キンジ達は武藤達を引き連れてリムジン・フォード・リンカーンに乗ると
その背後にあるもう一台の黒い車を見てあれなんだと思っていると諸葛が
こう答えた。
「あれに乗っていますのはアリアさん達ですよ~~。」
「あいつらも来てんのかよ!?」
「はい、殻金を持っているから香港に来なさいってメールしたらいの一番に
こちらに来て直感だけで私のいるランパオが経営している店に直接お仲間様と
乗り込んで・・・」
「・・・・・」
キンジは車の中でごくりと唾を飲んで諸葛は・・・あっけからんとこう答えた。
「孫にコテンパンにやられまして昨日迄私達の支部の一つに
監禁させてもらいました(笑)。」
それを聞いてキンジ達全員がずでっと転ぶ感じがした中で車が動くと諸葛は
こう説明した。
「あちらの君塚の店主から聞いていると思われますが私達は既にこの香港を
ランパオが殆どその手に収めていますので日本ともコンタクト取りつつ
香港だけではなく中国全土に流通網を表裏関係なく人脈を広げています空さんと
業務提携したかったのですが部下共が勘違いしていましてね、交渉ではなく
命令口調であれやこれやらやっていましてこの間私がお灸をすえた後に中国の
片田舎に頭を冷やしにいかせてますからもう大丈夫です。」
諸葛がそう言うとキンジは諸葛に向けてこう聞いた。
「そう言えばだがお前らが送ってきた中国武偵だが」
「ああ、ココ三姉妹ですか?彼女たちでしたら頭冷やさせるために
今はドイツのカツェさんのいる魔女連隊で雑用仕事させてもらってますよ。
何せ中国武偵局には中国共産党党員もいますから党の面子を潰されたからと
言われて彼女たちの資格を四女を除いて全員が国外追放とは名ばかりの
スパイ仕事として裏社会に送られました、今頃は不得意なドイツ語を
勉強しているでしょうね。」
ハハハハハと笑っているがキンジは待てと言ってこう続けた。
「四女・・・あいつらまだ家族がいるのか?!」
そう聞くと諸葛はこう答えた。
「ええ、装備の点検や売買を主にした裏方ですが交渉技術は
なかなか良いのですが貴方が来ると聞いて何やら企んでいるのですがまあ私が
いますから大丈夫でしょう。」
ハハハハハと笑っているがキンジは勘弁してくれよと頭を悩ませていた。
下手したら闇討ちされかねないと今のうちに武器をチェックするかと
考えている中キンジ達は香港島西部に来た。
ここは急峻すぎて人家が建てづらいことからプライベートビーチが
多数存在しており中には山の中にシェルターを造って政府高官が避難先兼
遊び場として使っているようだ。
そして日が傾き始めたころキンジ達は『深湾遊艇曾(シャンワンマリーナ)』と言うヨット・ハーバーでリムジンから乗り換えて船に乗ると諸葛はこう説明した。
「聞いていると思われますが我々ランパオは起源は海賊です、その為最初は
小さな無人島から始まって今では皆様がいる学園島と同じメガフロートの小型版『マリンフロート』となっております。」
そう言いながらほらあそこですよと諸葛の言葉を聞いてキンジ達は其処に
目を向けて・・・唖然としていた。
「おい・・・何だあれ?」
「あははは・・・何でしょうね・・・。」
「眩しくてサングラスが欲しいわ。」
「前に来た時もそうだったがいつ見ても慣れないな。」
「あれ全部でもやし・・・何億個分あるのでしょうか?!」
「貴公が気にするのは其処なのか?!だが我が家にもああいうのはあるがな、
少し控えめだが。」
「ご主人様・・・凄すぎです。」
「何て言うか・・・成金趣味ね。」
「君塚でもあんなの建てませんよ。」
「苦情が出そうだよねえ。」
キンジ・天草・松葉・ミシェラ・詠・カイズマス・ダイアナ・ポーナ・翼・
空の順でアハハと乾いた笑みを浮かべるが仕方あるまい。
何せランパオ城は・・・豪華絢爛で成金趣味抜群な建築物なのだから。
洋上にどっぷり浸かる3階建ての巨大な建築物で屋根瓦は藍色、
優雅に反った棟に鯱ではなく金色の中国龍、外壁は朱色を基調に薄青緑・白・金で彩っておりそのほぼ全面には龍・虎・亀・鳳がびっしりと施されていた。
するとその部分を見て天草は諸葛に向けてこう聞いた。
「諸葛さん一つ宜しいでしょうか?」
「はい、何でしょう?」
「あそこにある龍とかですがあれは四聖獣を模って魔術的な
防護壁となっているのですよね?」
「ほお・・・何故そこがお分かりに?」
「簡単です、反った棟の龍。金色なのは金運向上。朱色は鳳、つまりは朱雀。
白は白虎、薄青緑は玄武、金は青龍、本来でしたら蒼を基調とすべきですがこれは八卦などで運勢等を向上させるもの。龍は幸運を呼び残りの三体が守護、青龍が
守るはずの東側が入り口という事はあそこは守護する価値はない、そうなれば
残るは3つ、それが守る場所という事で良いでしょうか?」
「・・・素晴らしいですお見事、遠山様はどうやらお仲間様に恵まれて
羨ましい限りですねえ。」
諸葛はそう言いながら船でランパオ近くまで行くと周りにあったのは・・・
仰々しい程の船舶と護衛用船舶の数であった。
民間ボートから四角の帆ジャンク船、水上警察警備艇までもが往来していた。
香港においてここがどれほど重要なのかは理解できそうであった。
そしてタグボートに着くと諸葛は全員に向けてこう言った。
「ようこそ、ランパオ城へ。」
次回は内部へと。