魔法科高校で龍は生きる   作:ドンマッシュ

6 / 31
閲覧いただきありがとうございます、ドンマッシュです。

ここで皆さんにお知らせします。私は当初、週に2,3話ほど投稿していければいいなと思っていました。なので、お気づきの方もいたかと思いますが、あらすじ欄にもそう載せていました。

しかし投稿後、わずかこれだけの期間でたくさんの方に閲覧いただき、評価を頂き、ついに感想まで頂きました。

はっきり言います...めっちゃうれしいです!テンション上がりまくりです!本当にありがとうございます!
ということで話が出来たら随時投稿していくことにしました!そして今回は筆も進んだので連投します!

それでは、どうぞ!


1‐6 新たな交流

「すまない、迷惑をかけた上に話を合わせてくれて。本当にありがとう」

「そう思うなら財布の心配をするんだな、満足するまで食うから覚悟しておけ」

「それは本気だったのか…」

 

他生徒や真由美たちが去ったあと、そんな言葉を達也と交わし始めた。いまこの場に恐怖や支配といったものは一切なく、むしろ学生らしい雰囲気が漂っていた。

 

「改めまして、司波深雪です。龍童君、本当にありがとうございました」

「あんたもそう思うなら、同級生の手綱はしっかり引いておくんだな。あんたの意思に関係なく、力のあるやつに群がろうとするのも人間だ。ああいう奴らをコントロールできなければ、また同じことを繰り返すことになる」

「…そうですね、よく肝に銘じておきます」

「ああ、ペットの扱いは慎重にな」

「それはあまりにも辛辣です」

 

深雪も同様に蓮司と言葉を交わすことができていた。先ほどの気性の荒さはもはやなく、目の前には気だるげな少年がいた。その空気を感じ取り、各々が話し始める。

 

「あはは、話したら意外と楽しそうね。あたしは千葉エリカ。よろしくね龍童君」

「西城レオンハルトだ。レオでいいぜ」

「柴田美月です。ありがとうございました。ちょっと怖かったですけど…」

 

それぞれの自己紹介を終えると今度は離れたところにいた2人の女生徒が話に加わってきた。

 

「光井ほのかです。先ほどは大変申し訳ありませんでした!」

「北山雫です。迷惑をかけてごめんなさい」

 

それぞれが自己紹介と謝罪を行ってきたため、蓮司も同様に応じる。

 

「龍童蓮司だ。その場を収めるためとはいえ、魔法を使用しようとしたのは悪手だったな。まあ結果としてこじつけの口実になったわけだが…」

 

そこまで言い、達也を振り返ると苦笑を返された。

                    

「もうだりーし、眠いから帰ろうぜ…達也も彼女(・・)にはよく言い聞かせておけよ…」

 

そこまで蓮司が言い、今度は疑問が場を支配する。

 

「待て龍童、彼女とはどういうことだ?」

「は?いやいや、お前の隣にいる子以外誰がいるんだよ。そんな雰囲気だしな。苗字が同じってことは結婚してんのか」

 

蓮司は深雪を指差し、そう言い放った。瞬間、深雪の顔はこれ以上ないほどに赤くなり、エリカをはじめとした何人かは笑いをどうにか堪えていた。

 

「…龍童、誤解だ。深雪は妹だ。俺の彼女ではない」

「……あい??」

 

今度は気まずい雰囲気が漂い始めた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「どうにか収まってくれたか…」

「そうね、あの怒り様を見たときはどうなることかと思ったけど…」

 

生徒会室で真由美と摩利はそんな話をしていた。あと少し自分たちが遅かったら最悪死者が出ていたかもしれない。あるいはもっと早くあの現場にたどり着けばこんな騒動にはならなかったかもしれない。いずれにせよ、すでに後の祭りだが。

 

「なんにせよ、彼の人となりを少しでも確認できたのはよかったわ…」

「そういえば真由美、お前…」

 

