さて、話がある程度まとまったので掲載することにしますが...今回から結構趣味全開な気がしてきたなあ...
先に言っておきますが皆さんの意見を決して無視していません。物語はまだ始まったばかり。今後の展開の参考にさせていただいております。
まあ、二次創作は投稿される方々の趣味趣向が反映される場だと思っておりますので、ある程度は自分の好きな形にしていけたらと思います。
それでは、どうぞ!
「大活躍だったんだってね、蓮司君!」
「噂が本当なら違反者なんてこれから出ないんじゃない?」
「俺は平和的に解決してやっただけだぞ、英美、鋼…ふぁ…働いたから眠ぃ…」
新入生勧誘活動期間が終了した後の食堂にて。蓮司、英美、鋼の3人は談笑をしていた。話題は当然、それぞれの部活動やこれまでのことである。ちなみに英美は狩猟部、鋼はマーシャル・マジック・アーツ部に入部していた。とは言っても、話題は当然蓮司のこととなる。なぜなら…
「あ!”恐怖の帝王”の蓮司君!」
「よう蓮司!活躍したんだってな」
「こんにちは龍童君。色々大変だったみたいですね…」
そこへ達也のクラスメートである、エリカ、レオ、美月の3人も合流する形になった。この3人とは達也を通じて交流が続いており、3人も蓮司を通じて、英美、鋼との交流が出来ていた。
「ヤッホー、エリカ、美月、レオ君!」
「やあ3人とも」
ここに、一科生と二科生の交流が出来ている。他の連中はなぜこんな簡単なこともできないのかと、少し今の話題とずれたことを考え始めた蓮司だった。
「ようお前ら、しばらくだな。レオは変わらずからかわれてるか、それともしごかれてるか?恐妻家は大変だなぁ、ほどほどにしてやれよエリカ。美月って姑が倒れちまうぞ」
「開口一番それか!?」
「誰がこんな奴の!」
「龍童君には私たちがそう見えてるんですか…」
そんな冗談も交えながら話が弾む中で、エリカの言ったある言葉で話題は新歓に戻った。
この新歓の間で話題になったことは大きく2つある。
1つは二科生で初の風紀委員である達也のことだ。初日に剣術部の桐原を取り押さえた後、襲い掛かる剣術部員を誰一人傷つけることなく制圧したことを知らないものはいない。
だがその内容は一科生にとっては面白くない。能力で勝る一科生が、劣等生たる二科生に取り締まられるなど屈辱だ、ありえない、ということだ。
結果、新歓の間に達也は何度も騒動に巻き込まれては、その間に魔法攻撃を受ける、ということが頻繁になった。部活動同士で達也の近くで敢えて問題を起こし、その隙に背後から達也を狙う、という何とも幼稚なものだ。だが達也は…
「今や達也も有名人なんだろ?魔法を使わず、並み居る魔法競技者を連覇した謎の1年生ってな」
「一説によると、魔法否定派に送り込まれた刺客ってのもあるみたいよね」
「何はともあれ、初日以降怪我人が出なくてよかったです」
「へえ、司波君すごいね!流石司波深雪さんのお兄さん!」
そう、初日こそ桐原をケガさせてしまった達也だったが、以降の騒動で怪我人は一切出していない。内容を鑑みれば誰かが怪我をしてもおかしくないが、それを0人で抑えたのは流石と言える。しかも魔法を使用せずに行ったというのだから驚きである。
だがここでもう1つの大きな話題に移る。それは蓮司のことだった。
「まあでも話題の大きさでいったら、うちの蓮司君も負けてないよ!」
「”うちの”ってなんだ…それに違反者0人だったんだから別にいいだろうに…」
「そのやり方が奇抜すぎるから話題になったのよ、”恐怖の帝王”さん?」
エリカがニヤつきながら蓮司に答える。
初日、ほのかと雫と別れてから、さすがにもう一度屋上に戻るのは面倒だったため、会場で直接見回ることとした。そうなれば当然、トラブルに遭遇するものである。
1人の1年生が上級生たちに囲まれ、その上級生たちで喧嘩を始めたのだ。
ここで二つほど質問を載せる。
①普通の風紀委員ならどうするか?
答えとしては、自分が風紀委員であることを告げ、両者を取り押さえにかかる。魔法の不適切使用者は当然逮捕となる。
ならばここで2つ目の質問を出そう。
②蓮司ならどうするか?
