魔法科高校で龍は生きる   作:ドンマッシュ

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どうもです、ドンマッシュです。

本日2話目です。今話は前話と同様に和やかな雰囲気です。魔法科って後半に進むにつれて、結構シビアでディープな内容になっていくんですよねぇ。なので楽しめるときはとことん楽しみます。

それでは、どうぞ!


1‐7 生徒会室

騒動のあった翌日。登校すると昨日の二科生たちと司波兄妹に会った。

 

「あ、蓮司君じゃん!おはよー」

「蓮司、おはよう」

「おはようございます、龍童君」

「おう、おはようさん」

 

続いて達也へと視線を向ける。

「よう達也、財布は大丈夫だろうな」

「分かったからその話を繰り返すな。傍から聞いたらただのカツアゲだぞ…」

 

最後に深雪の方を向く。

「………」

「あ~、その、昨日は悪かったな」

「い、いえ!別にいいんですよそんなこと!そ、そ、それだけ私とお兄様が、ふ、夫婦のように仲が良く見えたってことですから…///」

 

最後の方は消え入りそうな声だったがしっかり聞こえており、周囲も苦笑いを浮かべる。

 

「ほら蓮司君、そーゆーのは蒸し返さなくていいの。それより行こ!」

 

エリカがそう声をかけ、全員がその場から移動しようとした時だった。

 

「達也く~~ん、蓮司く~~ん、おはよ~~!」

 

そう声を出しながら小走りで駆け寄ってくる真由美の姿があった。その姿は周囲からも目立っており、達也たちは何事かと固まり、蓮司に至ってはあからさまに面倒そうな態度を出していた。

「ちょっと蓮司君、その顔は何?まるでめんどーって顔してるわよ」

「流石先輩よくお分かりで。付け加えるなら糞めんどーそうだなって思ったんすよ…」

「出会い頭に失礼ねこの後輩!?」

 

まるで漫才のようなやり取りに空気が少し和んだところで、改めて真由美が全員の方を見る。

「皆さんおはようございます。反省文の準備は大丈夫ですか?」

「おはようございます会長、そちらは問題ありませんよ。お一人なんですか?」

「そうね、朝は特に待ち合わせとかはしてないのよ」

 

そこまで会話が進み、今度はしっかり深雪の方へ向く。

 

「深雪さん、今日のお昼はお時間ありますか?実は折り入ってお話したいことがあるんです。」

「それは生徒会の関係ですか?」

「その通りです。よかったら達也君が一緒でも大丈夫ですよ」

「それはそれで問題があるようにも感じますが…それに弁当の用意もありませんし」

「生徒会室にはダイニングサーバーもあるから大丈夫よ」

 

これには達也たちも驚いた。入る前に言うのもあれだが、遅くまで仕事をすることもあるかららしい。そしてここまで話して、蓮司にも話が振られる。

 

「蓮司君もどうですか?実は摩利が君に相談があるんですって」

「生憎と今日は達也におごってもらう予定だったんで。それに風紀委員長が直々に話とか嫌な予感しかしな…」

「ダイニングサーバーはお代わり自由で料金無料よ」

「大事な話ならしょうがないですね是非伺いましょう」

 

なんとも現金な性格でちょろいものである。これが昨日底冷えするほどの威圧感を放っていたのと同一人物なのだから不思議なものである。

 

「そうだ、よかったら皆さんもどうですか?」

「せっかくですが遠慮しておきます」

 

真由美はエリカたちも誘ったが当のエリカはずいぶん素気ない態度で拒否の返答をした。これには周囲も困惑していたが… 

(こいつ、渡辺委員長の話になった辺りからずいぶん不機嫌になったな…何か個人的にあるのか?)

 

その異変に気付いたのは蓮司のみであり、それ以上突っ込むものはいなかった。

 

「そうですか…では深雪さん、達也君、蓮司君、またお昼に生徒会室で!」

 

そう締めくくり、今度こそ達也たちは校舎に入っていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「蓮司君、昨日何かあったの?なんか騒ぎになってたって聞いたんだけど」

「情報はえーな英美…」

 

教室で過ごしていると英美にそう声をかけられた。まああんな目立つところで騒動があったのだから誰かしらが見ていてもおかしくはないか、と蓮司は結論付け、あらましを伝えた。

 

「え~~、A組ってそんな感じなの?それは何かやだな~…」

「A組のみならず、この学校の一科生はそんな感じだろーが。たかが数項目でしか測れないテストの数値のみで優越感に浸ってるボンクラどもだ」

「それを私たちの前で言い切る君も大概だよね…」

 

そんな会話を弾ませていると気付けば授業の時間となり、時間はあっという間に過ぎていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

昼休み。それは昼食の時間でもある。一世紀ほど前にはその時間まで待つことができず弁当を食べてしまう「早弁」なるものが横行した時代もあったほど、食事というものは大事なのである。

 

「ここまで長かったな…」

「そこまで長くもないだろう…」

 

そんなやり取りをしながら、深雪、達也、蓮司の三人は生徒会室前に到着した。深雪が代表してノックをすると

 

『どうぞ~』

と返事があったため三人は入室する。

生徒会室には四人の女生徒が既にいた。真由美、摩利の二人は昨日の騒動ですでに知っており、あと二人は初めて見る顔だった。一人はストレートのロングヘアで手足も長く、きつめの印象だった。もう一人はかなり小柄であり、ともすれば中学生でも信じられないかもしれない。そんな感想を蓮司が抱いていると、

