年末カウントダウンライブの当落が発表されて騒然としてますね。
まぁ行けないんですけど。
それではどうぞ
前回のclublive!superstar!!
バンド界の伝説となった父をもつ僕、スティーブ・エイリー。
でも父みたいになんでも出来るわけでなく、代々木音楽高等学校をやめようとしていた。
「僕は音楽に不向きな人間なんだ。」
でもそんななか慶洋さんと出会い、彼らの歌を聴く。
「分からない!僕と君の違いが!生まれた環境は僕の方が圧倒的に上なはずなのに!なんで僕より君の方が歌が上手いのか!分からない!!」
でもそんな彼らから戦力としてバンドメンバーに誘ってくれた。これから更に上を目指す!
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都立神泉高等学校。
今clublive優勝が最も近いバンド、グランドマリンの学校。
彼らは部室で岡山で演奏した慶洋の演奏を聴いていた。
「圧倒的にレベルが上がってるな慶洋達。」
「なぁに俺らの足元には及ばねぇよ。なぁ智樹。」
「そうだね拓海くん。慶洋さん?だっけ。あんなやつ俺のベーステクよりもよっぽど下だね。」
「2人ともすぐ足元すくわれるよ。俺は素直に凄いと思うけどなぁ。」
「蒼良。お前はいつもあいつの肩をもつな。」
ロッカールームから藍翔が出てくる。
「じゃあさ、アイツらとライブやってみようよ。どの道神宮音楽祭にバンド部門でもうひとつバンドを呼ばなきゃなんない。俺らにその権利を委ねられてる。合同曲も作んなきゃなんねぇんだろ?ここでアイツらの実力を見てやろうじゃねぇか。」
「なるほどな。よしいいだろうやってやろうじゃねぇか!」
「「「おっしゃあ!」」」
(待ってろよ慶洋。その希望打ち壊してやるよ。)
拓海は意気込んだ。
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部室にて。
ACEのメンバーに教えて貰った練習をこなす5人。
「よし、休憩にしようかみんな。」
「「「うぃー」」」
もう既に汗だくの5人。
「あついねぇやっぱ。」
「あ、空調切れてんじゃん。」
「まぁ古いしな。」
ロッカールームから龍樹は扇風機を取り出す。
「いいのあんじゃねぇか、5台もあるぜ。」
「使おう使おう」
扇風機前で5人は涼み始めた。そんな時、駐車されている1台の青色のミニクーパーが慶洋は目に留まる。
(あのミニ…)
するとスタジオの防音扉をノックする音がする。
「先生かな?どうぞー」
するとそこには蒼良がたっていた。
「よっ慶洋。これはみんなに差し入れ。」
クーリッシュの入ったレジ袋を可夢偉に渡す。
「貴方はグランドマリンの二宮蒼良さん!?」
「お、知ってくれてるんだァ嬉しいね。」
「なぜここに?」
「ちょっと話したいことがあってなあ。」
悠斗は心配になり慶洋の顔を見る。明らかに曇った様子の表情。
「慶洋、大丈夫?」
「あ、あぁありがとう。」
すると蒼良は慶洋の前に立ち屋上を指す。
「慶洋、ちょっと2人で話せないか?」
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屋上にて。
「で、なんで来たんだ?」
「まずは謝らせてくれ。前はあんな態度を取ってすまなかった。今更赦せとは言わない。」
「別に。今はアイツらが受け入れてくれてるから大丈夫だよ。」
アイスを当てあい遊ぶ4人を見て呟く。
「まぁどうせお前だけだろうよ、そう思ってんのは。じゃなきゃ話がしたいなら拓海が来るはずだろ?」
「まぁそうだな。で、話変わるがお前の幼なじみ達は元気か?」
「かのんと千砂都か?元気だよ。」
「そうか。で、こっからが本題。神宮音楽祭に俺らが呼ばれてて同じく勢力を持ったスクールバンドを呼んで合同曲を作って欲しいって言われてて。」
「で、俺らを呼びたいと」
「そ、考えてて欲しい。じゃあ練習頑張って。」
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6時半。
