混弾のキンジ   作:caose

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 奴がやって来た。


『ブラド』来る

「成程、それがお前の中にいる『ブラド』って奴か?」

 キンジがそう聞くと小夜鳴先生・・・いや、『ブラド』はこう答えた。

 『まあそんな所だな遠山キンジ、よく俺の存在に迄辿り着いたことには

敬意を払うぜ。』

 「お前に褒められても嬉しかねえが何故お前は未だ理子をいたぶる?

何が目的なんだ?」

 『おいおい遠山キンジよ、お前ならもう俺の変身条件の法則を知っていると

思ってたがハズレか?それともヒントと洒落込まねえと解けねえのかよ?』

 「・・・お前兄さんの血を」

 『正解、俺様が表に出るには必要な事。それは《絶望》を見て

それがトリガーとなる、然も観客がいれば猶の事な。』

 「・・・下種だな。」

 『褒め言葉と思って受け止めるぜ。』

 ゲバババババババと酷い笑い声をあげるとこう続けた。

 『そういやあ小夜鳴の奴俺の中で講義したい・・・勉強させてえことがあるって言っているが俺が代打で喋っておくがジャンヌがいるって事は《イ・ウー》についてお前どの位知っているんだ?』

 そう聞くとキンジはこう答えた。

 「《イ・ウー》は学校みたいな存在で全員が教師であり生徒、互いに自分の能力を教えあう事で内部における実力の向上を図るってのが目的だってのは聞いた。」

 『まあ正解だな、だが俺達はそうではなく・・・能力を写す。

詰まる話がコピーしあって強くなるって方法だ。血を使ってな。』

 「成程、ジャンヌさんの言った通り彼は吸血鬼のようですね。」

 天草がそう言うと『ブラド』はこう答えた。

 『正解だ、俺はそれで600年間交配なんつう獣じみたことはしねえ。遺伝子情報を写し取って自分を強化し続けたのさ。そして小夜鳴はそれを人工的に

使えるようにして誰でも出来るようにさせたのさ。

『レトロウイルス』って奴を使った選択できるDNA導入でな。』

 ま、後は本人に聞いた方が早そうだがなとそう言っていると・・・

天草がこう答えた。

 「『レトロウイルス』、確か『天然のナノマシン』とも呼ばれている

遺伝子治療や遺伝子研究を行うことが出来ると言われている

特殊なウイルスだと聞いたことがあります。」

 「成程な、それを使って誰と誰の遺伝子が相性が良いのかと判断するって

言った処か?」

 キンジは天草の言葉を聞いてそう答えると『ブラド』はこう答えた。

 『その通りだ、それから俺達は優れた遺伝子を集めるっツウ仕事で武偵校に

入り込んで相当数の血液を手に入れることに成功したのさ。」

 「成程な、お前らそうやって血を盗るから貧血で倒れた生徒達が

出てきたって訳か。」

 それならあの噂も納得だなとキンジがそう呟くと『ブラド』がこう言った。

 『俺は今まで色んな興奮で出てきたが何百年も経つ内に飽きてしまってたんだがお前の兄貴のおかげで俺様はまた出ることが出来たんだぜ?』

 感謝するぜとそう言うと『ブラド』は全員に向けてこう言った。

 『それじゃあ・・・始めようぜ!!』

 そう言った瞬間に・・・変異が起こった。

 ビリビリとこ洒落たスーツがまるで紙みたいに破れ始めてその下にある肌が

白に近い肌色から赤褐色に変色したと思いきや体中の筋肉や骨から

ポキ、バキリと嫌な音をたてながら盛りあがっていき最後に

何やら蔦の様な模様をした刺青が白く浮き出ていた。

 然しキンジはその場所を見てこう思っていた。

 「(あれがジャンヌの言っていた弱点か・・・それにしても何だありゃあ!?

吸血鬼って言うよりも『ジキルとハイド』のハイドみたいじゃねえか!!)」

 正にそっちに近いよなとそう思っていると『ブラド』は全員に向けて

こう言った。

 「Ca mai faci・・・・いや、日本語で言ったほうが良いよな?

『初めまして』と言っておくぜ。」

 そう言うとキンジはこう言った。

 「まるで『ジキルとハイド』だなお前は?まあ、薬を使わない分

そっちの方が汎用性高そうだけどな。」

 そう言うと『ブラド』は笑ってこう言った。

 「ゲバババババ!当たり前だろう?アイツと俺は古い親友でな、

アイツが使っていた薬は俺の僅かな血液を培養して複製して作り上げたつまり俺がオリジナルって奴だ。」

 ゲバババババと笑ってそう言うがあれって真実だったのかと

キンジはもう笑うしかねえなとそう思っていると『ブラド』は

理子の頭を掴んでこう言った。

 「よう4世、久しぶりだな『イ・ウー』以来って所だが

俺様が人間に変身できるって事は知らなかったよだな?」

 『ブラド』がそう聞くと理子がこう言った。

 「だま・・・したな、『ブラド』・・・!!お、オルメスの末裔を斃せばあ、

アタシを・・・解放・・・するって・・・話・・・『イ・ウー』で」

 「其れは手前が遠山キンジに負けたからだぜ?」

 「ぐう・・・!!」

 「お前はやっぱり檻の中だブルート・ビッチ、少し放し飼いにしておけば

おもしれえ事になると思って期待したんだが出来損ないのホームズに勝った如きでいい気になるわそこのガキに負けるわ盗みの手際も作戦の立て方もお粗末で

手前何学んでたんだ役立たずが!!」

 「が・・・ああ!」

 『ブラド』が少し手の力を強くすると理子は苦しそうにうめいているので

少し和らげてこう言った。

 「もう手前は檻に戻っとけ、そんでそうだな・・・適当な奴と交配させて

5世でも製造させるか?それとも俺とヤルカ?お前の体だと間違いなく

ぶっ壊れちまうこと間違いなさそうだがまあ仕方ねえよな

俺から逃げたんだから。」

 「あ・・・ぐう・・・。」

 理子はうめいているのを見て『ブラド』は理子に空を見せてこう言った。

 「さあよく見ろこの光景を!これがお前の最後のお外の光景を!!

これが人生最後だからな!!」

 ゲバババババと汚い笑い声をあげる『ブラド』を見て頬から

大粒の涙を流している理子は・・・天草を見て手を差し伸ばして・・・

こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・た、す、け、て、・・・天草・・・。」




 『ジキルとハイド』は本作オリジナル解釈です。
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