そこまで摩利が言いかけ、ドアにノックがかかる。どうぞ、と声をかけると一人の男子生徒が入室してきた。

十文字克人。十師族の一家である十文字家の次期当主にして第一高校の部活連会頭。第一高校の三巨頭の最後の一人である。

 

「あら、十文字君」

「七草、渡辺、話は聞いた。大事はなかったのだな?」

「ええ、うまく溜飲が下がって話を合わせてくれたからね。本当によかったわ」

「そうか」

 

そこまで話し、再びある話題に戻る。

 

「話を戻すが真由美、龍童蓮司のことは以前から気にしていたのか?」

「ああ、そのことね…。かなり特殊な成績の取り方をしていたから気になっていたのよ」

「特殊な成績?」

 

そして真由美は蓮司の入試成績について伝える。その話を聞いて、摩利も克人も驚がくに包まれた。

 

「筆記試験を半分近く解かずさぼって、解いた問題は正答率100%だと!?」

「実技においては主席の司波深雪を超えていたのか…」

「ええ、こんなあべこべな成績は初めてよ。摩利には前に司波達也君の成績も教えたけど、それとはまた別方向で異常なのよ」

 

そこまで話し、真由美は席を立ち、窓際へ移動する。

 

「本当に今年は面白い子たちが入学してきたものね…」

 

波乱の予感を感じながら、真由美はそう呟くのだった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

時刻は夜。蓮司は自宅のアパートに帰宅していた。蓮司には同居する家族がおらず、一人暮らしである。夕食は先ほど買い食いをしたこともあり、空腹感を感じなかったため、今日はさぼることにした。そうして制服から部屋着に着替えた後、缶コーヒーを飲みながら、今日一日の出来事を思い出していた。

 

「疲れた…」

 

一日を総括し、一言呟いた。まあでも、面白いものも見れた。奇襲されるとは思わなかったが、その後のやり取りでそれなりの人脈をつかめたのはよかったのだろう。特に1年主席、生徒会長、風紀委員長と関われたのは、面倒ではあるがよかっただろう。

 

「その後が大変だったが…」

 

うっかり司波深雪と司波達也が夫婦だなんて勘違いをしてしまったため、その後はとても苦労した。深雪は終始落ち着かないし、エリカはそれを楽しみからかってくるし、美月は何やらものすごく期待した目をしていた。レオやほのかも苦笑いを浮かべ、雫に至っては

 

「普通間違える…?」

 

と、心底呆れた目で見られた。あんな視線を向けられたのは初めてだ。魔法師は早産が求められる。その先入観と自分の常識の無さのせいでいらない苦労をした。

 

「友達…か」

 

今日関わったメンバーとは気軽に名前で呼び合う仲になった。クラスメートともある程度親しくなったとは思う。後は、そこから何を学ぶかだ。

 

「メンド―だが…まあ悪くはないか」

 

そう思った矢先。突然連絡が届きテレビが付く。連絡してきたやつの名前を確認し、これでもかと表情を歪めざるをえなかった。そうして僅かな葛藤の後、連絡に応じた。

 

『やあやあ不幸面の蓮司君!!学生生活はenjoyしてるかい!?私は今日いい男を抱けてfeverしたとこだよ!!』

「うるせえよ黙れよ帰れよ死ねよ」

 

突然のセクハラとそれに対する辛辣な言葉。このようなやり取りはこの二人の間では定番のものではあるが、さすがに疲れていた蓮司は今回ばかりは早く切り上げたかった。それだけ目の前の女は面倒だった。

女性の名は霊峰美琴(たまみね みこと)。魔法生物やそれに起因する事象の研究を専攻する魔法師兼科学者であり、蓮司の未成年後見人、つまり保護者でもある。生活費などについては彼女が負担しているため、僅かばかりではあるが蓮司は美琴に頭が上がらなかった。

あと性欲が異常に強い。この女自体は美人の類に属しており、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。ただし性欲が強いため、いい男を見つけると食べる悪い癖がある。それも見境なしに、だ。

 

