪魔がいるなら天使もいるかも知れないとは思っていたが、本当に実在するといわれるとかなりの驚きだ。

 

「天使連中の結界が作動していない。これは異常事態です。この異変の原因を突き止める為、天使がこの国に来ています」

「…つまり、妾が天使に見つかれば異変の原因として襲われる可能性がある、と」

「はい。その上ジェシカちゃん、数日前に派手に嵐呼んだでしょう?」

「あっ。………もしかして、結構マズイ状況?」

「はい」

 

「……天使ってそんなに強いの?」

リラは冷や汗をかき出したジェシカに尋ねる。

ジェシカは普段おとぼけのボケボケであるが、彼女の本質は恐ろしい魔神だ。

嵐を呼び雷を従える彼女が冷や汗をかくほど、天使は強大なのだろうか。

「一人一人がそこまで強いという訳ではないが、天使はとにかく数が多いのだ。一人いれば三十人はいると思っていい。……妾結構強いからな。見つかったら大天使を呼ばれるかもしれん」

 

「まあ、そういう訳で外出は控えてジッとしててください。人間の家に潜んでいれば、そうそう見つからないでしょう。あと、人間にも気をつけてください」

「ああ、天使の信徒にも気をつけねばな」

「それもありますが。――――天使連中、家畜人間を飼い慣らしてるそうです。奴らが飼い慣らした家畜人間は、普段人間界で暮らしているんだとか」

「ぱぇ?」

 

 

■■

 

 

継続スレ:人間界に召喚されたったwwwwwww

 

 

110:1

天使連中やばすぎwwwwww

家畜人間飼い慣らしとるらしいwwwww

クソワロタ・・・ワロタ・・・

 

111:名無しの悪魔

ファーーーーーwwwwwwwww

 

112:名無しの悪魔

そげなアホな

 

113:名無しの悪魔

家畜人間地雷です

勘弁してください

 

114:1

聞いた所によると、天使連中に飼われとる家畜人間、普段人間界にいるんだって

 

115:名無しの悪魔

イッチやべーじゃん

 

116:名無しの悪魔

(イッチはもう)死んだんじゃないの〜〜?

 

117:名無しの悪魔

家畜人間なんで人間界にいんの………?

 

118:名無しの悪魔

美食家のせい定期

 

119:名無しの悪魔

美食家くんさあ……

 

120:名無しの悪魔

怖いよお…

 

121:名無しの悪魔

家畜人間ってなんです?

 

122:名無しの悪魔

>>121

コイツマジ? ggrks

 

123:名無しの悪魔

ggrksってきょうび聞かねえな……

 

124:名無しの悪魔

拳神の一件から300年くらいしか経ってねえだろ 忘れんな

 

125:名無しの悪魔

実は俺も家畜人間について知りません…(浅学)

 

126:名無しの悪魔

ゆーて300年も前なんだから当時生まれてなかった最近の若い子は知らんだろ

家畜人間の事なんて語りたがるやつ少ないだろうし

 

127:名無しの悪魔

説明しよう!

家畜人間とは地獄の黒歴史だ!

 

128:名無しの悪魔

地獄の歴史の中に黒歴史じゃないのがありましたか…?

 

129:名無しの悪魔

簡単に言えば500年くらい前、人間の養殖が盛んだった時代があったんよ

食用人間が流行って、いろんな奴らが美味い人間を作ろうと思考錯誤してた時代

その結果生まれたのが家畜人間

 

130:名無しの悪魔

聞く限りそんなにヤバそうには聞こえんけど そんなやばいんか? 

 

131:名無しの悪魔

ヒント 人間ってね、霊的なレベルが上がる程美味いんすよ

そして俺ら悪魔は欲望を抑えられない生き物なんすよ

 

132:名無しの悪魔

あっ()

 

133:名無しの悪魔

全てを察した

 

134:名無しの悪魔

強くなった家畜に復讐されたか

 

135:名無しの悪魔

>>134

ちょっと違う アイツらは復讐とか基本しない

何故かというと、家畜人間に反抗されんよう当時の奴らが家畜人間の脳を弄って奴らから生への願望を抜いたんや

 

136:名無しの悪魔

つまり……ドユコト……?

 

137:名無しの悪魔

家畜人間は死が怖くないんや

自分の命に価値を感じないんや

そのせいで他人の命にもまったく価値を見出さんモンスターが生まれたんやけどな(震え声)

 

138:名無しの悪魔

自分の命に価値を感じないからなんとなくで死んだり

他人の命にも価値を感じないからなんとなくで殺しにかかってきたりする生き物

誰がこんな生き物作ったんだよ………俺らだよ………

 

139:名無しの悪魔

上位悪魔以上に高められたスペックを他者をまったく気にせず

好きな事の為に全身全霊で注ぎ込むからヤバい魔術とかちょくちょく生み出す

 

140:名無しの悪魔

地獄七大やべー奴の内の三人が家畜人間

ちなこれが地獄七大やべー奴

 

「明けの明星」

「糞山の王」

「拳神」

「美食家」

「調律師」

「皮モノ大好き侍」

「エンジェル・ダスト」

 

141:名無しの悪魔

>>140

いつ見ても酷い面子だ…

 

142:名無しの悪魔

>>141

なんでや明けの明星ことルシファー様は酷くないやろ!

 

143:名無しの悪魔

自分も他人も実験台にしてエグい術生み出すよね……

 

144:名無しの悪魔

家畜人間関連の禁呪いくつあるんだっけ

 

145:名無しの悪魔

こんな奴ら管理できんわな……

 

146:名無しの悪魔

一応300年前くらいまでしっかり管理出来とったで

 

147:名無しの悪魔

アイツらに娯楽渡すようになったのが全ての始まりらしいな

知ってるか? 拳神はボクシングの試合見てテンション上がって「俺もアレやってみたい」って理由で暴れ始めたらしい

 

148:名無しの悪魔

国三つ滅ぼした理由:ボクシング見てテンション上がったから

 

149:名無しの悪魔

これはガチな話らしい

状況証拠から考えてまず間違いないんだと

 

150:名無しの悪魔

いつ死んでもいいと思っていた奴らが楽しい事を知ってその事の為だけに生きる様になったんか…

 

151:名無しの悪魔

天使連中がこんな奴らを飼い慣らせるとは思えんが…

 

152:1

情報ソースは確かなとこからだぞ

 

153:名無しの悪魔

まあ家畜人間は死を恐れないって事以外は個人差大きいし…

穏やかな奴だったり、そこまで戦闘力高くない奴なのかもしれんし…

 

154:名無しの悪魔

遭難した悪魔が家畜人間に助けられた事例もあるらしいな

ご飯くれって頼んだら自分の腕千切って食わせてくれたんだと

 

155:名無しの悪魔

嫌なアンパンマンだな…

 

 




ルシファー:地獄の皇帝。明けの明星の二つ名を持つ。
現在地獄で唯一、空間に穴を開ける魔術「次元踏破」を使う事ができ、自力で人間界に顕現できる存在。この術を使いアガリーを人間界に送った。
因みにこの魔術は家畜人間「美食家」が開発した。


ヘルテイカーとデビザコの影響で悪魔は女の子キャラが多いです
背が高い子が多いのは趣味です よろしくお願いします

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