「はい、じゃあ練習終わり。」
「あぁァァァつかれたぁ。」
「じゃあ片付けして帰るか。」
彼らは楽器を片付け、部室をあとにし、駐車場に向かう。
「さっきの話なんだったの?」
可夢偉が慶洋に尋ねる。
「あぁ、毎年夏に行われる神宮音楽祭にグランドマリンが出場するらしくて一緒に出るバンドに俺らが指名されたらしい。」
「ってことは?」
「グランドマリンと対バン張ることになった。」
「え。」
「え。」
「「「「えぇー!!!」」」」
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自宅についたときかのんからの不在着信を受けた。
『じゃあまた拓海くんとかと曲を?』
「そうなったなぁ。」
『お願い、無理だけはしないで。せっかくまた慶洋くんと音楽ができるってのが嬉しいのに無理してまた弾けなくなったら辛い。』
「わかった。それと千砂都のことなんだけどさ…」
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数日後。都立神泉高等学校。
「ようこそ。都立神泉高等学校へ。まずは今回の急な頼みにもかかわらず快諾してくれてありがとう。改めて、僕は二宮 蒼良。1週間という短い期間だけどよろしく。」
「ほんとに慶洋にあんなこと言ったの?」
悠斗は慶洋に小声で尋ねる。
「少なからずこいつは割と好意的なだけだ。拓海たちは?」
「部室にいるよ。あ、来たっぽい。」
「よぉ、慶洋。よくそんなツラ下げて来れたなぁ。」
「拓海…!」
「おいおい拓海。こっちからお願いしたんだからそんな態度。」
「別に俺はこいつらみたいな弱小バンドじゃなくても良かったんだぜ?逆に一緒にやることに感謝して欲しいくらいだな。」
「なんだと…?お前どんな気持ちで慶洋や悠斗、俺らが活動してんのかわかってんのか!?」
拓海の胸ぐらを龍樹が掴む。
「ちょい龍樹。やめなよ!」
「うっせぇ!挫折した人間の気持ちもわかんねぇ様なやつを見ると腹立つんだよ!」
拓海が払い除ける。
「血気が盛んなことで。しかしどんだけ頑張っても俺らには追いつけねぇよ。」
「それはどうかな?」
黙っていた悠斗が口を開く。
「少なからずそんな態度とるやつに俺らの音楽が負けるわけねぇよ。」
追うようにスティーブも話す。
「そうだよ。音楽の前では皆平等だ。それに君たちに負けるようならエイリー家の名前も傷がつく。」
「そうか…お前らか。代々木音楽高等学校の受験にピアノ、管楽、作曲全てで首席合格を果たした水川悠斗と、伝説の音楽一家のサラブレッド、スティーブ・エイリーは。じゃあ見せてみろよお前らの音楽ってやつを。まあ超えれるわけないが。」
「言われなくてもやって見せてやるよ。俺らが、この5人がやる音楽をよぉ。」
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その後5人は専用のロッカールームに通される。
見るからに錆びたロッカーに埃を被った部屋だった。
「舐められてんなぁ。」
「くそっ腹立つ!なんなんだよあの態度!ゼファーで引きずり回してぇ!」
龍樹がロッカーを殴る。
「まぁこうなったら見せつけるしかないよ。」
スティーブが埃のついたテーブルをなぞりながらつぶやく。
「そうだね。やってやろうよ!」
「「「「「おー!」」」」」
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その後それぞれまずは楽器ごとに練習に別れた。
まずは第一スタジオにて。
ドラムが2セット置かれている部屋に可夢偉は通される。
「ここには、TAMA、Pearlの2社のドラムを置いている。好きな方を選んで。」
「じゃあPearlで。」
「おっけ。じゃあお互い基礎をまずは見せ合おうか。」
まずは蒼良から見せた。
テンポに忠実かつ、アレンジの聞いたフレーズを叩いた。
「実力的にはこんな感じかな?」
(彼らの曲をベースに万人受けかつ通にも受けのいいフレーズの選択。やっぱ凄い!)