『つれないねえ、そんなだから君はまだDTなのさ』

「てめえみてーな糞ビッチに食われるよりは守った方が遥かにましだ。」

 

そんないつもの会話が続いたが、不意に美琴は微笑んだ。

 

『とりあえず良かったよ。一度君の怒りの感情が際限なく上がっていったからどうなることかと思ったよ。その後は機転の利く子がいて、それに君も乗ってれたみたいだから助かったけどね』

「…悪かった」

『謝る必要はないさ。普通の人間でもあれは怒って当然だ。むしろ最後はよく冷静に判断してくれた』

「…………相変わらず、お前の情報収集能力はどうなってんだよ」

 

しかいこういう慈愛のようなものがあるから、この女は嫌いになれない。

 

『で…どうだい、友達ができた気分は?』

 

またしても優しさのある声色でそう尋ねてきた。

 

「…そうだな。まあ悪くはない、退屈もしない」

『…いつか君の口から「楽しかった」と聞いてみたいものだね』

 

そうして微笑んだ後、次の要件に移った。

 

『そうそう、君に伝えなければならないことがいくつかあるんだ…』

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

夜。司波家のリビング。そこには部屋着に着替えた達也と深雪がティータイムを楽しんでいた。しかし達也は終始黙っていることもあり、会話が弾んではいないようだった。

 

「…お兄様?どうかなさいましたか?」

 

流石の深雪もいつもとは明らかに違う兄の様子が心配になった。深雪は今日の出来事で達也に迷惑をかけたことを気にかけていたが、達也の思考は別のところにあった。

 

「いや、そうだな…アイツのことを考えていた。」

「それは龍童君のことですか?」

「まあね」

 

そう、達也の思考はそこに集中していた。特に意識がいったのは彼の持つ二面性。一つは荒々しく、獣という表現すら生ぬるく感じる激怒した姿。もう一つは気だるそうで常に眠そうであり、食い意地は張るものの時に冗談も交える姿。あまりにも極端ともいえるその姿は達也の中で強く印象に残っていた。だが達也が最も気にしていたのは…

 

「深雪、正直に言おう。蓮司が怒りを浮かべ俺たちのもとに訪れ、自身を攻撃した者を排除しようとしたとき…俺は心の底から恐怖を感じていた」

「ッ!!?お兄様、それはっ!?」

「ああ。『激情』を無くしたはずの俺が、お前以外のことで心の底から『恐怖』したんだ。その出来事が頭から離れない」

 

あの時に感じた『恐怖』。あれは心の底から湧き上がる感じだった。蓮司の何にそこまでのものを感じたのか。達也には答えが出せなかった。

 

「…それでも、龍童君の優しさは本物だと思います。怖い面もありましたが、同時に他者を気遣える優しさも嘘とは思えません」

「…そうだな、ありがとう深雪。」

 

そう言って達也は深雪の頭をなでる。蓮司は何者なのか。それはこれから少しずつ知っていけばいいと結論付け、家族との時間を楽しんだ。

 




はい、というわけで第6話でした。いかがでしたでしょうか?

先に言いますが、というかお気づきの方も多いかもしれもせんが、蓮司君は非常識です。一般常識をあまり身に着けていません。生い立ちにも原因はありますが、それは後々。
そして友達が増えました。ここから交流が増えていくでしょう。よかったね、蓮司君(親目線)
三巨頭も今話で全員出ました。ここからどう関わっていくでしょうか。
そして何と言っても、今話で二人目のオリキャラが出ました。蓮司君の保護者です。このキャラも賛否が分かれそうだなぁ...しかしそれを覚悟で載せたので、よろしくお願いします。
そして最後のシーン。達也君はまだ蓮司君の存在を掴みかねています。とくに自身の心を揺さぶるというありえないことをしたため、余計分からなくなっています。しかし、極端に中を悪くさせるつもりはないのでご安心を。

では、次の7話でお会いしましょう!冒頭でもお伝えしたように連投します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。