こちらは読んでおくと次回以降わかりやすいのでご一読お願い致します!
では!
Liella!やCodαが結成される8年前の話。水川悠斗が孤児院を離れ水川竜也と暮らし始め2年が経った頃。
「竜也さん。出張ですか?」
「おう、お前も来いよ。あっちでクラリネット買ってやる。俺のお古ももうガタが来てるからな。注文したんだ。」
「本当ですか!?やったぁ!」
「明日も早いから寝ろよもう。」
「はーい!」
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朝、竜也のスズキカプチーノに乗り込み東京に向かう。
「クラリネット〜クラリネット〜♪」
「それなりにいいモデル注文してるから楽しみにしとけよ。」
「もう楽しみです!」
「そうかいそうかい。」
「そういえば東京の出張って何するんですか?」
「なんだろ…未来への投資?」
「どういうことですか?」
「まぁお前がうーんと大きくなったら分かるよ。」
赤の車体が渋谷インターチェンジを降りる。
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まずは街を走り西巣鴨にある楽器店に向かった。
「お、水川さんいらっしゃい。」
「楽器届いた?」
「届きましたよ。その子用ですか?」
「そうそう。こいつ一丁前にこの歳で3半のリードで吹くんだよ。」
「ならこのbackunなら吹きやすいかもですねぇ。」
ケースを開けるとローズウッドandゴールドメッキのキーのクラリネットが顕になる。
「すごぉい…」
「どうだお前ならこいつ吹けるんじゃねぇの?」
「うんありがとう!」
支払いを済ませて南青山へと向かう。
「今から俺の古い知り合いに逢いに行くんだ。」
「知り合い?」
「そ。そういや同い年の娘がいるって言ってたなぁ。」
「へぇー。」
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南青山、葉月亭。
車を月極に止めてチャイムを押す。
すると若いお手伝いさんが出てくる。
「水川さんお久しぶりです。」
「おーサヤさん。相変わらずここで働いてんのねぇ。」
「まぁ私が決めたことなので。」
「結構結構。防音室にこいつを連れて行ってくれ。」
「かしこまりました。」
「じゃ俺は話をしてくるからその楽器でも吹いてろ。」
「はーい。」
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葉月の娘、恋はバレエの練習から帰ってきた。今行っているバレエ教室ではあまりいいように思われてなかった。ついに今日帰り際に陰口を聞き、肩を窄めて帰ってきた。
「恋様、おかえりなさいませ。」
「サヤ…ただいま…。」
「何かあったのですか?」
「いえ、別に…」
「そうですか。」
すると廊下を歩いていると、クラリネットの音色が聞こえる。
♪愛の挨拶/水川悠斗
随分感情的な演奏をする悠斗に恋は興味を持った。
「サヤ、この部屋に入ってもいいでしょうか?」
「大丈夫ですよ。中にはあなたと同い年の子がいます。」
「同い年でこの演奏ですか?」
「父親がクラリネットのプロ出そうで。」
「なるほど。では失礼します。」
扉を開けるとほんとに子供が身長に合わないクラリネットを持ち吹いていた。悠斗の演奏が終わった瞬間恋は思わず拍手をした。
「うわぁびっくりした!」
「凄いですね、大人の方の演奏かと思いました。」
「ありがとう!クラリネット大好きなんだ!この楽器も今日買ってもらったんだ!俺は水川悠斗!」
「私は葉月恋と申します。」
「あれ、目が腫れてる。何かあったの?」
「私はバレエをしてるのですが、教室の皆に嫌われてるんです。」
「なんで!?」
「家柄でしょうか。」
「そっか…でも気にすることないよ!」
「…?」
「恋ちゃんはさ?バレエがそれで嫌いになった?」
「それは…」
「俺もね、クラリネットの集まりなんか行くと妬まれたりするんだよ。でもね、それは相手より優位な立場だから妬まれるんだよ。好きを突き詰めて行ければいい。俺はそう思ってクラリネットを吹いてる。」
「…そうですか、頑張ります!…話は変わりますが先程、愛の挨拶を吹いてましたよね?」
「うん、練習曲なんだ。」
「私もピアノで練習してるんです。良ければ一緒に演奏しませんか?」
「いいね!やろう!」
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「久しぶりだな竜也。元気だったか?」
「そりゃもちろん快調の極みよ。」
「変わってなさそうで安心した。でなんだ?話って。」
「葉月。俺はあいつと、悠斗と養子縁組をしてねぇんだ。」
「そうなのか?」
「あぁ。本人にも伝えてる。」
「した方が色々都合がいいんじゃないか?」
紅茶をすすりながら竜也は話す。
「あいつには1人で広い世界を見て欲しい。いつでも飛び立てるように。俺は孤児院であいつの歌を聴いた。あの耳の良さ、天性の才能としか表せない。当時5歳にして異常な音感だ。その音感を活かすには様々な手段がある。」
「それを彼の目で見て知り、視野を広げ、自分の力で道を切り拓いて欲しいと。」
「そう。そのために俺は高校生に上がったら里親を解消する。」
「本気で言ってるのかそれ!?」
「あいつは親がいない。だからこそできる自由が沢山ある。それを活かして欲しいんだ。俺の重圧をモロにくらって欲しくない。あいつは俺の母校に入学させる。」
「代々木音楽か。つまり見えてきたぞ。こっちに来る時は色々頼みたいと。」
「そういうことだ。友としてこの願い、呑んでくれねぇか?」
「…まぁいいだろう。恋にもいい影響を与えるかもしれない。」
「悪ぃな葉月。よろしく頼むわ。」
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「おーい悠斗!帰るぞ!」
「はーい竜也さん!」
「最後に写真だけ撮りませんか?」
恋がカメラを用意する。
「いいよ!」
「お、早速やるねぇ悠斗も。」
「そんなんじゃないから!」
「ははは!いい事だ!俺が撮ろう。」
カシャッ
「また会えるといいね!」
「そうですね。」
その場で写真は印刷され、彼、彼女の手に渡った。
…8年後彼らは仕組まれた運命によって再開することになるとも知らずに。
今回は以上です!
では次回!