 

「失礼します」

深雪が一歩進んで姿勢を正し深々と頭を下げた。それはまるでどこぞの令嬢がパーティー等で行うもののようであり、これには真由美たちもその雰囲気に吞まれてた。

 

(こいつ、一般家庭の出じゃねえのか…?どこでそんなもん身に着けんだよ…)

 

蓮司は若干いぶかしく見ていたがそんなものはこれから起きることと比べると些細なことだろう。何故なら、これから昼食が始まるからだ。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

「それでは改めて生徒会のメンバーを紹介しますね」

 

少し食事が進んだのち、真由美が話を切り出した。ちなみに蓮司はお代わりをもうすぐ食べ終わる。

 

「私の隣が会計の市原鈴音。通称リンちゃん」

「私のことをそう呼ぶのは会長だけです」

 

鈴音は静かにそう切り返した。

 

「そしてその隣が、風紀委員長の渡辺摩利」

「改めて、よろしく」

 

摩利も短くそう返す。

 

「それから書記の中条あずさ、通称あーちゃん」

「会長…お願いですから後輩の前であーちゃんは止めてください!私にも立場があるんです!」

 

あずさはそう弱弱しく返した。これでは確かに「あーちゃん」である。

「そしてここにいませんが、副会長のはんぞーくんを加えたメンバーが現生徒会です」

 

そこまで話して蓮司の方へ向く。

 

「蓮司君、聞いてたかしら?」

「聞いてましたよ。卵は半熟の方が俺の好みです」

「聞いてないじゃない!?」

「冗談ですよ、よろしくです先輩方」

 

そう言いながら三杯目のメニューを終え、四杯目に入ろうとしていた。

 

「どんな胃袋をしているんだ君は…」

「す、すごいですね」

「それでいて食べ方もきれいです」

 

もはや全員の興味は蓮司の食欲に移っていた。これには達也と深雪も呆れるばかりだった。

 

 

食事がある程度終わったところで真由美が新たに話を切り出した。蓮司は5杯目の食事を食べ終え、ある程度満足したようだ。

 

「では深雪さん。あなたには生徒会に所属してもらいたいと考えてますがいかがでしょう?」

 

そう真由美に問われ、深雪は少し考えた後、返答をしだした。

 

「会長は、兄の成績をご存じでしょうか?」

「っ!?」

「?」

 

深雪の質問に達也は驚がくし、蓮司は純粋に疑問を感じていた。生徒会に二科生が所属した記録は確かなかったはず。成績上位者がなることが恒例だからだ。いくら身内とはいえ、二科生の兄の話を始めたことにただただ疑問を感じた。

 

「ええ、もちろん。入学試験7教科平均、100点満点中96点。特に魔法理論と魔法工学は圧巻で、両教科とも小論文を含めて文句なしの満点。前代未聞の高得点よ。こんな点数、私でも取れないわきっと」

「は?」

 

だが蓮司の疑問は真由美の回答によりすぐ解消されることなる。自分も受けたから分かるが、あの問題はなかなか難易度が高いものだった。特に小論文など、どれだけ知識や文章能力があろうと文章を書く際の個人の癖があるため、満点などそうそう取れるものではない。それを隣にいるこの男は成し遂げたというのか。

 

(こいつは純粋に驚いた。頭がいいとは思ってたが、まさかそんなレベルの頭脳の持ち主だったとはな)

 

素直に蓮司が驚いている中で、深雪はさらに熱弁を続ける。

 

「私を末席に加えていただくのはとてもうれしいですが、兄は私より優秀です。ともに入れていただくことはできませんか!?」

「残念ながらそれはできません。」

 

しかしそこで鈴音が待ったをかけた。

 

「生徒会役員は一科生から選ばれるのです。これは不文律によるものではなく、規則です。」

 

そこまで聞き、蓮司もなるほどと納得した。デスクワークで見るなら二科生にだって可能性はあるはずだ。特にこの現生徒会長の真由美はそういった差別を助長するような人物ではないとは思っていたが、規則なら仕方ない。

 

(その規則を設けたやつもゴミのようだがな…)

 

そう感じていると、深雪は頭を下げた。

 

「…不躾な発言をお許しください、先輩方」

「いえ、デスクワークなので成績優秀者はもちろんほしいのですが、生徒会が規則を破るわけにもいかないので…」

 

どうやら本音でいえば鈴音も達也は最適な人材と考えているようだ。

 

「ええと、それでは改めて深雪さん、生徒会入りを引き受けてくださいますか?」

「未熟な身ですが、よろしくお願いいたします」

 

ここで話は完結した。

 

「それにしても達也、お前とんでもない成績だったんだな。流石は深雪の兄貴ってとこか」

「何言ってるのよ。成績でいえばあなたもとんでもないでしょう?筆記試験を半分さぼって、実技試験で主席だった龍童蓮司君?」

 

真由美が更なる爆弾をぶち込まなければ。

 




はい、ということで第7話でした。いかがでしたでしょうか。

蓮司君の食べっぷり、食事への執念が現れた今話でした。これは彼の特徴の一つでもあるので、ちょこちょこ混ぜていければなって思います。
深雪の生徒会入りが決まりました。同じ場に同席できたことで、蓮司は達也のすごさを知ります。どうだ、すごいだろ達也君。
しかし蓮司君も負けてはいません。だって実技主席ですもん。さてこのあとどうなるのでしょうか。私もドキドキしてます。

では次、第8話でお会いしましょう!
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