「…さすがです。じゃあ次は僕ですね。」
すると息を整え、聴いた音を忠実に再現した上でアレンジに3連フィルなどを盛り込んだ。
「…凄い!基礎とかどんなことしてるの?」
「まずはパッドでのスティックコントロールからメトロノームに合わせて四分、八分、八分三連、十六分、十六分三連、三十二分でのリズムに付点付きを加えて、最後にこの楽譜の基礎フレーズ集を。」
「基礎から応用まで…。」
「と言ってもこの基礎フレーズ集は最近教えていただいたんですけど。」
「でもすごいよ。正直こんなレベルの高いことしてると思ってなかった!」
「…ありがとうございます。」
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「さっきはごめんねうちのリーダーが。気分を害したなら謝りたい。」
「いえ、大丈夫ですよ。うちの幼なじみも半暴力沙汰になりかけてたんでお互いさまです。」
「慶洋とはどう言った経緯で誘ったの?」
「実はグランドマリンの路上からのファンでして。元から小学生の頃からドラムをしてたんですけど使い道がなくてその時に見たあなた達のライブに感動して高校に入ったらバンドを始めるって決めてて。」
「すると偶然同じ高校に慶洋がいたと。」
「そうですね。声掛けるか悩んだんですけど運命だと思って気がついたら足が動いてて…」
「そっか。じゃあ尚更さっきの拓海の態度とかガッカリしたんじゃない?」
「…まぁ少しは。でもどちらかと言うと俺は慶洋くんの実力を見返してやろうって気になりました。なので…」
ドラムから立ち上がりスティックをおく。
「あなた達を俺は、俺らは超えます!」
「…そっか。君とはいい関係になりそうだ。でも僕らも負けないよ。じゃあとりあえず練習しよう。」
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リードギターのいる第二スタジオ。
「よぉ優等生くん。」
「…どーも。」
「そんな固くなんなよ、これでもお前の実力は汲んでんだぜ?尚更慶洋と組んでるのが勿体ねぇよ。」
「誰と組もうと俺の勝手ですので。」
「気に入らねぇな。」
「俺も既にあなたが嫌いです。」
「じゃあ見せてみろよ。お前のギター。」
「もちろん。このマーシャルのギターアンプ借りますよ。」
すると新調したピーコックブルーのIbanezのRGを取り出し、6つのエフェクター関連を繋げる。
(6連!?)
「最近面白いギターソロ曲作ったんだ。聴いてみてくれよ。」
♪hurricane/悠斗(ギター)
この曲はひとつのフレーズをアレンジし繋げ、曲調もロック、スウィング、ブルースロック、ロックンロール、ヘビメタの順番にそれぞれアレンジを変えて演奏する。
「…なかなかやるじゃん。やっぱ勿体ねぇよ。慶洋のどこがいいんだ?」
「姿勢だよ。あいつの姿勢はひとつしか向いてねぇんだ。一点に向かうあの視線はなかなかない。」
「でも挫折した人間だぜ?」「挫折した人間が立ち直って再び挑戦することの何が悪い?」
食い気味に悠斗が話す。
「まぁ、わかんないかぁ。俺らはなにかを挫折したヤツらで構成されてるって言っても過言でもない。全員が夢を叶えるために音楽をしている。技術じゃあ補えないものを持ってんだよ。」
「…前言撤回。ますますお前に興味が湧いたぜぇ。実力はあるようだから先に曲、作っちまおうぜ。」
「なんなんだこいつ…!?」
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リズムギター。
第三スタジオ。
「僕は花田藍翔。君か、さっき声を荒らげてたのは。」
「君じゃねえ、神原龍樹だ。覚えとけ!」
「そういうタイプか。とりあえず基礎を見せてもらおうか。」
「随分上から来るなぁ。生簀かねぇ。」
そう言いながら漆黒のGibsonを取り出し基礎を刻む。
忠実さの中にオリジナリティが垣間見える彼独特のいわゆる“神原節”を炸裂させた。
「…結構できるんだ。じゃあこんなのは?」
ギターフレーズを演奏してみせる。
「こんなのよゆー!」
ハードルをあげて返す。
「お、いいじゃん。じゃあこれは?」
「行けるぜぇ!」
ここから対バンじみたことが始まった。
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ベース。第四スタジオ。
「あんたが慶洋っての?俺は青山智樹。」
「お前が新しく入ったベースか。どう?グランドマリン。」
「間違いなく僕の方が君より向いてるね。全てにおいてあんたより優位だ。」
「ほう、そっか。ま、口より見せた方が早いか。」
慶洋は軽くスラップでフレーズをさりげなく変態レベルに刻む。
「ぐっ、このくらい。」
返すも、さらに左手スラップを加えて返した。
「な、なんなんだよ!」
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その後ボーカルの練習を4人で行い1日が終了した。
