混弾のキンジ   作:caose

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 夜の嵐は恐怖である。


嵐の晩

 そして全員は着替えて(理子が作ったのと同じ奴)それから数日間は

仕事をしながら館の防犯カメラのタイプや視界の最大角度、館内にある防犯設備のチェックや小夜鳴先生の行動パターン(大体は研究施設に籠っているが食事と

バラの手入れの時だけは外に出ている。)を観察して1週間が経った。

 七日目の午後十時半過ぎの女子用の部屋。

 「雨か。」

 ジャンヌはそう呟きながら外を見ていた。

 ゴロゴロと遠くで雷の音が聞こえた。

 「これが日本の梅雨というものか、これほど降るとはフランスでも

滅多にないな。」

 そう言ってベッドに目を向けるともう一つの方に・・・何か巨大な物が

包まっているような物が見えたのでジャンヌはそれに向かってこう言った。

 「何しているのだ『神崎・H・アリア』?」

 「!!」

 アリアはそれを聞いてビクッとした様子で少しずつ顔を出すとジャンヌを見て

慌てた様子で毛布から出てこう言った。

 「べべべべ別に怖くないんだから!これはたたたたた只の・・・そう!!

練習よ!!練習!!?」

 「・・・私は何も言ってはいないぞ?」

 「うぎゅ!!」

 アリアはそれを聞いてぎくりとした表情になっていると今度は・・・

ピカピカガガーンと雷が近くで落ちたのかどうか分からないが近いことぐらいは

分かった。

 あまりの近さに少しびくりとしたジャンヌはそれを聞いて窓の方に目を向けた。

 「近いな、これは荒れる。電波状況も場合によっては最悪になりそうだから

理子との通信は嵐が過ぎる迄待つ・・・またか。」

 ジャンヌはアリアが再び布団に包まっているのを見て呆れていると・・・

もしかしてと思って少し笑ってこう聞いた。

 「お前もしかして・・・雷が苦手なのか?」

 「!!」

 それを聞いてびくりとしたアリアを見てジャンヌは成程なあと言って

こう続けた。

 「ハハハハハアリア!貴様何時も人に対して大見え切っている割には

案外可愛らしく小さな子供みたいな事するんだな!!」

 「子供ですっtぴゃああ!!」

 またもや雷がなったのでアリアはまたもや布団に潜り込むとジャンヌは

やれやれと呟いてアリアが潜っている布団毎アリアを抱きしめるとこう言った。

 「大丈夫だアリア、雷が止む迄私がこうしてあげるからその儘でいろ。」

 「う~~~~!!」

 「・・・歌でも歌うか。」

 ジャンヌはそう言って小さな声で歌を歌った。

 それは小さい時に母親が歌ってくれた歌。

 フランスの子守歌を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜12時。

 「?電話・・・ジャンヌ??」

 キンジは携帯電話の着信を見てそう呟くと電話でこう聞いた。

 『キンジ、済まないが来てくれないか?』

 「?」

 それを聞いて何だと思いながら部屋に向かうとそこで目にしたのは。

 

 

 

 

 

 

 

 「何が起きたんだこいつは?」

 ジャンヌの腕を掴んで寝ている布団に包まって寝ているアリアがそこにいた。

 「何があったんだお前ら?」

 「ああ、実はな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「雷がな、こいつがねえ。」

 「それだけではないぞ、こいつは前に調べたことがあるがカナヅチだ。」

 「雷嫌いで泳げない・・・普通の女の子と変わらねえなこいつは。」

 そう言いながらキンジはアリアを見ているとアリアは寝言でこう呟いた。

 「・・・ママ。」

 「「・・・・・」」

 それを聞いて何だかなあと思っているとジャンヌはこう呟いた。

 「先ほどまで子守歌を聞かせてやったんだがどうもそれで寝入ってな。」

 「それでその儘か、きつくないか?」

 「いや、寧ろ私は大丈夫何だがこいつはな。」

 そう言ってジャンヌはアリアの頭を撫でていると当の本人は

何やら嬉しそうであった。

 まるで母親に撫でられて嬉しがる子供の様に。

 するとキンジはアリアを見てこう呟いた。

 「まあ、母親助けるために頑張ってると言うがそれでもあの我儘はどうやったらああなるんだ?」

 キンジはそう言って頭を掻いているとジャンヌはくすくすと笑ってこう呟いた。

 「まるで子供の世話に悩む父親だな。」

 「そういうお前だって傍から見たら子供をあやす母親・・・」

 ジャンヌとキンジは互いの言葉を思い出して自分の今の現状を確認して・・・

互いに顔を赤くしてこう返した。

 「いやいや違うぞ!!今のは・・・あれだ!お前は将来保母さんとか

先生になれるとかそういう意味であって決してだな!!」

 「わあわっわわわわわ分かっている!私の今の言葉も・・・あれだ!

貴様はちゃんとした人間だと言う意味であってだな!!」

 互いにそう言い返すがはっきり言って・・・意識してしまい正直な所対応に

困ってしまっているのだがどうするどうすると考えがまとまらなかった。

 何せ互いにこう言う展開は・・・体験したことがないのだ。

 キンジは松葉といつも一緒の時があるのだがここ迄親密になった事など

滅多にないために経験値があまりにも少なくジャンヌに至ってはそれすら、異性と話すことなど家族以外になかったがために経験が無いのだ。

 その為かこう言う展開はどうするべきかと言う思考が至らない中で3人に・・・電話が鳴った。

 「「!!」」

 アリアの携帯は今机の上に置いてあるため・・・って言うよりも熟睡している為取る気配が無い為キンジとジャンヌは互いの携帯を取って・・・背中合わせにして電話を取った。

 ・・・何だかわからないがまるで初体験をする男女のようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 因みに相手は理子であったがために対応をどうしようかなど

まるっきり考えていなかった。




 次回は理子との会議。
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