答えはこちらも単純なものだった。
喧嘩を始めた上級生たちのもとへ向かった蓮司。まず最初にしたことは…
「おい」
濃密な殺気を放って周囲を静かにさせた。そして当事者が固まったところで…
「勧誘はもっと安全に行え。そんで仲良く話し合え」
―
そう告げられ、上級生たちは…
「す、すまなかった…熱くなりすぎたようだ…」
「いやいやこちらこそ…そちらの話も聞かずに申し訳ない…」
「「はははははは…」」
そう言って、顔を青ざめさせながら握手を交わし、喧嘩を止めた。
『……………』
周囲も唖然である。こんな止め方は見たことがない。
「よし、鎮圧完了。平和的に片付いたから怪我人および違反者もなし。当然退学者もなし」
そんな呑気なことを言って踵を返す蓮司。すると振り向きざまに
「そうだあんたら…」
―コレカラモナカヨクナー
もう一度殺気を放ち、念押しをした。
『は、はい!!!!!!もちろんです!!!!!!』
「よし、そんじゃーな」
こうして初日は、これ以降蓮司の担当区域では問題は起きなかった。
先程の②の答えはこうだ。
殺気で黙らせ、仲良くさせる。
その後も似たようなことがある度に殺気で黙らせ、その場を鎮圧するということを繰り返していった。当然、怪我人、違反者、逮捕者は0人。直接的には何もせずその場を制圧していく。その堂々たる姿はまさに王。圧倒的な強者の雰囲気、そしてその成果から異名を付けられた。
“恐怖の帝王”、”静かなる暴君”と…
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数日後、蓮司は一人帰路に着いていた。本日は非番であり、残っても特にすることがなかったためだ。
放課後まで来ると、蓮司の胃袋はどうしても空腹となってしまう。昼にどれだけ食べても、この時間まで過ごすと腹が減るのだ。誰が何と言おうと、呆れられようと、空腹には勝てない。
よって帰りに何か買い食いでもしようかと考えていると、気になるものが視界に入った
「あの3人…英美に雫、ほのか?あいつら、何やってんだ?」
そう、校門近くに英美、雫、ほのかがいた。それもただいるのではなく、身を潜め、まるで尾行しているかのような体勢だった。何かあるのかと思い、その視線の先を確認すると、一人の男子生徒の存在を確認できた。どうやらそいつを尾行しようとしているようだった。はっきり言って、嫌な予感しかしない。
そして男子生徒が移動したのと同時に、3人も行動を始めた。やはり付けようとしているみたいだった。
「…たく、めんどくせーことになりそうだな…」
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ほのか達3人は、目の前の男子生徒、司甲を尾行していた。なぜそんなことをしているのか。それは新歓でのある出来事があったからだ。
帰り道、途中で合流した英美とともに帰ろうとしたときのことだった。上級生たちが新入生の入部について揉めたとき、風紀委員の達也がそれを止めるという出来事があった。
しかしその最中。なんと達也に向けて攻撃魔法が放たれた。幸い達也は後ろ向きであったにも関わらず回避したものの、今度は目の前の生徒たちに邪魔されて身動きが取れず、襲撃犯を逃してしまった。
あれは明らかに達也をわざと狙ったものだった。しかも、恐らくだが騒動に関わった生徒の全員がグルだった可能性が高い。
こんなことが続けば、達也がいずれ怪我をしてしまうかもしれない。何より、そうなったときの深雪が怖すぎた。果たして彼女の怒りで何人の犠牲者が出てしまうのか…と。
そこで3人は襲撃の現場を押さえることで、その被害を無くそうとした。
後日、何とか襲撃犯が逃走する場面を写真に収めることに成功したため、それを添付して公益通報窓口へ提出した。しかし予想に反して特に何もなかった。
雫曰く、魔法を使用している場面ではなく、犯人が逃走する場面で、しかも背後の写真だったため、証拠不十分で処理されたのではとのことだった。
自分たちのやったことは無駄だったのかもしれない。そうほのかが落ち込んでいる時だった。目の前に1人の男子生徒が現れた。
生徒の名前は確か司甲。達也を襲撃した人物で、自分たちが写真に収めた剣道部の主将だ。これは証拠を掴むチャンスかもしれない。そう判断し、尾行することにしたのだ。
