混弾のキンジ   作:caose

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 8巻目です。


宣誓

「バンティーレに集いし各国の組織・機関・結社の方々よ、先ずは

この私遠山金一が敬意をもって奉迎したい。」

 金一がそう言って頭を下げる中でキンジは何で俺がとそう思っていた。

 周りにいるのは間違いなく敵、それもイ・ウー崩壊でバラバラになった面々が

殆どであり一触即発ムードであった。

 「(取敢えずはミシェラとあの狐っポイ子供は味方で兄さんは・・・どうだろう、味方って訳じゃないかもな。)」

 そう思いながらどうしたら良いんだと間違いなく場違いな感じを漂わせながら

キンジは空を仰いでいると金一がこう続けた。

 「初顔の者もいると思うので序言しておこう。ここに居る誰もが嘗て諸国の闇に

自分を秘しつつ武術・知略を伝承し、その時代の中で求めるものを巡って

血で血を洗う戦いを繰り広げてきたがイ・ウーの隆盛と共にその争いを

一旦休止したが・・・崩壊してしまったがために今また砲火が

開かれようとしている。」

 そう言ってその殆どが・・・キンジに向けてじろっと見ていた。

 「・・・マジで。」

 完全に敵地じゃんとそう思いながら頭を抱えているとミシェラがこう言った。

 「まあ落ち着け遠山、今お前に対して見ているのは戦力として

見てくれている事だ。うまく立ち回れば勢力次第では対価も

中々な物かもしれんぞ?」

 「その前に死ぬ確率が高そうだけどな。」

 溜息交じりでそう言うと・・・柔和そうな艶のある甘い声が聞こえた。

 「・・・皆さん、あの戦乱の時代に戻らない道はないのでしょうか?」

 そう言うのは碧眼のシスターの服を着た・・・冗談かよと言いたいばかりにデカい大剣を持った女性がそう言うとこう続けた。

 「バチカンではイ・ウーを必要悪として許容しておりました、高い戦力を有するイ・ウーがどの組織とどういった同盟をするのかを最後まで沈黙し続けたことにより誰もが『イ・ウーの加勢に入った敵』という最悪の状況にならなかった事から

長きにわたる休戦が実現できたのです。その尊い平和を保ちたいと言う

切なる願いの元ここへ参ったのです。平和の体験に学び、皆さんの英知を以て

和平を成しえて無益な争いを避けるために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「出来る訳がねえだろメーヤ!この偽善者が!!」

 そう言うのは如何にもと言う感じの黒っぽい魔女の服に右目に逆卍を

斜めにした・・・欧州の長い歴史において最も忌むべき存在、旧ナチスドイツの証『ハーケンクロイツ』が刻まれていた。

 そして残った紅い左目でぎろりとメーヤと呼んだシスターを睨みつけると

こう続けた。

 「手前らちっとも休戦してなかったじゃねえか、デュッセルドルフじゃ

アタシの使い魔を襲いやがった癖に平和だあ?どの口でほざきやがるんだ

この牛女が!」

 そういう魔女に対してメーヤと呼ばれたシスターは・・・こう返した。

 「黙りなさい『カツェ=グラッセ』。この毛皮らしい不快害虫が、

お前達魔性の者共は別です。存在そのものが地上の害悪、殲滅して絶滅して

根絶する事に何も躊躇い等ありませんし生存させておく理由が

旧約(アンティコ)・新約(ヌオヴオ)・外典(アポクリファ)含めて

聖書(セビア)の何処にも見当たりません。然るべき祭日に聖火で黒や気にして屍を八つ裂きにしてそれを別々の川に流す予定を立ててやっているのですから・・・ありがとうと言いなさいありがとうと!ほら言いなさいありがとうと!!

ありがとうと!?」

 「・・・あの人真面かなって思っていた俺が恥ずかしい。」

 「いやむしろこの会議でああいいながらも未だ銃弾どころか剣すら出ない辺り

未だ真面な方であろうな、普通ならばこう言う話し合いしながらも

攻撃していることが普通だと聞いたことがある。」

 「・・・マジかよ。」

 これでまだマシって何なんだと思っていると・・・『カツェ』と呼ばれた少女が笑いながらこう言った。

 「ぎゃははは!おうよ戦争だ!!街に舞ったお前らバチカンとの戦争だぜ!?

こんなチャンス一生のうちに一度あるかないかって奴だから腕がなるってもんだ!そう思わねえかヒルダ!」

 そういう・・・背中に巨大な蝙蝠の翼を生やしたゴスロリの少女に向けて

そう聞くと当の本人はこう答えた。

 「そうねえ、私も戦争大好きよ。良い血が飲み放題だしそれに

気に入った奴がいたら持ち帰れるしね。」

 そう言いながらキンジに向けて紅い・・・牙をギラリと見せつけた。

 すると『メーヤ』は『ヒルダ』に対してこう言った。

 「『ヒルダ』・・・一度首を落としておきながら未だ生きているとは

しぶといですね。」

 「首を落としたくらいでドラキュリアが死ぬとでも思っているならやっぱり

バチカンはおめでたいですわね?お父様が離してくださった何百年前の話と

全く変わっていないわ。」

 ほほほほと笑っていると細めの中国人男性がこう言った。

 「和平と仰っていますが『メーヤ』さんそれは不可能です、元々我々には長江(チャンジャン)の様に長きにわたり黄河(ホアンホー)の様に入り組んだ因縁や同盟の好があったのですからね。」

 そう言うと金一は全員に向けてこう言った。

 「ここに居るものは全員浅はかならぬ因縁がある、それを忘れろとは言わんし

今この瞬間に戦いは始まってしまったのだ。初めてしまった以上終わらせなければならないこの戦争に勝たなければ未来が無いと言うのもまた事実、ならば戦うしか生き残れないと私はそう思っているが何か言いたい事はあるか?」

 そう聞くと全員何もなかったので金一はこう言った。

 「良し、それではバンティーレのルール説明に移行したい。」




 次回はルール内容。
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