「クウウ!何なんじゃこれは!?」
パトラはそう言いながらも黄金の丸盾を作って防御しようとすると・・・。
「後ろが留守だ。」
「がは」
インクルシオによって透明化しているキンジが攻撃して・・・。
「力が弱まったぞパトラ!」
ミシェラが自身の氷結能力を使って丸盾を突き破って貫く手前で・・・
パトラが曲刀で往なすも続けてきた蹴りに対応できずに蹴り飛ばされた。
「ごほ。」
壁に激突して酸素を吐き出したパトラは憎らしい表情でキンジ達を
睨みつけていた。
何故自身の魔力が通用しないのか?
何故無限の力を手に入れた自分がここ迄追い込まれているのかと思っていると
ミシェルがこう言った。
「確かに貴様は無限の魔力を持っている。」
「?」
「このピラミッドの中では無限の魔力で貴様の能力は最大限に
引き出されている・・・だが一つだけ引き出されていないものがある、
それが何か分かるか?」
それを聞いてパトラは何じゃと聞くとミシェラが何か言おうとした
ところで・・・
・・・・何処かで声が聞こえた。
「体力ヨ。」
「「!!」」
キンジとミシェラは今の声を聴いてまさかと思って周りを見て・・・その人間が見えた。
茶色に近い長髪を三つ編みで編んで現れた絶世の美女に・・・化けた存在。
「兄さん。」
「久しぶりねキンジ。」
遠山金一改めカナが現れた。
2人が互いに身構えているとカナがこう答えた。
「確かにパトラはこの中では魔力が最大値迄上がれるけどその代わり体力は
其の儘変わらないから能力は上がっても実力は其の儘、だからこそ戦闘経験が高い2人のコンビネーションには付いて行けない。それが貴方の敗因よパトラ。」
「馬鹿な・・・あり得ない。」
「『あり得ない事はあり得ない。』。それが世の中のルールよパトラ。」
「うぐ・・・。」
パトラは苦々しい顔をしていると・・・カナがにこりと笑ってこう言った。
「そういえばだけど・・・攻撃しなくて良いのかしら?」
「?」
パトラはそれを聞いて何じゃと思っていると・・・突如としてパトラが
縛られたのだ。
「「「!!!」」」
それを見てキンジ達が驚いていると・・・砂嵐が収まったのだ。
するとよく見たら巨大な例のバケモノが天草達と戦っていたのだが
それが崩れるかのように崩れたのだ。
「一体誰が・・・?」
キンジがそう呟くと・・・上から声が聞こえた。
「貴方がカナの弟?」
「!誰だ!!」
キンジが銃を向けるとそこにいたのは・・・小柄な少女であった。
黒髪ツインテールの少女が持っているヨーヨーを使って近くにある柱目掛けて放って括った後にまるでアクションスタントマンの様に移動して下に着くと
キンジに向かってこう言った。
「初めまして、私は『月詠 調』。カナの相棒、貴方の事は
ずっと監視していたわ。」
それを無表情でそう告げた後にもう片方の腕にあった・・・ヨーヨーの糸を見てカナに向けてこう言った。
「カナ、これで良い?」
「ええ、よく頑張ったわね『調』。」
「うん、だから褒めて。」
「よしよし。」
カナはそう言って『調』の頭を撫でていた。
まるでねこの様な感じだなと思っていると『調』はこう続けた。
「それとアリアなんだけど取敢えずはホールの椅子に寝ているから
後で回収するの?」
「そうね、ここに長居するつもりはないしね。」
そう言っていると・・・パトラが大声でこう言った。
「ええい離さぬか無礼者が!妾を誰と心得ておる!!
いずれは世界のファラオにもなるこのイギャアアアアアア!!」
「煩い黙って、これ封印するのに集中するんだからうっかりどっかが
吹き飛んでも知らないよ。」
「!!」
パトラは『調』の無表情の奥にある確かなる目を見て恐怖して黙ると
『調』はこう続けた。
「大体貴方は何時も下に見るから負けるんじゃないの?私にすら
勝てないもん。」
「!!!」
パトラはそれを聞いて怒りを露わにして何か言おうとした瞬間に
『調』が指で糸を弾くとパトラの全身から血が噴き出した。
「Q!!!!?!?!]
パトラはその痛みで悶え苦しむと『調』はこう続けた。
「分からない?この『対魔力封印』用に編み込んだこの糸は魔女連合から
貰ったものだから貴方の魔力はもう使い物にならないって事が?」
それを聞くもパトラは余りの痛みで泣きそうになっているが・・・
カナが何かを感じて全員に向かってこう言った。
「皆海から離れて!!」
そう言った瞬間に・・・船が大きく揺れた。
「な・・・ナンダ!?」
キンジがそう言うが全員船の揺れに対応するために近くにある柱に摑まったり
剣で床を突き刺して暫くして収まった瞬間に・・・何かを感じた。
「遠山君!」
「ああ、天草も気づいたか!?」
天草とキンジがそう言っていると殆ど全員が・・・震えていた。
「キンちゃん・・・怖いよ。」
「何だこの悪寒は?」
「寒くて・・・震えが止まらないですわ。」
「カナ・・・怖いよ。」
「大丈夫よ『調』!」
カナ『調』に向かってそう言うが自身も震えていた。
正直な所キンジも震えている中で・・・ミシェルがこう言った。
「この悪寒・・・まさか!?」
「おいミシェラ!?」
突然ミシェラが何かを感じたかのように外に出てみると・・・
先ほどの鯨どころか鳥一羽も姿が見えないのだ。
そしてアンリベール号のすぐ近くの海面が盛り上がって・・・現れたのだ。
潜水艦が。
「これは・・・潜水艦?」
キンジがそう言うとミシェラがこう答えた。
「そうだ、あれこそ『イ・ウー』の本拠地・・・潜水艦『ボストーク』号。
当時のソ連から強奪した潜水艦だ。」
「マジかよ。」
キンジがそう言った瞬間に・・・吹き飛ばされた。
「遠山!?」
キンジが吹き飛ばされたのを見てミシェラが近寄るとカナが出て・・・
こう言った。
「キンジ、あれこそが『イ・ウー』の『プロテキシオン』よ。」
「あれが・・・リーダー。」
キンジは少し痛みがあるがそれでもと船の柵を掴んで見てみると現れたのは
一人の男性。
ひょろ長い痩せた体。
鷲鼻に角ばった顎
右手には古風なパイプ、左手にはステッキを持った20歳ぐらいの男性
するとカナが・・・その男性の事をこう呼んだ。
「あれこそが『プロテキシオン』・・・『初代シャーロックホームズ』よ。」
それは全ての武偵の大元にして最強の存在。
アリアの先祖でもある『シャーロックホームズ』その人であった。
次回第5章にへと続く。