キンジと松葉は天草の案内で部屋に入った。
二年生の中に於いて能力が高い又は実力があると言った人間にはこう言った
個人用の部屋が充てられているのだ。
天草の部屋はステンドグラスの窓に向かいあった机が一つずつと言った
こじんまりとした空間であったがその机の上には・・・一本の剣が鞘と共に
置かれていた。
「封印の解除ですが一段階まではやっておきましたので後はキンジさん次第です」
そう言って天草はキンジのその剣を見せた。
見た目から見て西洋剣。
両刃剣であり柄の下には鎖が付けられていた。
「・・・『鎧竜剣』。」
「それがキンジの家に古くからあるって言う?」
「ああ、と言ってもこれは母親って言っても俺が生まれてすぐに死んだから
覚えてねえけどこいつは母親の形見なんだ。」
「・・・御免。ぶしつけなこと言って。」
「良いさ、気にしてはいねえよ。兄さんの話だとこいつは嫁入り道具
だったらしいんだけど一体何の剣なのか分からねえってさ。」
「それでもそれは業物の一つです。大切に扱った方が宜しいでしょう。」
天草がそう言うとキンジはそれを腰に差すと天草はさてとと言って料理を出した。
料理はポトフ、魚と青梗菜のあんかけ、鶏肉のトマト煮、雑炊である。
それらを出すと天草は祈りを捧げてから全員でこう言った。
「「「頂きます。」」」
「それにしても奴隷とは穏やかではありませんね。」
「だな、何が言いたいのやら?」
「それにしてもアリアねえ・・・一年生の終わりにってアンタはそん時
学校来ていなかったけど有名だったのを思い出したわね。」
そう言いながら食事を進めていると天草がキンジに向けてこう言った。
「今回の件ですが今は『レピア』が自転車の調べをして『インケスタ』が
調査しているようですがそちらは目星はついているのでしょう?」
そう聞くとキンジと松葉が揃ってこう言った。
「「実は・・・。」」
「成程・・・確かに考えてみれば内部犯における犯行と言われれば
納得がいきますね。」
「ええ、私はあの送信データから犯人がいた場所の防犯映像を手に入れようと思っているんだけどそれはキンジにやらせるわ。『餅屋は餅屋』ってね。」
「ああ、今や俺も『インケスタ』だからな、捜査は任せろ。」
「だけど不思議よね・・・『武偵殺し』のオリジナルは
確か逮捕されているはずよね?」
「ええ、犯人は『神崎 かなえ』って言う名前でしたね。」
「となると模倣犯か。目的は一体・・・?」
キンジがそう呟くと松葉がこう答えた。
「多分だけどアンタ狙いってのは間違いないわね、目的は分からないけど。」
「そうですね、今後は僕たちが変わりばんこでキンジさんの送迎を
見送るって事でどうでしょう?」
「・・・良いわ。さっきみたいにならないように私達がいたほうが時間が
分かるだろうし。」
「・・・済まない。」
「良いですよ。僕たちは仲間なんですから」
天草がそう言うとキンジは恥ずかしそうに頬を掻いていた。
そして夕方。
「今日一日で色々と遭ったからね。アタシがアンタのパソコンとかに
ハッキング防止用のワクチンソフトとかをインストールさせておくから
それと時計に関してはテレビとかを見て判断しなさいよ!」
「分かってるよ。俺も流石にあれはこりごりだ。」
そう言いながら部屋に向かって行くととある少女が・・・アリアがそこに
座っていた。
するとアリアはキンジがいるのを見て大声でこう言った。
「遅いわよ!私が来ているんだから5秒以内に来なさいよ!!」
「俺はお前に来いなんて言ってねえだろうが。」
「何よ何よ奴隷の癖に!!」
「奴隷制何て数百年前から消えてるわよ。何?イギリスじゃあ奴隷制が
復活しているのかしら?それともそれがイギリス武偵の流儀なのかしら?」
「!!・・・それは」
「キンジは誰のものでもないわ。そして私も誰のものでもないわ。アンタが
あたし達を所有物なんて思うのならアンタハ武偵じゃないわ。」
「!!・・・ナンデスッテ・・!!」
「私達武偵はね、法を犯す人間を取り締まり、正しく、そして誰よりも
仲間を想い、助け合うのが普通なの。アンタガ言っているのは只の自分勝手ヨ。」
「アンタ・・・良い根性して」
「それとあんたもあたし達と同じ17歳だったらちょっとは自分が
言っていることも考えなさい。癇癪起こして子供みたいに喚くのは良いけど
それを私達に迄巻き込むことが高校生だっていうのかしら?」
「・・・・・」
アリアはそれを聞いて顔を俯かせて黙っていると松葉はこう続けた。
「どうでも良いけどアンタが言っているのは小学生でもわかるくらいの
言葉ヨ?それすら分からないならもぅいちど小学生からやり直しなさい!」
松葉の言葉を聞いてアリアは唇をギリりと噛みながら俯いたまま部屋の前に
置かれていたキャリーケースを持って立ち去って行った。
「・・・ちょっと言い過ぎたかしら?」
「良いんじゃねえのか?松葉の言ってたことは間違いないし俺だって
同じ気持だ。」
キンジがそう言って松葉を弁護するとこう続けた。
「さてと・・・飯にするけど一緒に喰うか?」
そう言いながら部屋に入っていくキンジを見て松葉はこう呟いた。
「・・・ええ、一緒にね。」
次回はバスジャック。