混弾のキンジ   作:caose

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 そして開始。


作戦決行

 そして最終日の午後5時。

 キンジ達の契約終了1時間前に作戦が決行された。

 打ち合わせ通りにアリアが小夜鳴先生に例の薔薇について聞きたいと言う

口実を作らせておびき出すことに成功したことをジャンヌが通信で告げた。

 『こちら犬、ターゲットは猫の誘いに応じた。』

 「了解、こちら鼠。何時でも準備できてるぞ。」

 キンジはそう言いながらアサルト時代によく来ていた特殊部隊用の装備を

身に着けていた。

 これはカイズマスが定期的(宅配業者に成りすまして)に持って来てくれた

装備品でオープンフィンガーグローブ、赤外線ゴーグル、

ケブラー繊維のポーチ付きベストである。

 そしてキンジは潜伏期間の間にコツコツ掘っていたトンネルの蓋にしていた

遊戯室のビリヤード台の床下を開いて中継器代わりにしている携帯電話から

インカムで音声が流れるかテストした。

 「聞こえるか理子?これから土竜が畑に入る。」

 『よく聞こえますよー?キー君。ここからはケーちゃんの言う事よく聞いて

対応してね♪』

 「分かった、松葉。そっちはどうだ?」

 そう聞いて向こうにいる松葉はこう答えた。

 『問題ないわよ、今そっちのセキュリティーシステムに侵入したわ。合図と同時に赤外線センサーを消すから。』

 「分かった・・・出来れば感圧床も消して欲しいな。」

 『無茶言わないでよ!いきなり追加の防犯システムが加わったのよ!?

赤外線センサー止めるだけありがたく思いなさいよね!!』

 「ああ分かった分かった、これが終わったら夏休みに秋葉原で何か奢ってやるから大人しくしてくれ。」

 『良いわ!約束ヨ!!良いわね!!?』

 松葉はそれを聞いて通信を切るとキンジはこう呟いた。

 「・・・マジで金卸さないとな。」

 そう言いながらトンネルの中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こちらキンジ、土竜は蝙蝠になった。」

 キンジは小声でインカムを通して松葉に通信していた。

 兎にも角にも短時間でターゲットのブツを手に入れなければならないため

ある意味大胆な方法を命令してきたのだ。

 その名は『モグラ・コウモリ(モール・バット)』

 先ずは地上からトンネルを通って穴を伝って金庫室まで行って

その天井から逆さづりの状態で手に入れると言う計画なのだ。

 感圧床を考慮した計画で元々赤外線センサーしかないと高を括っていた為

この計画にしたのだ。

 そして金庫室の天井に着くとキンジはその事を松葉に伝えると・・・部屋の中で赤外線センサー用のケーブルを発見したジャンヌとそのデータを貰った松葉の

2人掛かりでセンサーをストップさせた。

 これはもし松葉の方でトラッキングされたとしても

ジャンヌがサポートしてくれるためある意味良い布陣なのである。

 そしてそれを聞いたジャンヌと松葉が同時にハッキングして

監視カメラのデータを偽装して赤外線センサーを止めた。

 『こちら梟、赤い鉄条網は溶けてなくなったわ。』

 『こちら犬、蝙蝠は幽霊と変わった。』

 松葉とジャンヌの言葉を聞いてキンジはローブを引っかけて下まで降りて

陳列棚の上に無造作で置かれている十字架を奪い取って懐から

本物そっくりに偽装した十字架を寸分違わぬ位置に置いた後

キンジは急いでローブを伝って天井に戻るとジャンヌから通信が来た。

 『こちら犬、ターゲットが地下に戻るがそちらは?』

 『こちら幽霊、目的は達成。帰還する。』

 それを聞いてキンジは天井に蓋をして去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「ありがとうございました。」」」

 「いえいえ、こちらこそ助かりましたよ。また来てくださいね。」

 キンジ達が武偵制服姿で挨拶すると小夜鳴先生はてきぱきと挨拶して

また地下室に戻って行った。

 そしてキンジ達はカイズマスの運転で理子がいるであろう横浜駅から程近い

横浜ランドマークタワーに向かう道中で天草が十字架を見てこう言った。

 「これがその十字架ですか。」

 そう言ってまじまじと見ていると天草はキンジに向けてこう言った。

 「遠山君、この十字架を見てどう思いましたか?」

 「?・・・見た感じ変わった奴だなとは思ってはいるな・・・それが??」

 どうしたんだと聞くと天草はこう答えた。

 「これに使われている金属・・・何なんでしょうねと思いまして。」

 「・・・確かにな、青い十字架なんて普通ないもんな。」

 キンジはそれを聞いてそう答えると天草は十字架をキンジに返してこう言った。

 「遠山君、『鎧竜剣』を持ってきました。」

 「サンキューな、それにしてもこれ・・・入用だな。」

 「ええ、我々は嘗て彼女を敵と認識して戦いましたからね。

万が一に備えての対策です。」

 そして私もと言って天草はある刀を出した。

 それを見てキンジは・・・背筋がぞわっとするような感覚に

襲われるような感じでこう聞いた。

 「天草、何だその刀は?」

 そう聞くと天草はこう答えた。

 「これは私の先祖が使っていた刀で妖刀なんです、

理子さんが何もしない事に越したことはないのですがね。

それとジャンヌさんの例のネックレスも持ってきました。・・・

何か嫌な予感がするもので。」

 天草はそう言いながら空を見上げた。

 今にも雨が降りそうな・・・そんな天気である。




 集合地点にテ。
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