ある程度尾行した頃。路地裏に入り込んだ司は誰かと連絡を取っていた。
「はい…ええ、誘い込みました。あとはお願いします。」
何やら不穏なことを呟いたかと思うと、突然走り出した。尾行がばれたのかと追いかけようとすると、
ブオオォォォンッ!!というエンジン音が鳴り、突然3台のバイクに囲まれた。全員がヘルメットを着けており、顔は認識できない。
「お前たち、こんなところで何をしている」
冷たくそう言い放った。目の前の不審者たちの雰囲気は、明らかに自分たちをただで帰そうとはしていない。このままでは危ないと判断したほのか達は、魔法を駆使して脱出することを判断した。3人がそれぞれ魔法を発動し、もう少しで脱出できると思った瞬間、
キイイイイィィィィィィンッッ!!と突然甲高い音が鳴り、倒れこんでしまった。頭が割れるような痛みが走り、その場から動くことができない。
「よく効くだろう?司様からさずかったアンティナイトによるキャスト・ジャミングがある限り、お前たちは魔法を使えない。思い知ったか、魔法師」
こんなことは完全に予想外だった。
キャスト・ジャミング。それは魔法式が対象物のエイドスに働きかけるのを妨害する無系統魔法の1種で、無意味なサイオン波を大量に散布することで、魔法式がエイドスに働きかけるプロセスを阻害するものである。
アンティナイトというとても希少な鉱石を用いることで発動できるが、アンティナイトは高価すぎて市場に出回ることはない。彼らがなぜそんなものを持っているのか。そんな疑問があったが、今はそんなことはどうでもいい。
非魔法師といえど、目の前の人物はキャスト・ジャミングを使い、自分たちは何もできない。それが現実だった。
「始末するか?」
「ああ、手筈通りだ」
そう話し、その襲撃者たちはサバイバルナイフを持ち出す。
「この世界に魔法師は必要ない!!」
そう言い放ち、一番襲撃者の近くにいたほのかへ、大きくナイフを振りかぶる。
何もできないほのかは、徐々に間近に迫る死を感じていた。
―もう駄目なのかな、こんなところで死んじゃうのかなー
―お願い、誰か…―
―…誰か助けて!!―
届くはずのない願いを、ほのかは強く思い、目をつむった。
その時だった。
ゴウ!!と激しい音が鳴ると同時に、
「…へ、な?あ、ぎゃあああああああああああ!!!」
そんな叫び声が聞こえた。同時に頭に与える激しい痛みが消えた。
助かったのか、と感じ、誰かが助けてくれたのか、と思い、ゆっくり目を開けた。
そこにはよく知る人物がいた。
初めて会ったときはとても怖かった。殺されるかも、と思った。でもその後に話す機会があり、実際にはとてもいい人だと知った。少し抜けているような感じも親しみを覚えた。
一度助けてもらった。あの時も今ほどではないが、誰かに助けてほしいと思い、そしてその人は助けてくれた。ちょっと呆れた表情を浮かべながらも笑って応えてくれた。
その人が今、目の前にいる。
「悪いなおっさんよ。こいつら、うちの学校の生徒で、俺の知り合いなんだよ。手出し無用で頼む」
背が高く、気だるげな雰囲気でいることの多い彼が。
とても食いしん坊で、食べ物のことになると目がない彼が。
自分たちの知らない魔法を何でもないことのように使い、現在第一高校で”恐怖の帝王”と呼ばれる彼が。そこには確かにいた。その瞬間、視界が潤んだ。
「ようお前ら。この間ぶりだな、相変わらず仲がいいようだな」
「蓮司さんっ...!!」
前に助けてくれた時と同じようなことを言い放ち、背中越しに呆れ顔を見せる龍童蓮司がいた。
はい、というわけで第13話でした。いかがでしたでしょうか。
ちょっと前回に引き続きやりすぎかな?とは思いましたが、ほのかちゃんの絡みを増やしました。やっぱ好きなキャラには活躍してもらいたいですね!
補足ですが、新歓の最中の蓮司君は効率重視なのと、悪乗りも入っています。
基本興味のないものに関わるのが面倒な彼にとって、ああやって終わらせるのが一番簡単なんです。余計な魔法を使わなくて済むので。
なので蓮司が怒っていたわけではありません。そこはご理解ください。
さて、今回はここまでです。次回、第14話でお会いしましょう。それでは!