「どうだった?パート練は?」
「いやぁ流石前年clublive!優勝チームだと思うよ、基礎からレベルが高かった。」
「でも気に入らねぇ。」
「まあまあ龍樹、んな事言ったって一緒にやらなきゃなんないんだから。」
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次の日。
「練習の様子をみたい!?」
「お前がどんな面提げて練習してんのか見てえだけだ。」
「まぁいいけど。」
「じゃあ決まりだな。普段通りの練習を見せろ。じゃあ9時から」
そのまま拓海は練習室に戻った。
9時になり第二スタジオでいつも通り練習を始めた。
演奏をまずは通す。
その後もう一度演奏をしている途中にいつも通り気になったところで慶洋が止める。
「悠斗、そこのフレーズ下降しているところに山もっていけねぇ?」
「わかったやってみるわ。」
「あと可夢偉、そこのドラム
フレーズ別のパターンある?」
「こんなんどう?」
可夢偉が別のフレーズを叩く。
「そっちの方が生だといいかも。」
「わかった変えてみる。」
(あいつ…変わってねぇ、いや正確にはさらにキレが増してる。)
「わかった。お前らの練習も割といいことしてんじゃん。」
「なんだその口の利き方!?」
「まあまあ龍樹。」
「ありがとな。見せてくれて。」
そのまま拓海は部屋を出た。
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今回の神宮音楽祭としては、まずは代々木音楽高校のバンドが既存曲1曲、新曲1曲を披露し、グランドマリンも同じ流れで演奏、その後2バンドの合同演奏となる。
「今回のテーマは赤!」
「あか?」
「そんな抽象的な。」
「燃え上がるような赤いイメージの曲を作りたい!夏だし。」
「なるほどねぇ。」
「せっかくだし衣装も合わせてもいいかも!」
「火とか使いたいな!」
そんな話をしている中拓海がスタジオに入る。
「悠斗、合同曲の意見出し合いたんだが。」
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「どうだった?今の慶洋。」
「…正直変わってねぇ。音楽と向き合う時の本気の視線も、リスクを負ってでもより良いものを作りたいという姿勢も、何も変わってなかった。むしろキレが増したぐらいだ。俺はそんなアイツが嫌いだったんだ。いつしか妬み嫉むようになった。」
「だから1度の失敗で見捨てたと。」
「そ、でも今思えばあいつだけだ。技術もだけど想いが強いのは。」
「拓海さん…」
「だからこそてめぇらをぶっ潰す。あいつなんか居なくても俺らが1番だって証明する。」
「俺らもだよ。慶洋の凄さを魅せてやる。」
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数日後のことだった。
それまで各々で午前は練習、午後は合同曲の練習をしていたのだが、練習が終わる前、22時の最後の休憩中、慶洋の電話がなる。
「なに?もしもーし?」
『もしもし慶洋くん、明日の早朝東京竹島ターミナルに迎えに来れる!?』
「何があったんだ。」
『ちぃちゃんが変な感じなの!!』
「千砂都が!?」
『私は直接会って話したい!』
「わかった、どうにかする!」
悠斗が慶洋に尋ねる。
「何かあったのか?」
「千砂都が、なにか抱え込んでるっぽい。俺行かないと!」
「待て。」
「拓海!それどころじゃねぇんだよ!」
「知ってる、どうせ止めたって行くんだろ?幼なじみなんだし。だからよ。」
グーを突き出す。
「下手な演奏したら許さねぇ。」
「拓海…」
慶洋は手を重ねる。
「悪い、行くわ!」
慶洋は夜の空の中カローラに乗り込み港に向かう。
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その後港で3時間ほど待つと、そこには漁師のボートに乗ったかのんの姿。
「無理言ってごめん!慶洋くん!」
「いいよいいよ、俺も心配だったし。」
「でもライブとかあるんじゃ…」
「俺のことは後回しだ、今は千砂都。乗って。」
「うん。」
アクセルを開きスポーツモードに切り替え首都高を飛ばす。
「千砂都の出番はいつから?」
「9時。」
「あと2時間しかねぇじゃねぇか!飛ばすぞ!」
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「上に行ったらちぃちゃんいるかなぁ?」
「大丈夫、さっき聞いてきた、上でウォーミングアップしてるっぽい。これ入館証。」
「ありがとう。行ってくる!」
「おう。」
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「かのんちゃん!」
「どうして?」
