混弾のキンジ   作:caose

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 等々戦地だ。


潜入

キンジ達がアリアがいるであろう海域に向かってかれこれ10時間が経過した。

 朝の7時に出動したとして既に10時間が経過した。

 そして内部に搭載されているソナーを見てみると幾つもの巨大な物体の反応が

確認されたのだ。

 「何だこれは?」

 「キンちゃん、何かあったの?」

 白雪がそう聞くとキンジはこう答えた。

 「ああ、何か感知したようだ。ちょっと潜望鏡で確認してみる。」

 そう言ってキンジが潜望鏡が出せるくらいの深度迄上に上がって見てみると

そこで目にしたのは・・・自然の神秘であった。

 「すげえな、鯨がこんなに。」

 そう、巨大な物体の正体は鯨でありその吐き出される水柱があったのだ。

 然もシロナガスクジラで絶滅危惧種にカウントされているタイプなので

貴重な光景である。

 すると通信が来た。

 不知火『遠山君、今の見たかい?』

 キンジ「ああ、中々の光景だな。」

 ミシェラ『これ程のシロナガスクジラを拝める日が来るとは

良い事もある物だな。』

 互いにそう言ってキンジ達はその間を進むと霧の向こう側で船の様な

シルエットが見えたので確認してみるとそれは・・・キンジにとって

因縁深い物であった。

 「ア・・・『アンベリール』号・・・!」

 豪華客船『アンベリール』号。

 金一が失踪し自身がアサルトからインケスタに映ったあの事件の船が

そこにいたのだ。

 沈没したはずだとそう思っていたが恐らくサルベージされたのだろう、

かなり改造されていた。

 タンカーの様に見える甲板の上には巨大なピラミッドが増設されている為喫水線が沈みそうな位に低くなっていた。

 『パトラは自身の力を最大限に引き出すためにあれを造った様だな、

奴は超偵におけるランクは25G。世界最強の魔女に数えられる程だ。』

 「詰まる話俺達はアイツの得意なフィールドで戦う

羽目になっているという訳か。」

 『そうだ、私達があの船に入った時点で奴が動くかもしれないから

気を付けろ。』

 ミシェラがキンジに向けてそう言った後に全員は潜水艦から出てきて

ロープを投げて引っかけて上に上がっていくと船の上は最早船とは言えないものとなっていた。

 ピラミッドは頂上部分がガラス製となっており周りは砂で出来た陸のような

部分が増設されており更には10メートルはあるであろうパトラの座像が

四方にそれぞれ一体ずつ存在していた。

 すると白雪がそれを見てこう言った。

 「これ・・・かなりアレンジされているけど古代エジプトのアブシンベル神殿を模しているけど凄い魔力だよ。これ全部魔力で造っているし多分だけど

鯨たちもそれで操っていると思うよきっと。」

 そう言うと天草達もこう続けた。

 「恐らくは魚雷や潜水艦対策なのでしょうが大型限定ですね、だからこそ

小型艇を使う僕らにはなんの見向きもしなかったのでしょうね。」

 「然しあいつの自身に対する評価は過剰評価も大概だな、前よりも

悪化していると見た方が良いぞこいつは。」

 ミシェラはパトラの座像を見て頭を掻きながらそう言った。

 確かにまあ自己顕示欲が大き過ぎるなと思いこう思っていた。

 「(だからこそ『イ・ウー』を追い出されたんだろうな、内部における

不和を取り除くために)」

 キンジがそう思いながら周りを見ていると不知火がこう言った。

 「皆、こっち来て。トンネルがあったよ!」

 それを聞いてキンジ達が見てみると確かにだが砂で出来ている様な

感じであったがために万が一を考えなければならないと思ってこう言った。

 「良し、皆慎重に行くぞ。これで万が一砂の中に閉じ込められたら

窒息するからな。」

 それを聞いて全員が警戒して中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だがそれは杞憂であった。

 分かれ道だらけで迷路のようになってはいるが通路には恐らくは道標であろう、上に向かえる階段のある場所に篝火が燃えていた。

 恐らくこれはキンジ達の挑戦状も含めているのであろう。

 《我々は逃げも隠れもしない、我々に勝てると思うのならな。》

 そう言っている様な感じであった。

 そしてその儘上に上って行くと巨大な扉がそこにあった。

 鳥や蛇で描いている象形文字(ヒエロクリフ)があったので天草達が解読するとこう答えた。

 「キンちゃん、ここは《王の間》らしいよ。」

 「詰まる話がここにパトラと遠山君のお兄さんがいるという事ですね。」

 「全員武器を構えておけ、何時でも戦えるようにな。」

 そう言うと白雪が自身の頭に結っている白いリボンに手を掛けようとすると

キンジを見て辞めるが他は違っていた。

 不知火は銃を、詠は背中に背負っているバスターソードを、天草は《村雨》を、ミシェラは今回の戦闘に伴い封印を解除されており嘗て最初に

キンジに対して使った赤い宝石があるネックレスを、

そしてキンジは《インクルシオ》を顕現させた。

 そしてキンジが扉に手を付けるか否かの所で・・・扉が自動的に開いたのだ。

 そして中を見て驚いたのだ。

 中には豪華な絨毯が敷かれた床石も室内を取り囲む石柱も、奥に据えられている巨大なスフィンクス像が全て黄金であったのだ。

 すると突如として・・・声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よくぞ来たのう、極東の愚民ども。」

 「「「「「「!!!!!!」」」」」

 全員が声があった方向を見るとスフィンクス像の真下に玉座があり

そこにいたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よう、久しぶりだなパトラ。」

 「ほう、よく来たのウ。遠山キンジ。」

 パトラがそこにいたのだ。




 次回は戦闘になるのかな?
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