キンジは其のタンカーを見て驚いていた。
嘗て武藤から聞いた話だが大規模Ⅱ種石油タンカー、然も空母よりも大きい
巨大船舶であった。
然も水面順から赤、黒、甲板上からは白と言う典型的なカラーリングであるが
赤い部分から殆ど見えない程に喫水線が深い程石油を満載しているのであろう
その船の国旗の部分を見るとキンジどころかポーナはそれを見て目を大きく
見開いていた。
「「・・・鉤十字(ハーケンクロイツ)・・・!!」」
それは嘗て第二次世界大戦にて一大勢力を担い世界の中で最も悪名高い組織・・・ナチス党の紋章であった。
そしてその下には赤地に白い盾と内側には黒い獅子が施されていた。
「あのマーク・・・レギメント・ヘクセの旗だよ!」
ポーナな言葉にマジかよとキンジはそう思っていた、あの魔女の恰好をした少女。カツェの事を思い出すと諸葛はこう説明した。
「レギメント・ヘクセは元々第二次世界大戦後にイ・ウーに逃亡した
ハインリヒ・ヒムラーが育成してたアーネンエルベのステルス部隊のみで
構成していいます、カツェはその9代目でしてその二つ名は・・・
『厄水の魔女』と言う異名持ちです。」
そう言っていると・・・下から声が聞こえた。
「飛んで火にいる夏の虫って言うのはこの事だわ!風穴開けて捕まえてやる!
ママの冤罪96年分はイ・ウー時代のアイツの罪なんだからね!!」
そう言いながら二丁拳銃を向けると上空から・・・何かが現れたのだ。
それはぶよぶよとした訳が分からないゼリーの様なものが乗っていた。
少し白身がかかったほぼ透明のスライムであったが諸葛はあれはと言って
こう続けた。
「厄水形ですか、あれは殆ど水と変わりませんから攻撃は無駄ですね・・・
一部を除いてはですがね。」
そう言った瞬間に諸葛は携帯を操作して暫くするとヘリか勝手に・・・
動き出したのだ。
然しスライムはそれを飲み込むと同時にキンジに向けてこう言った。
「今ですよ遠山さん。」
そう言ったと同時にキンジはインクルシオのプラズマキャノンを使って
攻撃すると直撃と同時に・・・消滅したのだ。
「どれだけ倒せないものでも攻略手段は幾らでもありますから。」
そう言うと今度は烏が現れたのだ、そして烏は持っていた携帯電話を置いて
出て行くと上空に舞い戻って行った。
そして携帯電話から・・・声が聞こえた。
『諸葛ーーーー!!手前何壊しやがるんだーーーー!!』
「一体何の用なんでしょうか、カツェさん?こちらはまあ色々ありまして金龍に鞍替えします。」
そう言うとカツェはそれを聞いてこう続けた。
『手前分かってんのか?西はディーンのMI6、東はグレナダのランパン。
この2つがどちらも遠山キンジ側に加わった・・・もうこいつらは
只の中立派じゃねえ、第3勢力・・・言うならば『戦主(パーティー)』・・・
そいつらは今後そう呼ぶがあたしらはそいつをそこ事・・・破壊する。』
『!?』
それを聞いてキンジ達は驚いていると諸葛はこう続けた。
「ここを破壊する・・・一体どうやってですか?」
そう聞くとカツェはこう答えた。
『・・・タンカージャック。』
それを聞いて上に辿り着いた理子がこう呟いた。
「タンカージャック・・・手前ここを火の海にする気か!?」
それを聞いて全員が一体どういうことだと思っていると理子はこう続けた。
「イ・ウーにいた時あたしはここから爆弾戦術を、カツェからは乗っ取り戦術をあたしに教えてもらった・・・それでタンカージャックだけどこいつは
テロリストがやるような爆破戦術じゃない。ニュースとかで聞いたことねえか
原油流出事故?あいつはまずそれを人為的に起こして湾内に広がせるんだ、あれの総重油量は15万トン。それが辺りに流れてもしそこが温暖な海なら
ジャンジャン揮発していくんだ、原油は海水よりも比重が軽いから浮かぶし
もしそれが1,3%に達すれば空気は全て・・・導火線になりゃあどうなると
思う?」
理子の言葉を聞くと上から天草が現れてこう続けた。
「・・・爆発すれば空気中の酸素は消滅します、そして・・・一酸化炭素中毒と窒息死!」
「そうだ、ナチスが開発していた『真空爆弾』・・・それの現代版だ。」
それを聞いて全員が驚いていると松葉がこう言った。
「厄介ね、あの船の航路が載ってないわ!」
それを聞くとアリアは諸葛に向けてこう言った。
「諸葛!ここで一番速い船を頂戴!!それでタンカーに」
「無理だよアリア、あの船までいけないよ。」
白雪がそう言うとこう続けた。
「海の・・・波と潮流を操作している、多分タンカーの中にいる魔女が
やってるんだと思う。」
それを聞くとならばどうするんだと思っているとポーナがこう言った。
「あたしたちのスーツにはハンググライダーと同じスーツが付いてある、だからいけるのはあたしと・・・オリジナルを持ってるキンジね。」
それを聞いて全員がキンジ達を見るとアリアはキンジに向けてこう言った。
「キンジあたしを運びなさい!ママの冤罪を造ったカツェをこの手で」
そう言いかけるが諸葛はこう返した。
「無理ですよ、貴方では彼女には勝てません。」
次回で14巻が終わります。