「来ちゃった…。なんか、電話で話してた時、変だなって思って…。なんか、ちぃちゃん、すごい不安なんじゃないかって…。勘違いかもしれないけど。あ、私が伝えたかったのは一つだけ。私、いつも、ちぃちゃんの事尊敬してる。真面目に頑張って、少しダメでも、めげたり落ち込んだりしないし。だから…。」
「やっぱりダメだな…。」
「え?」
「1人で頑張らなきゃいけないのに…。自分で自分に自信持てるまで、かのんちゃんがいない所で、1人でやろうと思ったのに…。」
「ちぃちゃん…。」
「かのんちゃんが来てくれた時、やっぱりホッとしちゃった…。かのんちゃんは悪くないよ! 悪いのは、弱い私…。かのんちゃんに頼らないって! 今日ここで、かのんちゃんのできない事をできる自分になるんだって!」
「ちぃちゃん…。」
「こう見えて私、負けず嫌いなんだ…。」
「だったら、私も思ってた。ちぃちゃんに助けてもらってばっかりだって。」
「え?」
「歌えなかった時、失敗した時、いつも、ちぃちゃんが助けてくれた!」
「それは、かのんちゃんがいたから…。」
「じゃあ、2人一緒だね!」
「え?」「2人とも頑張ってきた。お互いがお互いを見て、お互いを大切に思って。私ね、あの時、本当に感激したの! 全身が震えた!」
《私、かのんちゃんのできない事をできるようになる! かのんちゃんの歌みたいに、大好きで夢中になれるもの! 私も持てるように頑張る!》
「なんて、カッコ良いんだろうって。私も、ちぃちゃんの事、見習わなきゃって。マネできないくらい歌えるようにならなきゃって!ありがとう。あの言葉があったから。私、今こうして、歌っていられる。」
「ういっす!」
「ういっす!」
「「ういーっす!」」
「ちぃちゃん・・・。」
「待っててね!」
「行ってらっしゃい! ちぃちゃん!」
その舞台に登る前には慶洋の姿もあった。
「慶洋くん。」
「よっ、千砂都。」
「来てくれてたんだ。ライブの練習とかいいの?昔の皆と練習してるんでしょ?」
「俺はただ大事な幼なじみの晴れ舞台を見に来ただけだよ。…その顔だと大丈夫そうだな。」
「…うん、色々ありがとね慶洋くんも。」
「いやいや、感謝するのは俺の方だよ。俺もなんだかんだ千砂都に助けられてる。ベースが弾けないことを気にかけてくれてたのも知ってる。だから千砂都の苦しい時は助けたいって思ったんだ。」
「…本番前に泣かさないでよー」
「そんなつもりは無いよ。ほら行ってこい!」
「ありがとう慶洋くん。」
ピースを重ね合わせ、千砂都はステージに走っていった。
その後優勝を果たし千砂都はスクールアイドルの道を歩み始めることになる。
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8月最後。神宮音楽祭。
音楽と名がついているものは全て部門ごとにステージがある。中でもラップなどのHIPHOP部門とスクールバンドは盛り上がりが毎年すごい。
もちろんかのん、可可、千砂都、すみれの4人も来ていた。
「まさかここに立つ日が来るとは…感動…」
「可夢偉、本番前に感極まるなよぉ?」
「わかってるって。」
「これ、知り合いの可可って子から届いた衣装。」
そういい悠斗は5人分の衣装を机に置く。
赤のレザージャケットだった。
全員意匠が異なっておりそれぞれの個性が輝く。
「可可曰く、『可可にかかればこんなもんデス!皆さんなら似合うと思いますよー』だって。」
「代々木音楽高校のみなさーん。準備の方お願いします。」
「行くか。」
「「「「「おう!」」」」」
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まずは既存曲を弾く。その後新曲を披露した。
♪crimson/Codα
ピアノから始まるこの曲。後半になるにつれ盛り上がりが激しくなり、まさに夏にピッタリな曲となっている。
間奏にはダンスミュージックを取り入れ、会場が一体となって盛り上がった。
「「「よーよーぎ!よーよーぎ!」」」
「さすがだな、この気持ちの強さ。お前らしいや。」
「拓海。」
「だけどてめえに負けはしねぇよ。」
「わかってるって。最高のステージにしよう。」
その後もちろんグランドマリンも会場を一体にした盛り上がりを見せた。
そしてその盛り上がりのまま合同曲を披露した。
♪Music Soul/Codα、グランドマリン
2人の掛け合いや、お互いの楽器同士での対バンなどで大いに盛り上げ、スクールバンド部門は幕を閉じた。
offlive!superstar!!
「はい、岸田慶洋でーす。」
「吉原拓海でーす。…夏にレザージャケットって暑くねぇの?」
「そりゃもう汗ダラダラよ。演出で炎上げたし。実際可夢偉は演奏終わって楽屋戻ったあと軽い脱水症状見たくなってたな。」
「なんか…ストイック。」
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今回は以上!
次は1度閑話を挟んで次に行きますねー。